新居に引越し後の「住所変更登記」を忘れていませんか?

家を購入して、新居に引越し。

 

住民票も新住所に移したし、

新しい住所で印鑑登録もしたし、

運転免許証の住所も変更した。

 

めでたしめでたし。

と思っていませんか?

 

もしかしたら、「住所変更登記(登記名義人住所変更登記)」を忘れていませんか?

 

住宅ローンを旧住所で契約していませんか?

ほとんどの人は、

家を購入するときに住宅ローンを利用します。

 

住宅ローンの契約をするためには、

書類として住民票が必要になってきます。

 

あなたは、住宅ローンを契約したときに、

旧住所の住民票を提出しましたか?

 

それとも、新しい住所に移転させてから住民票を提出したでしょうか?

 

最近の金融機関は、新住所での住民票を求めてくることが多いです。

 

「まだ入居してないのに、新住所の住民票を提出しろってどういうこと?」

と思いますよね。

 

「まだ引越してない(新居も完成してない)けど、住民票だけ移してください」

ということです。

 

役所には虚偽の申告をすることになるので、

言ってみれば違法です。

 

でも、結構こういうことが行われています。

役所の人も「そういうことなら。。」と対応してくれることも多いようです。

 

であれば、登記上の住所も旧住所のままです。

で、法律違反をせずに住宅ローンを利用したいと思うなら、

旧住所での住民票を提出することになります。

 

そうすると、その住所が登記事項証明書に記載されます。

 

新築の場合には、所有権保存登記をおこなうのですが、

その欄には、所有者の住所も記載されます。

 

その住所が旧住所で記載されるんですね。

 

で、新居に引越しをすると、

あなたの住所は新住所になるのですが、

登記事項証明書の住所は旧住所のままになってしまうんですね。

 

役所で住民票を移しても、

登記上の住所も合わせては変更してくれません。

 

住所変更登記をおこなう必要がでてきます。

 

特に問題がない?

でも、住所変更登記をおこなわない人がほとんどです。

 

新居への引越しでそれどころではないということもあるし、

そもそも、住所変更登記しなければいけないということを知らないことがほとんどです。

 

もしかしたら、金融機関の人や司法書士に、

新居への引越し後に、住所変更登記をしなければいけないと聞かされるかもしれませんが、

忘れてしまうことが多いです。

 

なによりも、住所変更登記をおこなわなくても特に問題がないんですね。

 

当面の間は。

 

家を売る時に問題になってきます。

住所変更登記をおこなわなくても、

特に問題になることはほぼありません。

 

でも、あるときに問題になってくるんです。

 

家を売る時です。

 

住宅ローンを利用すると、

金融機関は、あなたの家に抵当権というものを設定します。

 

もし、住宅ローンの返済ができなくなったら、

金融機関は抵当権を発動させて、あなたの家を差し押さえます。

 

そして、競売にかけて融資したお金を回収しようとします。

 

その、抵当権の設定を抹消させようと思ったときに、

旧住所のままだと問題がでてくるんですね。

 

旧住所のままだと抵当権抹消できません。

抵当権を抹消するためには、

抵当権抹消登記申請というものをおこないます。

 

このとき、登記上のあなたの住所と、

抵当権抹消しようとしている家の住所が一致している必要があります。

 

旧住所のままだと一致しませんよね。

 

つまりは、そのままだと抵当権抹消登記がおこなえません。

 

とはいえ、住所変更と抵当権抹消は同時に申請できます。

旧住所で登記されている場合、

抵当権抹消登記をおこなう前に、

住所変更登記をおこなう必要があります。

 

とはいえ、住所変更登記の反映を待つ必要というのはありません。

 

住所変更登記と抵当権抹消登記は、

同時に申請することができます。

 

連件申請が可能です。

 

35年後でもできます。

驚くべきことは、

住宅ローンの返済が終わるであろう35年後とかでも、

問題なく住所変更登記をできるということですね。

 

35年間、旧住所のままになっていても、

特にペナルティーとかありません。

 

もっと言えば、35年以上経ってても問題ありません。

 

ただ、抵当権抹消しようと思ったときに、

住所変更登記も同時におこなわなければいけないというだけです。

 

本来は、新居に引越したらすぐに住所変更登記しなければいけません。

 

でも、特に問題が発生しないし、

抵当権抹消登記と同時に申請できてしまうので、

 

「新居に引越しても住所変更登記はしなくてもいい」

という司法書士さんもいるぐらいです。

 

まとめ

というわけで、新居に引越した後の「住所変更登記」を忘れていませんかというお話をしました。

 

住宅ローンを旧住所で契約している場合、

家の登記も旧住所で登録されます。

 

旧住所のままでも特に問題がおこらないことがほとんどなので、

多くの人は忘れてしまいます。

 

でも、家を売る時に少し問題になってきます。

旧住所での登記だと、抵当権抹消することができないんですね。

 

なので、抵当権抹消登記をおこなう前に住所変更登記をおこなう必要があります。

 

でも、住所変更と抵当権抹消は同時に申請することができます。

登記から35年後でも問題なくおこなうことができます。

 

言ってみれば、住所変更登記を忘れていても特に問題になることはほぼないということですね。

 

とはいえ、気になる人は新居に引越したら住所変更登記もしておきましょう。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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