「開発許可」と「建築許可」にはどんな違いがあるんでしょうか?

市街化調整区域に家を建てようとすると、「開発許可」か「建築許可」のどちらかが必要になってきます。

(農家などの場合にはどちらも不要です)

 

「開発許可」という言葉は市街化調整区域以外でもよく使われますが、「建築許可」というのは市街化調整区域ならではの言葉かもしれません。

 

一体、どんな違いがあるんでしょうか?

 

農地を宅地に変更するには「開発許可」が必要になります

まずは、具体例をだしてみます。

 

市街化調整区域の「農地」を購入して家を建てる場合には「開発許可」が必要になります。

農地を宅地へと変更する必要があるからです。

 

開発というと、なにやら土地をあれこれとイジるようなイメージをもつのではないでしょうか?

確かにそういったことも開発行為に含まれるのですが、土地の「性質」に変更を加えることも開発行為に含まれるんです。

 

農地が畑の場合には、田んぼを宅地へと変更させるよりも楽です。

田んぼの場合には、田んぼを土で埋め立てないといけないので結構大変です。

 

でも、畑の場合には、ほとんど手を加える必要がないかもしれません。

 

そんな場合でも、農地を宅地に変更するときには「開発許可」が必要になります。

 

開発行為というのは、土地の「形質」に変更を加えることを言います。

形(カタチ)と質(性質)です。土地のカタチに変更を加えない場合でも、性質を変更する場合には開発許可が必要になってくるんですね。

 

土地の地形に高低差を作る場合には「開発許可」が必要になります

山や丘の斜面に家を建てるという場合にも「開発許可」が必要になります。

 

斜面に家を建てる場合には、地面が平らになるように造成しなければいけません。

斜面の土を掘ったり(切土)盛ったり(盛土)したりして、家を建てるための平らな部分を作り出します。

 

斜面になった土地を掘ったりすると、そこに高低差ができますよね。

小さな崖ができます。

 

そして、掘った土はそのまま、平らな部分を作るための盛土として使われます。

掘った部分と地続きになるように、斜面に土を盛って平らにします。

 

そうすると、そこにも小さな崖(高低差)ができます。

高低差の合計が2m以上になる場合には、開発許可が必要になります。

 

家を建てるための「基礎工事」は開発行為には含まれません

土地のカタチを変更する場合には開発許可が必要になるということは、「家を建てるときの基礎工事にも開発許可が必要になるのでは?」と思うかもしれません。

 

基礎工事(根切り)をおこなうときには土地を掘り起こします。

土地のカタチに変更を加えていることになります。

 

でも、家を建てるための基礎工事は開発行為には含まれないことになっています。

 

まあ、2mも掘るわけではないですからね。

 

土地に手を加えることなく家を建てられるなら「建築許可」でOKです

市街化調整区域で購入した土地がすでに「宅地」で、土地に手を加える必要がないという場合には「建築許可」を得ることができれば家を建てることができます。

「開発許可」は不要です。

 

例えば、市街化調整区域では旧既存宅地が売られていることがあります。

市街化調整区域として指定される前から建っている中古住宅のことを旧既存宅地と言います。

 

市街化調整区域では、基本的には建物を建てることは難しいです。

 

でも、旧既存宅地の場合には、同じような構造と広さであれば、誰であっても建て替えが許可される可能性が高くなっています。

 

この場合には、土地に手を加える必要はありません。

古い家を取り壊して、新しい家に建て替えるだけです。

 

なので、必要なのは「開発許可」ではなくて「建築許可」だけになります。

 

市街化調整区域「以外」では開発許可も建築許可も不要なことが多いです

「建築許可」というのは、市街化調整区域ならではの概念かもしれません。

というのも、市街化区域はもちろん、非線引き区域であっても、基本的には家を建ててはいけないと決められている区域はないからです。

 

市街化区域に家を建てるために建築許可は必要ありません。

非線引き区域の場合であっても、家を建てるために建築許可は必要ありません。

 

もっと言えば、山奥のような都市計画区域の外に家を建てるときにも建築許可は必要ありません。

 

ただし、市街化調整区域「以外」であっても開発許可は必要になることがあります。

 

市街化区域であっても、1000平米以上(都心部では500平米以上)の土地に手を加える場合には開発許可が必要になります。

非線引き区域であっても、3000平米以上の土地に手を加える場合には開発許可が必要になります。

 

まとめ

というわけで、「開発許可」と「建築許可」の違いについてお話しました。

 

市街化調整区域に家を建てるときには、基本的には「許可」が必要になってきます。

 

農地を宅地に変更して家を建てるなど、土地の性質を変更する場合には「開発許可」が必要になります。

山や丘の斜面に家を建てたいという場合など、土地のカタチに手を加えた結果、2m以上の高低差ができる場合にも「開発許可」が必要になります。

 

一方、特に土地に手を加える必要もなく、家を建てられるという場合には、「建築許可」だけでOKです。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。