地積測量図が有る場合と無い場合があるのはどうしてなんでしょうか?

法務局で土地の登記情報を調べていると、

地積測量図が有ることと、

無いことがあります。

 

有ることの方が多いかと思いますが、

無いことも少なくありません。

 

それは、なぜなんでしょうか?

 

法務局が作っているわけじゃないからです。

法務局が地積測量図を作製しているわけじゃないからです。

 

法務局の人手が足りずに、

地積測量図を用意できていない土地があるというわけじゃないんです。

 

土地の所有者が作ります。

地積測量図というのは、

土地の所有者が作ります。

 

土地の所有者が、

土地家屋調査士や測量士に依頼して、

作ってもらうものです。

 

でも、義務じゃありません。

でも、それは義務じゃないんですね。

 

「土地の所有者は地積測量図を作らなければならない」

ということは決まっていません。

 

必要がなければ、

地積測量図を作らなくたって全然いいんです。

 

「地積更正登記」や「分筆登記」をする時だけ作ればいいんです。

地積測量図が必要になるのは、

「地積更正登記」や「分筆登記」をおこなうときだけです。

 

地積更正登記というのは、

「登記されている土地面積と、実際の面積が違いそうだから、測量し直そう」

というときにおこなわれます。

 

新たに測量しなおしたデータで登記情報を上書きするんですね。

 

そのときの添付資料として、

地積測量図が求められます。

 

また、分筆登記というのは、

「この土地を分割して、分譲住宅地として売り出そう」

というときにおこなわれます。

 

1つのまとまった土地を、

複数の土地に分割します。

 

分割された1つ1つの土地の面積を正確に知るには、

測量する必要があります。

 

地積測量図が必要になります。

 

地積測量図が始まったのは1960年頃からです。

ちなみに、

地積測量図が法務局に保管されだしたのは1960年頃からです。

 

それ以前は、

地積測量図が法務局に保管されることはありませんでした。

 

それ以降に「地積更正登記」や「分筆登記」をおこなっていないなら地積測量図はありません。

なので、

1960年以降に、地積更正登記や分筆登記をおこなっていないなら、

地積測量図はないことになります。

 

1960年以前は、

地主が大きな土地を所有しているということが一般的でした。

 

多くの人は、地主に家を借りていました。

 

ところが、高度成長期になると、

一般人が家を所有するという考え方がメジャーになってきました。

 

住宅ローンの登場もこのころですね。

 

そうして、地主が所有している広い土地を、

30坪(100平米)ほどの小さな土地に分割して、

住宅地として販売するということがおこなわれるようになりました。

 

土地を分割するということは、

分筆登記が必要になります。

 

このときに、法務局には地積測量図が収められることになります。

 

今の日本では、

地主が広い土地を所有したままということは少ないです。

 

固定資産税の問題もありますし、

分筆されていくことがほとんどなんですね。

 

都心では特にそうです。

 

でも、地方では、

土地が分割されずに残っていることがあります。

 

そういった土地の場合、

地積測量図がありません。

 

まとめ

というわけで、地積測量図が有る場合と無い場合があるのはなぜなのかというお話をしました。

 

法務局が地積測量図を作っているわけじゃないからです。

 

地積測量図は、土地の所有者が作るものです。

土地の所有者が土地家屋調査士などに依頼して作ってもらうものです。

 

でも、それは義務じゃないんです。

法務局が「地積測量図がないので作ってください」と言ってくることはありません。

 

地積測量図の提出が必要なのは、

「地積更正登記」か「分筆登記」をおこなうときだけです。

 

もし、土地を分割することもなく、

1960年以降もそのままの土地があるのであれば、

その土地には地積測量図がないことになります。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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