「宅地造成」と「整地」にはどんな違いがあるんでしょうか?

家を建てる前の準備段階として、「土地を宅地造成する」とか、「土地を整地する」という表現が使われたりします。

 

どちらも同じような意味で使われがちなのですが「宅地造成」と「整地」には違いがあります。

 

一体どんな違いがあるんでしょうか?

 

すぐに家を建てられるように土地をきれいにしておくことを「整地」と言います

まず最初に「整地」からお話します。

整地というのは簡単に言うと、すぐに家を建てられるように土地をきれいにしておくということです。

 

例えば、土地に雑草が生えているのであれば、きちんと雑草を取り除いておきます。

多少の凸凹があるのであれば、それを平らにならしておきます。

 

コンクリート片や木片が土地の上に散らばっているのであれば、そういったものもキレイに取り除いておきます。

 

そして、地面の硬さが均一になるように転圧ローラーなどで地面を硬めます。

地面に柔らかい部分があると、家を建てた後にその部分だけ沈んでしまうことになりますからね。

 

そうやって、すぐに家を建てるための基礎工事を始められるような状態にされた土地を「整地された土地」と言います。

 

高低差のある土地を「地形を変えて整地」することを「宅地造成」と言います

次に「宅地造成」についてです。

実のところ「宅地造成」と「整地」というのは別々のものではありません。

 

山や丘の斜面などの高低差のある土地を「地形を変えて整地」することを「宅地造成」と言います。

宅地造成の中には整地することも含まれているということですね。

 

家というのは、大体は平らな土地の上に建っていますよね。

 

別荘建築とかの場合には、あえて斜面の高低差を利用して家が建てられたりもしますが、それでも必ず平らな部分を作る必要はあります。

じゃないと部屋の床を平らにできませんから。

 

寝室の床が平らじゃなかったら快適に寝ることなんてできませんよね。

 

なので、高低差のある、斜面になった土地に家を建てる場合には、地面を必要に応じて平らにする必要があります。

 

斜面の土を削ったり、斜面に土を盛ったりして、土地を平らにします

斜面になった土地を平らにするには、2つの方法があります。

 

ひとつは、斜面の土地を削ることです。

削った部分の土地は平らにすることができますよね。

 

その、平らになった地面の上に家を建てることができます。

 

ふたつめは、斜面に土を盛ることです。

 

斜面に土を盛って、盛った部分を平らにします。

そうすると、その平らになった部分に家を建てることができます。

 

そして、その2つの方法を組み合わせた方法もあります。

 

斜面の一部の土を削って、削り取った土をそのまま斜面に盛ります。

そうすることで、地面を平らにすることができます。

 

削り取った土を処分する必要もないし、新たに土を運んで来る必要もないので、実際のところは、この2つの方法を組み合わせた方法が採用されることが多いと思います。

 

どの方法にしても、土砂崩れの危険性が高まるので、きちんと土を硬く転圧しておいたり擁壁を作っておく必要がありますけどね。

 

地域によっては宅地造成するのに「許可」が必要になることもあります

ちなみに、宅地造成をおこなうには許可が必要になることもあります。

「宅地造成工事規制区域」にある土地を宅地造成しようとすると、都道府県知事に工事の許可をもらう必要があるんですね。

 

宅地造成工事規制区域というのは、基本的には大雨が降ったときなどに土砂崩れや洪水などの災害が起こりやすそうな地域で指定されることが多いです。

 

東京でももちろん宅地造成工事規制区域に指定されているところがあります。

 

多摩市や町田市、八王子市の一部、青梅市、多摩川沿い、意外なところでは板橋区の一部などが指定されています。

やっぱり、地形の高低差が大きい地域ですね。

 

地図で確認してみたいという人は、東京都都市整備局のサイトで公開されているので確認してみてください。

 

外部リンク:宅地造成工事規制区域|東京都都市整備局

 

最初から平らな土地は「宅地造成」する必要はないということ

宅地造成と整地は同じような意味で使われることもあります。

宅地として土地を整備することはすべて「宅地造成」だと思っていたという人もいるのではないでしょうか?

 

実のところ、ちょっと違うんですね。

 

最初から平らになっているような土地に家を建てる場合には、宅地造成する必要はないんですね。

整地するだけで十分なんです。

 

だって、地形を変形させる必要がないんですから。

 

まとめ

というわけで、宅地造成と整地の違いについてお話しました。

 

整地というのは、家をすぐに建てられるように土地をキレイにしておくことです。

雑草とかコンクリート片とか木片をキレイに取り除いて、地面も柔らかい部分がないように転圧ローラーなどで硬めます。

 

宅地造成というのは「整地+地形変更」です。

 

斜面などの高低差のある土地を、家を建てられるように平らに地形変更することです。

その上で、整地もおこないます。

 

宅地造成と整地はまったくの別物ではないということですね。

「地形変更をともなう整地」のことを「宅地造成」と言うということです。

 

ちなみに、宅地造成をおこなうには土地によっては許可が必要になったりもします。

 

関連記事:「開発許可」と「建築許可」にはどんな違いがあるんでしょうか?

 

投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。