不動産会社はどんな方法であなたの家を査定するのか?

不動産会社に家の査定をお願いすると「あなたの家の査定額は〇〇〇〇万円です」と教えてくれます。

思っていた以上に高かったり、思っていた以上に安い場合もあります。

 

そして、不動産会社によって査定額が大きく違う場合もあります。

一体、不動産会社はどうやってあなたの家を査定しているんでしょうか?

 

査定システムを使っていることが多いです

家の査定には「査定システム」が使われていることが多いです。

家についての情報をいろいろと打ち込めば、自動的に査定額がポンッとでてくるようなシステムです。

 

メジャーなところでは不動産流通推進センターが提供している「価格査定マニュアル」があります。

年額3240円で利用可能です。

 

中小の不動産会社であれば、だいたいこの価格査定マニュアルを利用しているのではないでしょうか。

なんといっても利用料が安いですからね。

 

そして、このシステム、個人でも利用可能です。

まあ、不動産会社に査定をお願いすれば査定額を教えてくれるのでわざわざ個人で使う必要はないと思いますけどね。

 

こういった査定システムは不動産流通推進センターだけではなく、東京カンテイなどでも提供されています。

大手不動産会社では独自の査定システムがあったりもします。

 

過去の売買事例を比較します

査定の基本は売買事例の比較です。

「取引事例比較法」と呼ばれたりします。

 

査定システムの中でも、基本的にはこの取引事例比較法が使われています。

 

あの家があの価格で売れたのならこの家もこれくらい?

簡単に言えば、「あの家とそっちの家があの価格で売れたのであれば、この家もこの価格で売れるはずだ」という査定の仕方ですね。

細かく分析しようとすると複雑になりますが、考え方としては単純です。

 

相場の平均値をとるとも言えますね。

 

ただ、家というのは全く同じものというのはありません。

似たような立地や建物であっても、全く同じというのはあり得ません。

 

仮想空間なら可能かもしれないですけどね。

 

でも、この世界は物理空間です。

同じ場所に複数の家が建つということはあり得ません。

 

なので、取引事例比較法を使ったとしても、確実にこれくらいの価格で売れるということは言いづらいんですね。

 

最後の決め手は「勘」です

そこで登場するのが「勘」です。

 

査定システムというとさも凄そうなイメージを受けますが、実際にでてきた査定額に違和感を感じることもあります。

「ちょっと高すぎるんじゃないの?」とかですね。

 

そういうときは、査定人の「勘」で調節されます。

 

不動産流通推進センターの価格査定マニュアルには「流通性比率」というパラメーターがあります。

基本は「1.00」になっています。

 

この数字を、査定人の勘でイジるんですね。

 

査定額がちょっと高いと思った場合には、流通性比率を「0.95」とかにします。

そうすると、査定額が1000万円から950万円になります。

 

反対に、査定額が低いと感じた場合には、流通性比率が「1.10」に変更される場合もあります。

査定額が1000万円なら1100万円になるということです。

 

実のところ、査定額というのはこの「勘」によって大きく変動します。

不動産会社によって査定額に差があるのもそのためです。

 

戸建ての場合には築年数で査定されることもあります

査定の基本は「取引事例比較法」です。

でも、「原価法」という方法が使われることもあります。

 

こちらは他の家との比較ではなくて、新築時との比較になります。

 

「もし、家を新築として建て直すと原価はどれくらいかかるのか?」ということを計算します。

その原価から築年数分の劣化を考慮すれば、今の家の価格がわかります。

 

木造住宅の場合には耐用年数が22年と法律によって決められています。

 

なので、築11年で家の価値は半分になります。

新築時の原価が2000万円であれば、築11年のときの価格は1000万円になるということです。

 

不動産流通推進センターの価格査定マニュアルでは、戸建ての建物部分の査定にはこの「原価法」が使われています。

 

まとめ

というわけで、不動産会社はどんな方法であなたの家を査定するのかについてお話しました。

 

査定システムを使っていることが多いと思います。

メジャーなところでは不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」などがあります。

 

査定システムでは基本的には「取引事例比較法」という方法を使って家が査定されます。

「あの家とそっちの家があの価格で売れたのであれば、この家もこれくらいの価格で売れるはずだ」という査定の仕方です。

 

ただ、査定システムを使うとしても最後には「勘」が使われます。

「流通性比率」というパラメーターによって査定額が調節されます。

 

もし、査定額に疑問を感じたらこの流通性比率をチェックしてみてください。

そして、その根拠を不動産会社の担当者に聞いてみてください。

 

「勘」が単なる勘なのか根拠のある勘なのかがわかるはずです。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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