「既存不適格」と「違反建築」の違いってなんなんでしょうか?

建築基準法を満たしていない建物のことを

「既存不適格」とか「違反建築(違法建築)」と言ったりします。

 

どちらも建築基準法を満たしていないことに変わりはないのですが、

大きな違いがあります。

 

一体、どんな違いがあるんでしょうか?

 

建ったときから違反してるのが違反建築です。

まずは、違反建築から。

 

違反建築というのは、

建ったときから建築基準法を満たしていない建物のことを言います。

 

言ってみれば、

意図的に建築基準法を無視するつもりで建てられた建物ということですね。

 

建物というのは、建築基準法によって建てられる建ぺい率や容積率が決まっています。

それ以上の容積率では建てられないわけです。

 

でも、より広い建物が欲しい場合、

建築基準法を無視することによって、

より広い建物を建てることができます。

 

例えば、戸建ての場合であれば、

もう1部屋増やしたりとかですね。

 

図面通りに建てられていません。

建物を建てるためには、確認申請をしなければいけません。

 

「こんな感じの建物を建てたいんですがよろしいでしょうか?」

 

と行政に図面などを提出して許可をあおぐわけです。

ここで許可をもらえなければ建物を建て始めることもできません。

 

まあ、相当な山奥であれば確認申請すらしない違反建築もあるかもしれませんが、

街中にある違反建築は、確認申請だけはしているはずです。

 

でなけれな、すぐに見つかってしまいますからね。

更地のはずの土地に建物が建つことになってしまいますから。

 

なので、違反建築を意図的に建てるときも、

確認申請に提出する図面は建築基準法を満たしたものにします。

 

そして、確認申請に通って、建物を建てるときに、

図面通りに作らずに、違法建築になるわけです。

 

本当であれば、建物が完成したときに、

図面通りに建てられているかどうかを確認する検査確認というものが入ります。

 

それに合格すると検査済証という証書が発行されるわけですが、

2005年以前はあまり検査確認というものが重要視されていませんでした。

 

なので、違反建築というのは基本的に2005年以前のものに多くなっています。

 

一方、既存不適格は建ったときには適法です。

次に、既存不適格です。

 

既存不適格の場合、

意図的に建築基準法に違反しようという意思はありません。

 

少なくとも、建った瞬間は建築基準法を満たした建物になっていたはずです。

適法です。

 

図面通りに建てられているということ。

確認申請をして、

提出した図面通りに建物を建てたということです。

 

どこにも問題がありません。

 

違反建築の場合には、検査済証が発行されることはないと思いますが、

既存不適格の場合には、検査済証が発行されていることだってあります。

 

図面通りに建てているので検査済証だって問題なく発行されるわけです。

 

じゃあ、なぜ、既存不適格なのか?

それが、なぜ、既存不適格になってしまうんでしょうか?

 

実は、建物そのものに問題が発生するわけではなくて、

建物を取り巻く法律の変化が原因になるんです。

 

建った後に建築基準法が改正されることが原因です。

建築基準法というのは、定期的に法改正されます。

 

今ある建築基準法だって、数年後とか数十年後には違うものになっている可能性が高いです。

 

今、この記事を書いているのは2019年6月21日ですが、

数日後の6月25日にも建築基準法が改正されます。

 

この改正によって影響を受ける建物もある可能性があるんですね。

 

今回の改正はどちらかというと規制緩和の傾向があるので、

反対に既存不適格だった建物が適法になる可能性が高くなっています。

 

例えば、今回の改正では防火地域および準防火地域の建ぺい率が10%緩和されます。

既存不適格が適法になる可能性だってあるということですね。

 

外部リンク:建築基準法の一部を改正する法律について|国土交通省

 

容積率や建物の高さがオーバーしてしまうことがあります。

とはいえ、今までは建築基準法は規制が厳しくなる傾向がありました。

 

新たに用途地域が作られたり、用途地域が変わったりすると、

建ぺい率や容積率などが変わります。

 

住居系の用途地域では建物の高さも制限されています。

 

それによって、容積率や建物の高さがオーバーしてしまうことが結構あります。

 

そうなると、既存不適格になってしまうんですね。

 

また、建物を建てた後に、敷地の一部を売却してしまうことで、

容積率が足りなくなるということもあります。

 

例えば、庭の一部を売却とか、駐車場を売却とかですね。

 

そうなると、建てられる延べ床面積も小さくなってしまいます。

 

容積率ギリギリで建てている場合、

それによって容積率をオーバーすることがあります。

 

こちらは建築基準法の改正は関係なく既存不適格になる例ですね。

 

そういうこともあります。

 

まとめ

というわけで、既存不適格と違反建築の違いについてお話しました。

 

建ったときから建築基準法に違反しているのが違反建築です。

確認申請のときに提出した図面通りに作られていない建物です。

 

一方、既存不適格は建った当時は建築基準法を満たしている建物です。

どこにも問題がありません。

図面通りに建てられています。

 

でも、建った後の建築基準法の改正などによって、

基準から外れてしまうことがあります。

 

そうなると、既存不適格になってしまうんですね。

 

関連記事:検査済証がないのですが家を売却することはできるでしょうか?

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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