既存不適格なマンションって実は結構あるんでしょうか?
建ったときには適法だったけど、
その後に法律が変わって、
違法になってしまった建物のことを既存不適格と呼んだりします。
中古マンションを探していると、
結構、既存不適格なマンションを見かけたりします。
実は、既存不適格なマンションって多いんでしょうか?
実は結構あります。
実のところ結構あります。
既存不適格な物件って築古の物件に多いです。
というのも、
建築基準法が改正されることによって、
既存不適格になってしまうからです。
1970年代から1980年代にかけて建築基準法が大きく変わりました。
なので、その年代以前から建っている建物は、
既存不適格なことが多いんですね。
特に、戸建てに比べてマンションは寿命が長いです。
既存不適格なマンションも数多く残っているんですね。
築50年以上のマンションに多いです。
具体的に言うと、
築50年以上のマンションに既存不適格が多いです。
都心には結構ありますよね。
築50年以上のマンション。
秀和シリーズとか、ホーマットシリーズとか。
ヴィンテージマンションと呼ばれるものにも既存不適格なものは少なくありません。
容積率という概念が登場したのが1970年ごろ。
なぜ、築50年以上のマンションに既存不適格が多いのかというと、
「容積率」という概念が登場したのが1970年ごろだからです。
今では当たり前のように容積率という言葉を使っていますが、
1970年までは容積率はありませんでした。
それ以前は高さによる規制だけでした。
1970年より以前には、
容積率ではなくて、
絶対高さ制限によって建物の高さを規制していたんですね。
住居系の地域は高さ20メートルまで、
それ以外の地域は高さ31メートルまでと決められていました。
高さ31メートル(約10階)まで自由に建てられました。
なので、1970年以前に建てられたマンションというのは、
絶対高さギリギリまで建てられていることが多いです。
つまりは高さ31メートルです。
1階高が3メートルだとすると、
10階建てのマンションが建てられることになります。
容積率400%だとせいぜい5階までです。
それが、1970年以降、
容積率による規制がはじまりました。
容積率の規制がもっともゆるい商業地域であったとしても、
容積率400%のところもあります。
容積率400%だと何階建てまで建てられると思いますか?
建ぺい率80%だとして、
5階建てまでしか建てることができません。
80%を5階分で400%です。
そういう土地に、10階建てのマンションが建っていることがあるんですね。
容積率を2倍ほどオーバーしているということです。
もし、建て替えるとなると、5階建てまでにしか建て替えられません。
まとめ
というわけで、既存不適格なマンションって実は結構多いのかというお話をしました。
実のところ結構多いです。
特に築50年以上のマンションに多いです。
というのも、容積率という概念が登場したのは1970年以降だからです。
それまでは、容積率ではなくて絶対高さ制限によって建物を規制していました。
多くのマンションが10階建てまで建てられる時代でした。
それが、1970年に容積率によって規制されるようになりました。
容積率400%とかだと、
マンションは5階建てとかまでしか建てることができません。
関連記事:既存不適格の家・マンションを売却することは難しいでしょうか?
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投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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