容積率が余っている中古マンションって買いでしょうか?

土地には容積率が決まっています。

建てられる建物の最大サイズが決まっています。

 

大抵の場合、最大サイズで建物は建てられます。

 

でも、中には容積率を使い切らずに建てられる建物もあるんですね。

マンションでもそういうことがあります。

 

そんな、容積率が余っているマンションというのは、買いなんでしょうか?

 

余ってないよりは良いです。

容積率が余っているというだけで買いとは言えません。

でも、余ってないよりは良いです。

 

場合によっては、

余っているどころか容積率オーバーしていることもありますからね。

 

容積率オーバーしていると、

違反建築や既存不適格として扱われるので、

買うのにも、売るのにも、ちょっと手間がかかったりします。

 

それなら、容積率は余っていたほうが全然良いです。

 

住民負担なしで建て替えられる?

容積率が余っている場合、

場合によっては、住民負担なしで建て替えられることがあります。

 

タダで新築マンションに住み替えられるということですね。

 

容積率が余っている中古マンションが気になるということは、

それを狙っているのではないでしょうか?

 

建て替える時に、容積率ギリギリまで建てると、

部屋が増えることになります。

 

その部屋を第3者に販売することによって、

建て替え費用を抑えることができるんですね。

 

場合によってはタダになります。

 

大事なのは立地。

確かに、容積率が余っている場合、

住民負担なしで建て替えられる可能性があります。

 

でも、それだけじゃ足りないんです。

 

大事なのは立地だったりします。

 

建て替え費用の2倍の価格で売れる?

というのも、

立地が良くなければ、高く売れないからです。

 

住民負担なしで建て替えるということは、

建て替え費用を新住民の方に負担してもらうということです。

 

今よりも多くの住戸を作って、余った住戸を販売します。

 

その販売利益で建て替え費用をまかなうということです。

 

例えば、20住戸ある中古マンションを建て替えるとします。

 

容積率が半分余っている場合、

40住戸の新築マンションに建て替えられます。

 

建て替え費用として、

1住戸2000万円がかかったとすると、8億円かかります。

 

その費用を、余っている住戸を販売することによって回収しないといけないんです。

 

20住戸で8億円ということは、

1住戸4000万円で売らないといけないということですね。

 

それだけの価格設定ができる立地である必要があるんですね。

 

東京都内なら可能性があるかも。

そう考えると、

郊外の立地の場合には、ちょっと難しいかもしれません。

 

狙うなら東京都内での立地でしょうか。

 

実際のところ、住民負担なしで建て替えることができた、

桜上水ガーデンズとブリリア多摩ニュータウンは、

どちらも東京都内の立地です。

 

2019年現在、東京都内のマンションの平均価格は7000万円ほどになっています。

かなり高止まりしています。

 

もし、東京都の港区あたりで容積率が余っている中古マンションがある場合、

住民負担なしで建て替えられる可能性はとても高いと思います。

 

容積率が30%しか余っていないという場合でも、

住民負担なしにできるかもしれません。

 

1住戸7000万円で売れるのであれば、

それも可能になってきます。

 

まあ、そんな中古マンションがあればという話ですけどね。

 

まとめ

というわけで、容積率が余っている中古マンションは買いかというお話をしました。

 

余っていないよりも、余っているほうが全然良いです。

もしかしたら、住民負担なしで建て替えることが可能になるかもしれません。

 

でも、それが可能かを左右するのは、

容積率よりも立地かもしれません。

 

というのも、住民負担なしで建て替えるということは、

建て替え費用を新住民の方に負担してもらうということだからです。

 

建て替え費用には、80平米の場合、

1住戸あたり2000万円ほどかかります。

 

これをタダにしようと思うと、

少なくとも1住戸あたり4000万円以上で販売する必要があります。

 

そう考えると、立地は東京都内じゃなければ難しいと思います。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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