専任媒介契約じゃないと仕事を受けない不動産会社があるのはなぜ?

家を売るとなると、不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。

「一般媒介契約」と「専任媒介契約」のどちらかになることがほとんどです。

 

そして、不動産会社の中には「専任媒介契約」じゃないと仕事を受けないというところもあります。

それはなぜなんでしょうか?

 

2つの理由に分かれます

専任媒介契約じゃないと仕事を受けない理由。

それは2つに分かれます。

 

両極端です。

天国と地獄のようなものです。

 

1つは、囲い込みをするために専任媒介契約にしたいと思っている場合。

そして、もう1つは、家の売却に自信を持っている場合です。

 

【1】囲い込みをしようとしている

囲い込みというのは、他社からの買主の紹介を断ってしまうことを言います。

 

専任媒介契約を結ぶと、不動産会社はレインズというシステムにあなたの家を登録する必要があります。

法律でそう義務付けられているからです。

 

専任媒介契約の場合は、契約を結んでから7日以内に登録することになります。

 

レインズというシステムは、不動産会社であれば誰でも閲覧することができます。

それを見て、あなたの家が欲しいという人を紹介してくることがあるんですね。

 

「レインズに掲載のこちらの物件はお客様(買主)に案内可能でしょうか?」と問い合わせてきます。

その問い合わせに対して「こちらの物件は今商談中です」とか答えてしまうんです。

 

本当は商談中でもなんでもないのにです。

 

このことを物件を「隠す」とも言います。

これは、専任媒介契約じゃないとできません。

 

【2】家の売却に自信をもっている

家の売却に自信をもっている場合にも、専任媒介契約が要求されることがあります。

「できるだけ良い条件で家を売ってみせるから専任媒介契約にして欲しい」ということですね。

 

家を売るには色々と経費がかかります。

家を売った後に問題が起こらないように、土地の権利関係や、水道管の埋設場所などを事前に調べておく必要があります。

 

場合によっては他人の土地の下に水道管が埋設されていることがあるんです。

そういった場合、後々トラブルの元になります。

 

また、家を売るには、多くの人に売りに出ているということを知ってもらう必要があります。

そのためには、広告費がかかります。

 

そういった費用を確保するためにも専任媒介契約を結んでおきたいんですね。

 

どっちなのか判断できるでしょうか?

あなたには、その不動産会社がどちらなのかを判断することはできるでしょうか?

実は結構難しいと思います。

 

というのも、囲い込みをしようとする不動産会社は、都合の悪いことは決して口にしないからです。

さも高く家が売れそうなことを話したりします。

 

営業トークですね。

場合によっては「この人に任せれば大丈夫そうだ」と勘違いする可能性だってあります。

 

囲い込まれると損をすることになります

囲い込まれると、確実に損をすることになります。

例えるならば、あまり人がいない所でオークションをするようなものです。

 

オークションって人が多ければ多いほどに価格が上がりますよね。

正確には、欲しい人が多ければ多いほどにですけど。

 

もし、欲しい人が1人しかいなければどうなるでしょうか?

その人の言い値で売れることになってしまうのではないでしょうか?

 

それと同じようなことが囲い込まれると起こります。

 

囲い込まれると、あなたの家が売りにでているということに気がつく人が少なくなります。

当然のことながら、「この家を買いたい」とか「この家を内覧したい」という人もなかなか現れません。

 

囲い込みが原因なのですが、そのことを知らないと「価格が高いからなかなか売れないのかな?」って思ったりします。

 

そんな時に、不動産会社の担当者から値下げの提案をされたとしたらどうなるでしょうか?

値下げに応じてしまうのではないでしょうか?

 

なぜ、そんなことをするのかということについては、別の記事(この記事の最後にリンクがあります)で詳しくお話しているのでチェックしてみてください。

 

どうやって判断する?

みすみす囲い込まれる必要はありません。

囲い込みをしようとしている不動産会社かどうかを判断する方法というのがあります。

 

専任媒介契約じゃないと仕事を受けないという不動産会社の場合には、しっかりと判断できるようにしておきましょう。

 

囲い込みのリスクについて自分から説明してくれるか?

結構シンプルです。

専任媒介契約には囲い込みのリスクというものがあります。

 

そのことについて、不動産会社の担当者自身が説明してくれるのであれば、囲い込みをされる可能性というのはかなり少なくなると思います。

 

だって、ほとんどの売主は囲い込みの存在を知りません。

知らないでいてくれるからこそ、囲い込みをおこなうことができます。

 

自分から囲い込みのリスクの説明をするということは、売主に囲い込みについての存在を教えることにもなります。

警戒されてしまうことになります。

 

なので、囲い込みをおこなおうとする不動産会社は自分からは話しません。

 

一般媒介契約でもOKな不動産会社を探すという手も

自分から囲い込みのリスクについて説明してくる不動産会社は、囲い込みをおこなう可能性は極めて低いと思います。

囲い込みの存在を知っている人に対して囲い込みをおこなうことは難しいですからね。

 

ただ、まったくゼロとは言えません。

 

もし、「どうにも自分では判断できないなあ」とか「ちょっと怪しいなあ」という場合には、やっぱり一般媒介契約を結ぶのがいいです。

一般媒介契約であれば、仕組み的に囲い込みをおこなうことは不可能になるからです。

 

まとめ

というわけで、専任媒介契約じゃないと仕事を受けない不動産会社がある理由についてお話しました。

 

2つの理由に分かれます。

結構両極端です。

 

囲い込みをおこなおうとしているか、家の売却に自信があるかのどちらかです。

 

どっちなのかを判断するのは結構難しいと思います。

 

もし、囲い込みをおこなおうとしている不動産会社と専任媒介契約を結んでしまった場合、かなり高い確率で損をすることになります。

相場よりも安い価格で家を売ることになる可能性が高いです。

 

なので、囲い込みをしようとしている不動産会社じゃないかどうかを判断する方法を知っておくことはとても大事です。

 

判断の仕方は結構シンプルです。

 

自分から囲い込みについてのリスクについて説明してくれるかどうかです。

もし、囲い込みのリスクについて一言も触れない場合には、囲い込みをおこなおうとしている可能性があります。

 

どうも判断がつかないという場合には、一般媒介契約でも仕事を受けてくれる不動産会社を探したほうが無難かもしれません。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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