土地の境界標がない場合にはどうするのがいいんでしょうか?

土地と土地の境目には、

境界標(境界杭)が置かれていることがほとんどです。

 

「境界標からこちら側は私が所有する土地です」

ということを示す杭ですね。

 

でも、境界標がないという場合があります。

境界標がない場合にはどうするのがいいんでしょうか?

 

地積測量図も無いかもしれません。

境界標が土に埋もれているわけではなく、

本当に無いという場合、

地積測量図も無い可能性があります。

 

地積測量図というのは、

法務局に保管されている、その土地の測量データです。

 

土地に関する登記をおこなう際に、

法務局から提出を求められます。

 

もし、なかったら?

地積測量図が無いということは、

一体、どういうことなんでしょうか?

 

1960年以降、1度も測量されたことがないということ。

1960年以降、

1度も測量されたことがないということです。

 

土地が測量されるときというのは、

大抵の場合、売買がおこなわれる時です。

 

例えば、土地を分割して分譲地として売り出したいという場合、

測量して、境界標を設置して、法務局に地積測量図を提出します。

 

でも、法務局への地積測量図の提出が義務付けられたのは1960年からです。

 

それ以前は、

法務局ではなく、

市町村で申告図と呼ばれるものを保管していました。

 

申告図というのは、

納税管理のための図面で、

地積測量図のようなものではありません。

 

しかも、保管期限は10年間だったんです。

 

1960年以降は、

地積測量図の永久保管に変わりました。

 

なので、今、地積測量図が無いということは、

1960年以降、1度も測量されていない可能性が高いということです。

 

となると、境界標が設置されていなくて当然とも言えます。

 

登記された土地面積と実際がズレている可能性が高いです。

1960年以降、1度も測量されていないとなると、

登記された土地面積と、実際の土地面積がズレている可能性が高くなります。

 

というのも、登記されている土地面積というのは、

納税管理のために作られた申告図が元になっているからです。

 

申告図とは言え、

しっかりと測量されているかもしれません。

 

でも、1960年以前の測量方法で測られたものです。

 

今のような、GPSを使った測量に比べると、

どうしても精度が落ちてしまうのは避けられません。

 

土地を買う側としては不安かもしれません。

登記上の土地面積と、

実際の土地面積がズレている事例というのは結構あります。

 

大きい場合には5%ほどのズレがあることもあるようです。

1%程度のズレはザラにあるでしょうか。

 

そうなると、土地を買う側としては不安になりますよね。

 

登記上は100平米になっているけれども、

「実際には99平米なんじゃないの?場合によっては95平米の可能性もあるのでは?」

と思ってしまいます。

 

測量してもらって境界標を設置したほうがいい?

もし、土地を売却するという場合には、

測量してもらって境界標を設置したほうがいいんでしょうか?

 

土地の価格次第です。

それは、土地の価格次第だと言えます。

 

測量もタダではありません。

大体、30万円〜70万円ほどの測量費はかかります。

 

仮に、土地の価格が100万円のところに、

それだけの測量費を支払うのはバカらしいですよね。

 

でも、土地の価格が1億円の場合にはどうでしょうか?

 

100平米で1億円の場合、

1平米あたり100万円です。

 

都心部ではわりとある価格帯です。

 

その場合には、測量費を支払ってでも、

土地面積を明確にしておきたいと思うでしょう。

 

というよりも、買う側が必ず測量を求めてくるはずです。

 

まとめ

というわけで、

土地の境界標が無い場合にはどうするのがいいのかというお話をしました。

 

境界標が無いということは、

地積測量図も無い可能性が高いです。

 

地積測量図が無いということは、

1960年以降、1度も測量がされたことがないということです。

 

登記上の土地面積と、

実際の土地面積がズレている可能性が高いです。

 

土地の売買をおこなうのであれば、

買主として不安に思うでしょう。

 

その場合には、土地の価格次第では、

測量をして、しっかりと境界標を設置しておいたほうがいいかもしれません。

 

関連記事:家を売却する前に測量はしておいたほうがいいんでしょうか?

 

投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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