法22条区域で木造3階建てを建てるのに規制ってあるんでしょうか?
準防火地域で木造3階建てを建てようとすると、「技術的基準」に適合した建築物にする必要があります。
2階建てなら防火構造でいいのですが、3階建てだと構造材に耐火材を使うことが求められてきます。
22条区域に木造3階建てを建てるときにも、なにか条件が変わるんでしょうか?
準防火構造さえ満たせば木造3階建ても建てられます
22条区域では「準防火構造」を満たす必要があります。
お隣の家が火事になったとしても、20分は巻き添えにならないでいられる構造です。
具体的には、外壁と軒裏に不燃材を使います。
22条区域の場合、それは木造3階建てでも変わりません。
準防火構造さえ満たせば建てることができます。
ただし、家の高さに要注意です
木造3階建てでも準防火構造さえ満たせばいいのですが、家の高さには要注意です。
というのも、22条区域としての規制はないのですが、建物の規模に対する規制というのが建築基準法21条に定められているからです。
防火地域だからとか、準防火地域だからとか、22条区域だからとか、関係ありません。
日本で建てられるすべての建築物に適用される規制です。
13メートルを超えるなら準耐火建築物にしなければいけません
家の高さが13メートルを超えてしまうと、建築基準法的には大規模な建築物として扱われます。
そして、耐火構造や準耐火構造が求められるようになるんですね。
家の高さが13メートル以上で、3階建て以下の場合には、準耐火建築物として建てることが求められます。
準防火地域に木造3階建てを建てるときよりも微妙に規制が強くなります。
準防火地域で木造3階建てを建てる場合には「技術的基準適合建築物」にする必要があります。
準耐火建築物の場合には、外壁と軒裏も準耐火仕様にしなければいけません。
でも、技術的基準適合建築物の場合には、外壁と軒裏は防火仕様でもいいんです。
22条区域の方が規制がゆるいはずなのに、家の高さが13メートルを超えると、準防火地域よりも規制がきびしくなります。
ちょっとした逆転現象ですね。
ちなみに、普通に建てるのであれば木造3階建てで家の高さが13メートルを超えるということはあまりないと思います。
だいたい12メートルぐらいになるのではないでしょうか。
でも、天井高を高くしたいとか、屋根の傾斜を強くしたいとか思うと超える可能性がでてきます。
軒高が9メートルを超える場合でも同じです
制限は家の高さだけではありません。
軒高に関しても制限があります。
軒高の場合は9メートル以上になると、準耐火建築物として建てなければいけなくなります。
軒高というのは、道路から屋根を見上げたときに見える、屋根の裏の部分までの距離のことです。
軒高に関してもも、一般的な階高で家を建てるのであれば、9メートルは超えないと思います。
ただ、家の高さと同じで、それほど余裕があるというわけではないですけどね。
各階通常よりも50センチ天井高を高くしたいとか思うと、9メートルを超えてしまいます。
構造材に耐火材を使う必要があります
準耐火建築物として家を建てる場合には、構造材に耐火材を使う必要がでてきます。
耐火材というのは、火事が起きたとしても、構造材としての機能を失わない材料のことです。
火事が45分間続いたとしても、構造材として機能することができるということですね。
木材って燃えやすいように思いますが、実のところ、燃え尽きるまでには結構時間がかかります。
柱や梁の場合は特にそうですね。
なので、火事が45分続いたとしても、燃えるのは柱や梁の表面の数センチです。
残った部分で構造を支えられるのであれば、それは耐火材として認められます。
なので、もし、家の高さが13メートルを超えたり、軒高が9メートルを超えたりする場合には、普通よりも太めの柱や梁を使う必要がでてくるということですね。
まとめ
というわけで、22条区域で木造3階建てを建てるのに規制はあるのかというお話をしました。
3階建てだからという規制は特にありません。
準防火構造さえ満たしていれば、2階建てと同じように建てることができます。
ただ、家の高さが13メートルを超えたり、軒高が9メートルを超える場合には注意です。
22条区域だからということではなく、日本のどこに家を建てたとしても、準耐火建築物として建てる必要がでてきます。
関連記事:準防火地域で木造3階建ての家を建てることはできる?
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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