「公簿売買」と「実測売買」はどう違う?

土地の売買の方法には

「公簿売買」と「実測売買」の2つがあります。

 

どちらも土地を売買することには変わりないのですが、

土地面積に対する対応の仕方が違います。

 

一体、どう違うんでしょうか?

 

過去の測量データを信じて売買するのが公簿売買です。

過去の測量データを信じて、

土地を売買するのが公簿売買です。

 

「公簿」というのは登記簿(登記事項証明書)のことです。

 

登記簿には地積が記載されています。

地積というのは土地面積のことです。

 

法務局にある地積測量図を信じるということ。

また、大抵の場合には、

土地の登記簿には地積測量図が添付されています。

 

測量したデータを図にしたものですね。

 

公簿売買というのは、

この地積測量図を信じるということでもあります。

 

1960年以降、土地を登記するときには、

地積測量図の添付が義務付けられました。

 

きちんと測量しないと、

土地を登記することができないということですね。

 

「過去に測量されたことがあるのであれば、そのデータを信じて売買してもいいかな?」

というのが公簿売買です。

 

実際の状態とズレていることも結構あります。

ただ、公簿売買の場合、

実際の土地面積とズレていることもあります。

 

最近では、土地を測量するときにはGPSなどの精密機器が使われます。

精度もかなり高いです。

 

絶対座標で記録することができるので、

例え、土地が焼け野原になったとしても、

土地の境界線を復元することが可能になっています。

 

でも、昔はそれほど測量の精度は高くありませんでした。

 

なので、法務局にある地積測量図でも、

年代が古い場合には正確性に欠けることもあります。

 

1%ぐらいのズレは覚悟したほうがいいかもしれません。

 

今の状態をきちんと測量して売買をするのが実測売買です。

一方、今の土地の状態をきちんと測量して売買をするのが実測売買です。

 

法務局にある地積測量図のデータを当てにせずに、

新たに測量をして土地を売買するということです。

 

地積測量図も新しいものに上書きします。

土地家屋調査士や測量士に測量をお願いすると、

地積測量図を作成してくれます。

 

大抵の場合、すでに登記されている地積と、

若干のズレがあることが多いです。

 

特に、測量されたのがかなり昔の場合には、

1%以上のズレがあることも珍しくはありません。

 

ひどい場合には5%ほどのズレがあることもあるようです。

 

新たに測量をし直したのであれば、

登記されている地積を新しいものに更新します。

 

地積更正登記というものをおこないます。

 

その時に、地積測量図も、

新しいものに更新されます。

 

この測量データをもとに土地売買をおこなうのが実測売買です。

 

測量費として30〜70万円ほどかかります。

公簿売買よりも、

できれば実測売買の方が好ましいのは明らかです。

 

でも、実測売買の場合、測量費がかかります。

大体、30万円から70万円ほどの費用がかかるでしょうか。

 

なので、実際のところは実測売買ではなくて、

公簿売買がおこなわれることも多いです。

 

どちらが選ばれるかの決め手は、

土地の価格です。

 

基本的に、土地の価格が高い場合には、

実測売買になることが多いです。

 

都心の土地とかですね。

 

1平米違うだけで、

土地の価格が50万円とか変わる可能性がありますからね。

 

ただ、測量されたのが最近の場合には、

公簿売買になることもあります。

 

GPSを使った最新の測量データなら正確性は高いですからね。

 

地方の場合には、土地の価格が安いということもあり、

多少、土地面積がズレていても気にならないという場合が多いです。

 

測量費をかけてまで、

実測売買にこだわる必要はないと判断されることが多くなります。

 

まとめ

というわけで、公簿売買と実測売買はどう違うのかというお話をしました。

 

過去の測量データを信じて売買をするのが公簿売買です。

法務局にある地積測量図のデータを信じて売買をおこないます。

 

ただ、実際の土地面積とズレていることがあります。

 

一方、今の状態をきちんと測量して売買をするのが実測売買です。

登記されたデータも測量し直したものに上書きします。

 

ただ、実測売買の場合、

測量費として30万円から70万円ほどかかります。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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