防火地域に木造住宅は建てられるんでしょうか?

建物が密集している地域は防火地域に指定されていることが多いです。

商業地域はほぼすべてが防火地域ですし、幹線道路沿いもだいたい防火地域です。

 

高い建物が建てられる地域はだいたい防火地域だと思っていいと思います。

そんな防火地域に、木造住宅って建てられるんでしょうか?

 

防火地域でも木造住宅を建てられます

結論から言えば、防火地域であっても木造住宅を建てることはできます。

木造建築が禁止されているわけではありません。

 

防火地域では、耐火建築物か準耐火建築物としての技術的基準を満たす必要があります。

逆を言えば、その基準さえ満たせば木造だっていいわけです。

 

ただ、木材というのは基本的に燃えやすい素材です。

 

なので、防火地域では鉄筋コンクリート造で建てられることが多いのですが、最近は燃えにくい木材というのも開発されてきています。

例えば、竹中工務店では「燃エンウッド」という耐火性のある木材が開発されていますし、鹿島建設でも「FRウッド」という耐火性のある木材が開発されています。

 

今後は、防火地域でも木材が使われることが多くなってくるかもしれません。

 

でも、無垢材は使えません

防火地域でも木造住宅を建てることは可能です。

 

でも、無垢材を使った木造住宅を建てることは不可能です。

無垢材というのは、何の加工もしていない木材のことですね。

 

木の風合いを最も感じることができる木材です。

 

そんな無垢材を使って家を建てたいという人は、防火地域に家を建てることは諦めてください。

もっと言えば、実のところ東京などの都心部では、家全部を無垢材で建てるということがとても難しくなっています。

 

防火地域に指定されていなくても、準防火地域か22条区域に指定されていることがほとんどだからです。

準防火地域も22条区域も家のすべてを無垢材で建てることが難しくなっています。

 

土地が400平米ぐらいあれば建てられる可能性もありますが、都心は土地代が高いです。

あまり現実的ではありません。

 

なので、無垢材だけで家を建てたいという人は、郊外に防火系の指定がない土地を見つける必要があります。

 

火事が起きても45分以上は崩れないようにする必要があります

防火地域では無垢材を使うのが難しいのには理由があります。

 

防火地域では耐火建築物か準耐火建築物としての技術的基準を満たす必要があります。

ものすごく簡単に言えば、火事が起きたとしても最低でも45分間は建物が崩れ落ちないようにする必要があるんです。

 

そのためには、火にさらされても燃えない材料を使う必要があります。

コンクリートがよく使われるのはそのためです。

 

ただ、木材であっても色々と加工を施したものがあります。

集成材などがそうです。

 

火にさらされても燃えにくいように加工した集成材であれば、防火地域であっても木造住宅を建てることが可能になります。

さきほどお話した「燃エンウッド」や「FRウッド」も集成材です。

 

ちなみに、防火地域であっても2階建てで100平米以内であれば、準耐火建築物として建てることができます。

準耐火建築物の場合には、火事が起きても45分は崩れないことが条件になります。

 

3階建て以上なら1時間以上です

2階建てで100平米以内であれば準耐火建築物でいいのですが、3階建て以上や、2階建てでも100平米を超えると耐火建築物として建てる必要がでてきます。

 

準耐火建築物では45分崩れ落ちなければいいのですが、耐火建築物の場合はその基準が上がって1時間以上になります。

火事が起きたとしても1時間以上崩れ落ちない建物にする必要があります。

 

基本的には、耐えられる時間が増えるほどに、耐火集成材も太くなります。

耐火建築物として木造住宅を建てたいという場合には、柱や梁がとても太くなるということでもあります。

 

日当たりには期待をしないほうがいいです

防火地域でも木造住宅を建てることはできます。

でも、日当たりにはあまり期待をしないほうがいいです。

 

防火地域は中高層の建物が建てられる地域です。

そんな中に2階建ての木造住宅が建っているところをイメージしてみてください。

 

1日中、日が入らないということもあり得ます。

例え、現状では大丈夫だったとしても、突如、10階建ての建物が建てられて日が入らなくなってしまうかもしれません。

 

まとめ

というわけで、防火地域に木造住宅を建てることはできるのかというお話をしました。

 

可能です。

防火地域では耐火建築物か準耐火建築物としての基準が満たされていれば構造は問われません。

 

ただ、火事が起きたとしても少なくとも45分間は崩れ落ちないでいる必要があります。

木造住宅でそれを実現するには無垢材では無理で、耐火集成材を使う必要があります。

 

また、防火地域では日当たりはあまり期待できません。

南側が大きな道路に面しているとかなら大丈夫かもしれませんが、それでも10階建て以上の建物が対面に建てられでもしたら日照時間に大きく影響してきます。

 

また、耐火集成材の進化によって、木造でも耐火建築物として建てることが簡単になってくるとは思います。

でも、構造材が太くなるので、空間的には木造というよりも、鉄筋コンクリートに近い感じになるのではないかなと思います。

 

関連記事:「耐火構造」と「防火構造」ってどんな違いがあるんでしょうか?

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。