宅建士の資格を持っていないとできないことって?
家を売買するときには、
宅建士の資格を持っている人に、
頼まなければいけない、
というイメージがあると思います。
確かに、そうしなければいけない場合は多いです。
でも、実際のところ、
宅建士の資格を持っていないとできないことって、
たった1つだけなんです。
重要事項説明は宅建士の専売特許です。
宅建士にしかできないこと。
それは、「重要事項説明」です。
重要事項説明は宅建士の専売特許だと言えます。
重要事項説明というのは、
不動産売買契約を締結する前におこなわれます。
「これから不動産売買契約を締結するわけですが、買おうとしている不動産がどんな不動産なのか分かっていますよね?」
「今から重要事項を説明するので、ちゃんと承諾した上で、不動産売買契約書を締結してください」
というのが重要事項説明です。
後から「そんなこと聞いてないよ!」と言われるのを、
防ぐという目的もあります。
弁護士にも司法書士にもできません。
この重要事項説明というのは、
弁護士にも司法書士にもできません。
司法書士というと、
あらゆる書類を作成することができるのではと思うかもしれませんが、
重要事項説明をおこなうことだけはできません。
ただし、不動産売買契約書は司法書士でも作れます。
ただ、不動産売買契約書は司法書士でも作ることができます。
家の売買というのは、
不動産売買契約書があれば成立します。
なので、実際のところは、
家の売買をおこなうときには、
必ず宅建士の資格を持っている人に、
頼まなければいけないということはありません。
司法書士に、
不動産売買契約書の作成だけをお願いするだけでも、
売買は成立します。
ただ、家を売買するということは、
売主と買主がいないことには成立しません。
司法書士に、
「うちの家を売りたいんですけどお願いできますか?」
と言っても、
宅建士がいる不動産会社を紹介されるのがオチです。
司法書士は書類を作るのが専門であって、
買主を見つけてくるということはできないんですね。
ただ、親族間売買などの、
最初から売主も買主も揃っているという場合には、
司法書士も引き受けてくれます。
不動産売買契約書を作成すればいいだけですからね。
住宅ローンの利用には重要事項説明書が必要なのが宅建士の強み。
最初から売主も買主も揃っていれば、
宅建士に仲介してもらう必要はありません。
約3%の仲介手数料を支払う必要もありません。
売主と買主の両方なら約6%ほどにもなります。
司法書士に不動産売買契約書の作成だけをお願いすれば、
費用は10万円〜20万円ほどで済みます。
それでも、宅建士に仲介を依頼しなければいけないことがあります。
買主が最初から見つかっているときでもです。
どんな時かというと、
住宅ローンを利用したいと思っている時です。
住宅ローンを利用するには、
金融機関の審査を受けることになります。
そのときの提出資料として、
重要事項説明書が求められるんですね。
金融機関というのは、
あなたのローン返済能力だけをチェックするわけではありません。
あなたが買おうとしている不動産そのものの価値もチェックします。
「融資するお金に見合うだけの価値があるのか?」
ということをチェックします。
というのも、金融機関は、
あなたにお金を融資すると同時に、
あなたが購入する不動産に抵当権を設定します。
抵当権というのは、
もし、あなたがローン返済できなくなったときに、
不動産を競売にかけて、
お金を回収することができる権利です。
競売にかけてもたいした額で売れないのでは困ってしまいますよね?
なので、売るとなったときに、
「きちんとした額で売れるのか?」ということをチェックします。
その資料として重要事項説明が求められるんです。
不動産屋を開業するに宅建士の資格はいらない?
ちなみに、不動産屋を開業するのに、
実は宅建士の資格はいりません。
少なくとも、
代表が宅建士の資格を持っていなくてもいいんです。
意外じゃないですか?
「不動産屋の社長であれば、当然のことながら、宅建士の資格を持っているでしょう」
と思うでしょう。
確かに、持っていることのほうが多いです。
じゃないと、実務で困ってしまいますからね。
でも、持っていないこともあるということです。
レストランのオーナーが料理ができるわけじゃないというのと似ているかもしれません。
みんながみんな、オーナーシェフというわけではないということですね。
宅建士の資格を持っている人を雇えばOKです。
宅建士の資格を持たない人が、
不動産屋を開業したいと思った場合、
宅建士の資格を持った人を雇えばいいんです。
5人に1人、宅建士がいれば、
不動産屋としての開業が認められます。
宅建士の資格を持たない社長1人、
宅建士の資格を持たない営業マン3人、
宅建士の資格を持つ事務員が1人、
とかの場合でも不動産屋は開業できます。
まとめ
というわけで、
宅建士の資格を持っていないと、
できないことについてお話しました。
重要事項説明だけは宅建士の資格を持っていないとできません。
宅建士の専売特許です。
弁護士にも司法書士にも、
重要事項説明だけはできません。
ただ、不動産売買契約書は司法書士にも作成可能です。
もし、親族間売買のように、
最初から売主と買主が揃っている場合には、
宅建士を通さずに、
司法書士に不動産売買契約書を作成してもらうだけでも、
売買は成立します。
ただ、住宅ローンを利用したいなら、
宅建士に、重要事項説明書を作成してもらう必要があります。
ちなみに、不動産屋というのは、
5人に1人が宅建士の資格を持っていれば、
営業することができます。
関連記事:親族間売買なら仲介手数料が安くなることが多いのはなぜ?
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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