容積率オーバーしている物件には住宅ローンがおりずらい?

世の中には、容積率がオーバーしてしまっている建物というものがあります。

 

例えば、容積率120%のところが実際には150%になっていたりとかですね。

いわゆる違反建築や既存不適格と呼ばれる建物です。

 

そういった、容積率がオーバーしている建物には住宅ローンはおりずらいんでしょうか?

 

大手金融機関からは基本的におりません。

結論から言えば、おりづらいです。

 

特に、大手の金融機関からはお金を融資してもらうことは、

できないと思っていたほうがいいと思います。

 

大手の場合、社内規定やコンプライアンスなどで、

容積率オーバーの違反建築や既存不適格には融資しない、

と決まっていたりするので難しいんですね。

 

狙うなら中小の金融機関。

なので、容積率オーバーの物件を住宅ローンを使って購入したいという場合には、

中小の金融機関を狙うのがいいです。

 

もしくは、ノンバンクです。

 

中小だからといって、

必ず融資してもらえるわけではありません。

 

中小でも、融資してくれないところの方が多いかもしれません。

 

でも、融資してくれるところもあります。

 

どれぐらい容積率オーバーしているのかにもよります。

ちなみに、どれぐらい容積率をオーバーしているかにもよります。

 

2倍ぐらいオーバーしているとかだとちょっと難しいかもしれません。

 

反対に、数%ほどオーバーしているだけとかだと、

比較的融資してもらいやすいはずです。

 

というのも、どれくらい容積率をオーバーしているのかによって、

土地の持っているポテンシャルが変わってくるからです。

 

基本的に、土地というのは建物を建てられなければ価値がありません。

 

再建築不可な土地って安いですよね。

建物が建てられないからです。

 

もし、容積率が2倍ぐらいオーバーしている場合、

建て替えるとなると今の半分の延べ床面積の建物しか建てられません。

 

言ってみれば、土地の価値が半分になってしまうぐらいのインパクトがあります。

 

大事なのは金融機関にとってリスクが少ないかどうか。

融資で大事なのは、

金融機関にとってリスクが少ないかどうかです。

 

金融機関は、お金を貸して利子で利益を得ています。

お金を貸さないことにはビジネスになりません。

 

でも、1番恐れているのは、貸したお金が返ってこないことです。

貸し倒れになってしまうことを恐れます。

 

容積率がオーバーしている建物というのは、

金融機関にとってはリスクが高いんですね。

 

仮に、住宅ローンが滞納されたりすると、

金融機関は物件と差し押さえて、競売にかけます。

 

そうやって融資した資金を回収するのですが、

容積率オーバーだと安くなりがちなんです。

 

なんといっても、金融機関からの融資が難しいので買える人が限られます。

 

実は、競売物件でも住宅ローンを利用して購入することができます。

 

欲しい人(買える人)が少なくなると、

落札価格も当然下がります。

 

そうすると、融資した資金を全額回収することができずに損をする可能性がでてきます。

 

ほぼ土地値で買えるのであれば融資してもらえる可能性が高い?

もし、容積率オーバーの物件を、

ほぼ土地値や、土地値以下で購入することができるとしたらどうでしょうか?

 

容積率オーバーしている建物部分の価値は0円ということです。

この状態であれば、金融機関にとってもリスクは少ないのではないでしょうか?

 

仮に、ローンが滞納されたとしても、

建物を取り壊してもらって、土地だけで売却してもらえば、

融資したお金を全額回収できる可能性は高くなります。

 

容積率オーバーしている建物を取り壊せば、

違法建築でも既存不適格でもなくなります。

 

適法な土地だけの売却になるので、

金融機関も問題なく融資してくれます。

 

安く売らざるを得ないということも少ないです。

 

建て壊しにも費用がかかりますが、

戸建ての場合は約100万円ほどです。

 

もし、土地ではなくて、

建物部分の方の価値が高かったりしたら、

取り壊しすることも難しいです。

 

競売にかかるとすると、

かなり安く買われることになってしまいます。

 

金融機関からするとリスクが高いのではないでしょうか。

 

まとめ

というわけで、容積率オーバーしている物件には住宅ローンはおりずらいのかというお話をしました。

 

おりずらいです。

特に、大手の金融機関からの融資は諦めたほうがいいと思います。

 

狙うなら、中小の金融機関か、ノンバンクになります。

 

また、どれくらい容積率をオーバーしているのかにもよります。

 

大事なのは、金融機関にとってリスクが少ないかどうかというところです。

 

もし、土地値以下で物件を購入することができるのであれば、

金融機関も融資してくれる可能性が高いです。

 

容積率オーバーしている建物を取り壊して、

土地だけで売却すれば、融資した資金を全額回収できる可能性が高いからです。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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