「路線価」と「公示価格」ってどういう関係になっているの?
行政によって発表される土地の価格には、
「路線価」と「公示価格」があります。
「なんで2つもあるの?」と思うかもしれません。
路線価と公示価格というのは、
一体どんな関係になっているんでしょうか?
公示価格は土地の定価みたいなものです。
公示価格というのは、
土地の定価みたいなものです。
毎年、3月末頃に発表されます。
その年の1月1日時点での価格です。
2019年で1番公示価格が高かったのは、
銀座の山野楽器が建っている土地です。
13年連続です。
1平米あたり5720万円という公示価格になっています。
1平米でですよ?
100平米を購入しようとすると、
57億円ほどかかるということです。
国土交通省が決めます。
公示価格は、
国土交通省が決めます。
「銀座の山野楽器が建っている土地は1平米あたり5720万円!」ということを、
国土交通省が不動産鑑定士に依頼して決めます。
ただ、すべての土地に公示価格があるわけじゃありません。
ポイントポイントでの発表になります。
天気で言う、観測地点みたいな感じですね。
すべての土地の公示価格を調べるのではなく、
観測地点をいくつかピックアップして、公示価格を調べます。
銀座の山野楽器も、観測地点のひとつです。
全国に26000の観測地点があります。
公示価格の通りに土地が売買されるわけではありません。
ちなみに、公示価格の通りに土地が売買されるというわけではありません。
公示価格というのは、国土交通省が決めた、
とりあえずの土地の定価です。
でも、定価通りに売れるということはほとんどないんじゃないでしょうか?
景気が良ければ、定価以上に売れることもありますし、
景気が良くなければ、定価以下でしか売れなかったりします。
銀座の山野楽器だって、どうしても欲しいという人がいれば、
1平米あたり7000万円で売れる可能性もあるということです。
公示価格はあくまでも、ひとつの目安にしかなりません。
一方、路線価は国税庁が決めます。
一方、路線価というのは国土交通省ではなく、
国税庁が決めるものです。
毎年、7月頃に発表されます。
相続税や固定資産税に使われるものだからです。
路線価というのは、
相続税や固定資産税の計算のために使われるものなので、
国税庁が決めているんですね。
路線価って見たことがありますか?
路線というと、「電車の路線?」って思うかもしれませんが、
路線というのは道路のことです。
「この道路沿いの土地はいくら!」というのが路線価です。
公示価格はポイントポイントでの価格でしたが、
路線価の場合には、基本的にすべての土地に対して価格を決めます。
相続税や固定資産税の計算のために使うので、
すべての土地に対して価格が決まっていないと困ってしまうからです。
公示価格に比べて2〜3割引きになります。
路線価と公示価格には、
ある関係性があります。
大体の場合、
路線価というのは公示価格に比べて、
2〜3割ほど安く設定されるんですね。
例えば、銀座の山野楽器の建っている土地、
路線価は平米あたり4560万円ほどになります。
公示価格は5720万円でした。
約2割ほど安いことになります。
土地の相続税というのは、路線価に対してかかります。
仮に、現金5720万円をもっていたとしましょう。
現金の場合、現金そのものに相続税がかかります。
相続人がひとりだけの場合、268万円の相続税がかかります。
でも、その現金で銀座の山野楽器の土地を1平米だけ購入しておいたとしましょう。
(現実にはありえませんが)
そうすると、路線価の4560万円に対しての相続税でよくなります。
94万円の相続税で良くなります。
土地の価格は変動するし、住むために必要なものなので、
相続税や固定資産税は優遇しましょうということで決められているのが路線価なんですね。
ちなみに、路線価というのは2つあります。
国税庁が決めているのは相続税の路線価です。
固定資産税の路線価については、
国税庁ではなくて、市区町村で決めています。
固定資産税の路線価は、
公示価格から3割ほど安く設定されていることが多いです。
まとめ
というわけで、路線価と公示価格の関係性についてお話しました。
公示価格は土地の定価みたいなものです。
国土交通省が決めています。
一方、路線価は国税庁が決めています。
路線価というのは、相続税や固定資産税の計算のためのものだからです。
公示価格に比べて2〜3割引になります。
土地は住むために必要なものなので、
現金に比べて相続税や固定資産税が優遇されます。
関連記事:土地の「路線価」と「実勢価格」はどれくらい違うんでしょうか?
関連記事:土地の「公示価格」と「実勢価格」にはどんな違いがあるんでしょうか?
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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