マンションの外壁タイル調査は「打診」と「赤外線」どちらがいい?

マンションの外壁のタイル調査は「打診」と「赤外線」のどちらの方がいいんでしょうか?

2008年から、マンション管理組合でも外壁のタイル調査が義務付けられています。業者に頼むにもどちらのほうがいいのか気になっている人もいるでしょう。一体、どっちの方がいいんでしょうか?

打診の方が確実です。

打診の方が確実と言えます。

手の「触覚」と耳に入る「音」で判断します。

打診では、手の「触覚」と耳に入る「音」で判断します。

タイルに剥離がある場合には、タイルと壁の間にわずかな隙間があります。なので、打診棒でタイルを叩くと、手に伝わる触覚も変わってくるし、叩いたときの音も変わってくるんですね。

「コツッ!コツッ!コツッ!」と鳴っていた音が、突然「コッ!」みたいに鈍い音に変化します。

一方、赤外線の場合には「視覚」だけで判断します。

一方、赤外線の場合には「視覚」だけで判断します。

赤外線カメラでマンションの外壁を撮影すると、外壁の温度がどうなっているのかが視覚で分かります。温度が低い部分は青く表示され、温度が高い部分は赤く表示されます。

タイルの剥離がある場合、タイルと壁の間の空気が温められて、赤外線カメラでは赤く表示されることになります。どこか、部分的に赤く表示されている場合には、そこがタイル剥離している可能性があるということになります。

曇っていたりすると、サーモグラフィーにも影響がでます。

ただ、赤外線カメラの場合には、天気に左右されるというデメリットがあります。

曇っていたりすると、マンションの外壁に均一に太陽の光があたるわけじゃなくなりますよね。当然のことながら、外壁には温度差ができます。低い温度は青く表示され、高い温度は赤く表示されるサーモグラフィーに大きな影響がでることになります。

また、樹木による影響もあります。樹木の影が、マンションの外壁にかかってしまう場合には、当然のことながら、その部分の温度は低くなります。

なので、赤外線によるタイル剥離のチェックには、多少の不完全性が残ってしまうんですね。

でも、費用は赤外線の方が安いです。

とはいえ、費用は赤外線の方が安いです。

当然ですね。なによりも、足場を組む必要がありません。屋上からロープを垂らす必要もありません。ただ、赤外線カメラで撮影して、サーモグラフィーを分析するだけです。

打診の場合には、タイルを1枚1枚叩いて確認していくために、どうしても足場やロープなどの経費がかかります。特に、足場を組むには高額な費用がかかります。

そんなわけで、最近ではロープを使った打診チェックが増えているのですが、それでも赤外線によるチェックよりは費用が高くなります。

検査報告義務を果たしたいだけなら赤外線でもいいかも。

もし、マンション管理組合としての検査報告義務を果たしたいだけであれば、赤外線でもいいかもしれません。

というのも、行政への検査報告義務では、赤外線による外壁タイル調査を認めているからです。確かに、打診チェックのほうが確実です。タイル剥離の可能性を極力低くしたいというのであれば、打診チェックの方がいいです。

でも、とりあえず、検査報告義務を果たしたいというだけなのであれば、赤外線によるチェックの方が安く上げることもできますし、いいのかもしれません。

まとめ

というわけで、マンションの外壁タイル調査は「打診」と「赤外線」のどちらがいいのかというお話をしました。

確実なのは「打診」です。手に伝わる触覚と、耳に入る音で確認することができます。一方、「赤外線」の場合は、視覚だけでチェックします。また、赤外線の場合には、天気や樹木の影などに結果が影響されることがあります。

ただ、費用は赤外線の方が安くなります。もし、マンション管理組合としても検査報告義務を果たしたいだけなのであれば、赤外線の方がいいかもしれません。行政も、赤外線によるチェックを認めています。

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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