申込証拠金は返金してもらうことはできるんでしょうか?
不動産を買うときには、売主に対して買付証明書を提出します。
「あなたが販売している不動産を買いたいです」という意思表示となる書類です。
そのときに、申込証拠金を要求されることがあります。
数万円から10万円ほどの金額です。
買付証明書を提出してから「やっぱり購入するのをキャンセルしたい」と思ったとき、支払った申込証拠金は返金してもらうことはできるんでしょうか?
基本、返してもらえます
基本的には返金してもらうことができます。
申込証拠金は仲介業者が代理で預かっていることが多いですが、購入するのをキャンセルした場合にはきっちりと申込証拠金を返金してもらいましょう。
仲介業者によっては、返金を拒否することもあるようですが、例外を除けば、きちんと返金してもらうことができます。
例外については後ほど詳しくお話します。
もし、仲介業者が申込証拠金の返還を拒否するようであれば、その仲介業者が所属している不動産団体に相談するのがオススメです。
不動産団体には
「全国宅地建物取引業協会連合会(全国宅地建物取引業保証協会)」
などがあります。
申込証拠金を返還してくれない仲介業者が所属している団体を調べてトラブルの相談をしてみましょう。
特にハトマークの全国宅地建物取引業協会連合会は約8割ほどの仲介業者が所属している団体です。
まず最初にここから探してみてください。
そもそも、申込証拠金はなんのためにあるのか?
ちなみに、申込証拠金はなんのためにあるんでしょうか?
実のところ、申込証拠金なんかなくても買付証明書を提出することはできます。
買付証明書を提出するためには申込証拠金を支払わなければならないなんて法律はありません。
法的には申込証拠金は不要なのですが、売主or仲介業者が申込証拠金を求めてくることがあります。
特に新築の分譲マンションなどを購入するために買付証明書を提出するときに要求されることがあります。
購入の「本気度」を試すため
なぜ、法的には不要な申込証拠金を売主or仲介業者が求めてくるのかというと、購入の本気度を試すためという意味合いが強いです。
というのも、買付証明書というのは法的な拘束力がありません。
買付証明書を提出したからといって「やっぱり買うのやめた!」ということも可能です。
罰則はありません。
(仲介業者からの信頼を無くすというデメリットはあります)
売主and仲介業者からすれば、それは極力避けたい事態です。
売れると思っていたものがやっぱり売れなくなってしまうからです。
また、1から販売活動を始めなければいけません。
そんなこともあって、購入の本気度を試すために買付証明書を提出するときに申込証拠金が求められることがあるんですね。
返金されない例外がある?
さきほど、例外を除けば申込証拠金はきちんと返金されるとお話しました。
一体どんな例外なんでしょうか?
申込証拠金を支払うときには、預り証という書類を作成することがあります。
言ってみれば領収書みたいなものですね。
その預り証に記載されている内容次第では、申込証拠金を返金してもらいにくくなります。
預り証に「キャンセルでも返還しない」と記載されていないかチェック
もし、すでに申込証拠金を支払っていて預り証が手元にあるのであれば、そこに何が記載されているのかをチェックしてみてください。
多くの場合「申込証拠金は不動産売買契約書の締結の際に手付金に充当されます」などの記載があります。
でも、それだけではなく「キャンセルの場合は申込証拠金は返還しません」などの記載がある場合には要注意です。
その記載に気づかずに預り証にサインや押印してしまっていたら、申込証拠金は返金されないかもしれません。
申込証拠金には法的な拘束力がないので、場合によっては返金してもらえるかもしれませんが、面倒なことになる可能性は高いです。
これから買付証明書を提出して申込証拠金を支払うという人は、預り証にどんなことが記載されているのかをきちんとチェックするようにしてください。
ちなみに、預り証が作成されない場合は、問題なく申込証拠金の返金を請求することができます。
それでも返金されない場合は、さきほどもお話したように、その仲介業者の所属団体に相談してみることをオススメします。
まとめ
というわけで、申込証拠金は返金してもらうことはできるのかということについてお話しました。
問題なく返金してもらうことができます。
そもそも、法的には買付証明書を提出するのに申込証拠金は不要だからです。
法的には不要なのに、なぜ、売主or仲介業者が申込証拠金の支払いを求めるのかというと、購入の本気度を試しているからです。
とはいえ、申込証拠金には法的な拘束力はないので、購入をキャンセルする場合には返金しなければいけないですけどね。
ですが、申込証拠金の返金を拒否する仲介業者もまれにあります。
そんなときは、その仲介業者が所属する不動産団体に相談してみてください。
ちなみに、申込証拠金を返金してもらえるのは不動産売買契約書の締結前までです。
一度、不動産売買契約書を締結してしまうと、そこには法的な効力が発生します。
不動産売買契約書の締結時に支払った手付金も返金されないので注意しましょう。
関連記事:手付金の目的は?手付金の金額を決める前に知っておきたいこと
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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