「新築プレミアム」は何割ぐらい上乗せされるんでしょうか?
「新築プレミアム」という言葉、聞いたことはあるでしょうか?
新築の家はプレミアム価格で売られているという意味です。言ってみれば、実質的な価値よりも高く売られているということです。一体、どれくらい上乗せされているんでしょうか?
2割ほど上乗せされます。
ザックリと言うなら、2割ほど上乗せされていることが多いです。
もちろん、業者によって幅があります。あまり広告展開をしないような業者であれば、新築プレミアムはそれほど上乗せされないかもしれません。
反対に、大量の広告と人件費を使うような業者である場合、かなりの新築プレミアムが上乗せされている可能性があります。
言ってみれば、新築プレミアムというのは、その業者にとっての利益ということです。家を建てる業者というのはビジネスでおこなっていますから、当然のことながら利益をださなければいけません。
そして、広告費や人件費などの経費もかかります。そして、どれくらいの利益が欲しいかということが考慮されて、新築プレミアムがどれくらいになるかということが決められます。
2000万円の家なら400万円が新築プレミアム。
2000万円の家であれば、その2割の400万円が新築プレミアムになることが多いです。
その400万円から、広告費や営業のための人件費(大工の費用は新築プレミアムに含まれません)などの経費を引いた額が、業者にとっての利益となります。
例えば、広告費に100万円、人件費に100万円だとすると、業者の利益は200万円になります。もし、広告費もかけずに、人件費も50万円に抑えるとすると、業者の利益は350万円になります。
同じ新築プレミアムであっても、業者によって利益の幅は大きくかわってくるんですね。そして、どちらの業者のほうが値引きに応じてくれそうでしょうか?
もちろん、あまり経費をかけていない業者の方です。「150万円値引きしても利益が200万円残るのならいいかな?」という計算ができます。
一方、広告費と人件費に経費をかけている業者はどうでしょうか?「150万円も値引きしたら利益が50万円しか残らないよ!ムリムリ!」ということになります。
実際の価値は1600万円ぐらいということ。
家の実際の価値というのは、新築プレミアムを除いた価格になります。2000万円で売られていて、新築プレミアムが400万円の家は、その実際の価値は1600万円だということです。
「新築の家は買った瞬間に価値が落ちる」と言われることがあります。その理由はここにあります。
2000万円で購入した家は、入居した瞬間に1600万円の価値になるんです。ビックリですよね。でも、こういったことは家だけに限ることではありません。
自動車にしても、家具にしても、新品で購入するものは大抵、買った瞬間にその実質的な価値は下がります。稀に、そうではないものもありますけどね。超人気商品などの場合には、その限りではありません。
場合によっては、新品の価格よりも高く売れたりすることもあります。まさしく、プレミアム価格になることもあります。
もし、「買った瞬間に価値が下がるのはイヤだなあ」と思うのであれば、中古住宅を検討してみるという選択もあります。中古住宅の場合には、買った瞬間に価値が下がるというようなことはありません。
すぐに売りに出すのであれば、大抵の場合には、買ったときと同じような価格で売ることができます。
メリットもある?
ちなみに、買った瞬間に価値が落ちることには、多少のメリットもあります。
新築プレミアム分には固定資産税はかかりません。
固定資産税です。新築プレミアム分には固定資産税はかかりません。
固定資産税というのは、売買した価格に対して課税されるわけじゃないんです。実際の、その家の価値に対して課税されます。
例えば、2000万円で家を購入したとしても、2000万円に対して1.4%の固定資産税が課税されるわけじゃありません。実際の家の価値というのは、行政によって判断されます。どういう風に判断されるのかは公表されているわけではないのでハッキリとはわかりませんが、購入した額よりも安くなるのは確かです。
そして、それは大抵の場合、新築プレミアムを除いた価格に近いものになります。2000万円の家であれば、1600万円ぐらいの評価になるということですね。
固定資産税の場合には、この価格にさらに7割掛けをした額に対して、固定資産税が課税されます。計算すると、年間15.6万円ほどの固定資産税になります。
もし、新築プレミアム分にも固定資産税がかかるのであれば、年間19.6万円ほどの固定資産税になります。結構違いますよね?
【関連記事】エコカラットを使うと固定資産税が高くなる?
まとめ
というわけで、新築プレミアムは何割ぐらい上乗せされるのかというお話をしました。
2割ぐらい上乗せされることが多いです。2000万円の家なら400万円が新築プレミアムということです。実際の価値は1600万円ほどになります。
固定資産税は、新築プレミアムを除いた実際の価値に対して課税されます。
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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