非線引き区域に家を建てるのは難しいでしょうか?

都市計画区域の中には、市街化区域と市街化調整区域に分けられていない「非線引き区域」というものがあります。

線引きする必要がないぐらい市街化されていない区域です。

 

市街化調整区域に家を建てるのは難しいのですが、非線引き区域の場合はどうなんでしょうか?

 

非線引き区域に家を建てることは「可能」です

結論から言えば、非線引き区域に家を建てることは「可能」です。

 

自然環境の良い土地を探していると、市街化調整区域の土地が気になったりします。

でも、市街化調整区域には基本的には一般人は家を建てることが難しいです。

 

市街化調整区域に家を建てられるのは農家などの特定の職業についている人だけです。

 

非線引き区域というのは、言ってみれば市街化調整区域よりも田舎にあることが多いです。

なので、「市街化調整区域みたいに家の建築が規制されているのでは?」と思うかもしれません。

 

でも、実際のところは非線引き区域に家を建てることは簡単です。

 

むしろ規制が「ゆるい」です

非線引き区域は、規制が強いどころか、規制が「ゆるい」です。

市街化調整区域と同じようなものだと思っている場合、意外に思うかもしれませんね。

 

「市街化調整区域では家の建築がかなり規制されているから、非線引き区域ではもっと規制が強いのでは?」と思う人もいるかもしれません。

 

でも、その逆です。

非線引き区域は実のところ市街化区域よりも規制がゆるい場所なんですね。

 

市街化区域と市街化調整区域に「線引き」された理由は?

なぜ、非線引き区域の規制はゆるいんでしょうか?

 

それを知るには、「市街化区域」と「市街化調整区域」が線引きされた理由を考えると理解しやすいです。

都市計画法が作られる前は、東京などの都市部であっても市街化区域と市街化調整区域に分けられてはいませんでした。

 

言ってみれば、非線引き区域だったんです。

 

そして、高度成長で日本の人口が増えていくにしたがって、宅地開発が活発におこなわれるようになりました。

住宅メーカーなどは思い思いの場所に建売住宅などを建てて販売していきました。

 

農地として使われていた場所も宅地として乱開発されていったんですね。

それを規制する法律がなかったからです。

 

でも、都市を機能させるにはインフラ設備の整備が欠かせません。

水道・ガス・電気などです。

 

市街地があまりにもあちこちに分散していると、インフラの整備にお金がかかります。

わざわざそこまで水道管や電線を引かなければいけませんからね。

 

そこで国は、都市を、市街化させていく区域と、そうではない区域に分けることにしました。

それが「線引き」です。

 

都市を「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けることにしたんですね。

都市計画法第7条に定められています。

 

市街化調整区域の規制が厳しいのにはそういった理由があったんですね。

 

でも、線引きする必要がないと判断されたエリアは、規制されずに「非線引き区域」として残ることになりました。

非線引き区域の規制がゆるいのにはそういった理由があります。

 

非線引き区域にも市街化区域と同じく「用途地域」があります

規制のゆるい非線引き区域ですが、市街化区域と同じように「用途地域」が指定されているエリアもあります。

「低層住居専用地域」とか「商業地域」とか「工業地域」などですね。

 

この用途地域によって、家の建築が規制されているエリアもあります。

非線引き区域であっても家を建てることはできないので注意が必要です。

 

海に面した街の場合には、港のあたりは工業地域に指定されていることが多いです。

そういった工業地域には、非線引き区域であっても家を建てることはできないということですね。

 

まあ、工業地域に家を建てたいと思う人は稀だとは思いますが。

 

「白地地域」であっても家は建てられます

非線引き区域で、用途地域が指定されているエリアは、駅の周辺や役所の周辺だけです。

それ以外の部分には用途地域が指定されていません。

 

そういった用途地域が指定されていないエリアのことを「白地地域」と呼んだりします。

 

都市計画の地図上では用途地域は色で分けられています。

住宅地は「緑」とか、商業地域は「赤」とか、工業地域は「青」とかですね。

 

用途地域の指定がない場合は地図上では白く残ることになります。

だから「白地地域」です。

 

そういった白地地域でも家を建てることができます。

 

とは言え、まったく制限がないというわけではなくて、低層住居専用地域と同じような制限になります。

建ぺい率は60〜70%で容積率は200%に指定されている白地地域が多いように感じます。

 

斜線制限も低層住居専用地域と同じように指定されているところが多いです。

 

ただ、市街化調整区域みたいに、家を建てるために開発許可が必要ということはありません。

建築確認申請が通れば、問題なく家を建てることができます。

 

今後、線引きされないとは限らないことに注意です

非線引き区域に家を建てることは可能ですが、ひとつだけ注意が必要です。

それは、今後、「線引き」されないとは限らないという点です。

 

今は線引きされていなくて非線引き区域だとしても、今後、市街化が加速して宅地が乱開発されるようなことがあれば、線引きによって規制されて、「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けられる可能性もあります。

 

そうなると、建てた家はそのどちらかに属することになります。

 

白地地域の場合には「市街化調整区域」に属する可能性が高いです。

そうなると、市街化調整区域と同じように規制されることになります。

 

まあ、市街化調整区域に指定される前から建っている家は、既存宅地の特例として、建て替えることになったとしても許可不要になる可能性が高いですけどね。

 

そもそも、人口が減少しつつある今の日本では市街化によって街が拡大するということはあまり考えられないような気もします。

 

まとめ

というわけで非線引き区域に家を建てることはできるのかというお話をしました。

 

家を建てることはできます。

市街化区域や市街化調整区域よりも規制はゆるいと言えます。

 

というのも、宅地の乱開発などを抑制する目的で、都市計画区域は「市街化区域」と「市街化調整区域」に線引きされているからです。

非線引き区域はそういった規制が不要と判断された区域と言えます。

 

とはいえ、非線引き区域にも市街化区域のような用途地域が指定されているエリアもあります。

非線引き区域であっても用途地域が工業地域になっている場合には家を建てることはできません。

 

非線引き区域で用途地域が指定されていないエリアのことを「白地地域」と呼びますが、白地地域にも問題なく家を建てることができます。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。