既存不適格物件の売買にはどんな問題点があるんでしょうか?
日本には既存不適格な物件が多くあります。
「気に入った物件が既存不適格なんだけど購入したい」
「建てた後に既存不適格になってしまったんだけど物件を売りたい」
ということも少なくないと思います。
既存不適格な物件の売買には、
どんな問題点・注意点があるんでしょうか?
融資がおりにくいです。
融資がおりにくいという問題点があります。
例えば、既存不適格な物件を気に入って購入したいと思っても、
融資してくれる金融機関を探すのが結構大変です。
というのも、基本的に金融機関は既存不適格な物件に対して融資をしたがりません。
特に大手の金融機関だと無理だと思ってもいいかもしれません。
既存不適格は違反建築とは区別されているのですが、
金融機関からみると同じような扱いにされる傾向があります。
「既存不適格にしろ違反建築にしろ、建て替えるとしたら今よりも小さな建物にしないといけないんでしょ?」
という感じです。
既存不適格な物件を売るにしても、
融資がおりにくいというのは大きな問題になります。
現金一括での売買になることが多いということ。
必然的に、既存不適格な物件は現金一括での売買になることが多いです。
一般サラリーマンの方が買うのはかなり難しいと思います。
買えるのは、地主や、経営者、法人などになることが多いです。
その他には、なぜかたくさんの現金を持っている人たちでしょうか。
融資OKだったとしても金利は高くなる傾向があります。
ちなみに、既存不適格だったとしても、
融資してくれる金融機関もあります。
というよりも、価格次第でしょうか。
銀行にとってリスクの少ない既存不適格な物件であれば、
金融機関も融資することがあります。
ただし、金利は相場よりも高めになることがほとんどです。
今なら3%とか4%でしょうか。
建て替え時に問題が発生する可能性が高いです。
そして、既存不適格な物件は建て替え時に問題が発生する可能性が高いです。
というのも、今の建築基準法に違反しているから既存不適格になっているからです。
建て替えるとしたら、
建築基準法を守るように建て替える必要があります。
場合によっては、
建て替えることが不可能な場合もあるので、
かなり注意が必要です。
一番大きいのは容積率の問題です。
現実的な問題で、
一番大きいのは容積率なんじゃないでしょうか。
例えば、建築基準法では容積率が120%なのに、
実際には容積率150%で建てられている場合、
30%分の容積率を削らなければいけません。
敷地が100平米なのであれば30平米分の床面積を削らなければいけません。
これって結構大きいです。
30平米というのは6畳部屋3部屋分です。
子供が多い家族の場合には大きな問題になってきますよね。
また、投資用として既存不適格な物件を購入したい場合には、
建て替えると、1部屋か2部屋、減らさないといけないことになります。
収益性が落ちてしまうことになります。
今より狭くなることは避けられません。
既存不適格というのは、
現在の建築基準法を違反していることです。
どこを違反しているのかはそれぞれの物件によって違います。
例えば、1981年以前に建てられた建物は、
耐震基準を満たしていないことが多いです。
これも既存不適格です。
はたまた、都市部で昔に建てられた建物は、
防火基準を満たしていないことが多いです。
でも、やっぱり多いのは建ぺい率や容積率オーバーです。
斜線制限や日影規制などによって建物を小さくしなければいけないことも多いです。
いずれにしても、
今、建っている建物よりは小さく建て替えなければいけないことがほとんどです。
今よりも狭くなることは避けられないということですね。
まとめ
というわけで、既存不適格物件の売買にはどんな問題点があるのかというお話をしました。
まず、第1に融資がおりにくいです。
なので、現金一括での売買になることが多いです。
場合によっては融資がおりることもあるのですが、
金利は高くなる傾向があります。
第2に建て替え時に問題が発生する可能性が高いです。
特に容積率の問題です。
建て替えるときには、今の延べ床面積よりも狭くなることはさけられません。
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投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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