家というのは、賃貸で住むのと、購入して住むのと、どちらがお得になるんでしょうか？

よく議論されるテーマですよね。スーモなどでもよく取り上げられていたりします。実はこれ、条件によってどちらがお得なのかは変わってきます。

1番お得なのは現金一括での購入です。

まず、間違いなくお得なのは、現金一括で家を購入することです。これは間違いありません。現金一括で購入するということは、住宅ローンを利用しないということです。

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住宅ローンを使うならどちらがお得かは分かりません。

住宅ローンを利用すると、当然のことながら金利が発生します。住宅ローンって長期間にわたって組みますよね。フラット35なら35年間です。その間、ずっと金利がかかり続けます。

ここ最近は、金利は1%ほどと、超低金利の状態が続いています。それであっても、5000万円の住宅ローンを組むのであれば、金利の総額は928万円ほどにもなります。結構な額なんじゃないでしょうか？

928万円を35年で割ると、約26.5万円です。年間、26.5万円は金利分として支払う計算です。月にすると約2.2万円になります。現金一括で購入するならば、こういった金利はかかりません。

フラット35のサイトで金利のシミュレーションができるので気になる人はチェックしてみてください。

【外部リンク】https://www.flat35.com/simulation/simu_01.html

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築35年で建て替えが必要になったなら？

賃貸がお得か、購入がお得かで1番読めない部分というのは、その家の寿命がどれくらいか？という部分です。これによって、結果は大きく変わってきます。

仮に、その家が35年しか持たなかったらどうでしょうか？雨漏りがひどい場合には、そういった可能性もあります。シロアリ被害にあったりとかですね。

もし、築35年で建て替えが必要になるのであれば、支払総額は跳ね上がりますよね。2000万円ほどはかかるんじゃないでしょうか？

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賃貸の方が良かったという可能性もあります。

日本では高齢化が進んでいます。平均寿命も伸びています。30歳のときに購入した住宅に、死ぬまで住み続けるということはできるでしょうか？

仮に、90歳まで生きるとすると、60年間はその家に住み続けるということになります。建て替えずに住み続けることは可能でしょうか？

そう考えると、賃貸の方が良かったという可能性もあります。もちろん、家の広さに対してお得なのは購入する方です。賃貸はビジネスなので、大家の利益を上乗せしなければいけません。月々の支払い額が同じであれば、賃貸では50平米なのに対し、購入であれば70平米とかいうことになります。

でも、賃貸の場合には、引っ越しをすることが容易です。収入に合わせて安い部屋に引っ越したり、高い部屋に引っ越したりすることができます。また、建て替え費用というのもかかりません。

例えば、賃貸の場合、90歳までの賃料の支払い総額を5000万円までに抑えるという計画を立てることもできます。予算が少なくなれば、賃料の安い部屋に引っ越しすればいいんです。

今後、日本では空き家が多くなります。賃貸物件も入居者で埋めるので必死です。結果的に、今後、賃料は下がっていく傾向になるのは避けることができません。賃貸派にとっては都合が良い時代がやってくるかもしれません。

一方、購入の場合、支払い総額をコントロールするということは難しいです。

例えば、5000万円の住宅を住宅ローンを組んで購入したとしましょう。金利に928万円ほどかかります。さらに、35年で建物の寿命が来てしまった場合、建て替え費用としてさらに2000万円ほどかかります。トータルで8000万円ほどかかることになります。

購入する場合、立地次第ではものすごくお得になることもあります。

ただ、結局のところは住宅ローンを利用する場合でも、購入する方がお得とは言えるかもしれません。というのも、トータルの支払い額で考えれば、購入の方が高くなることもあるかもしれませんが、土地は残るというメリットがあります。

例えば、都心に5000万円の戸建てを購入した場合、2000万円から3000万円ほどは土地の価格です。建物の寿命がきたとしても、土地の価値はかわりません。土地には寿命というものはありませんからね。

なので、もし、35年で建物の寿命がきてしまい、建て替える費用が出せないという場合、土地を売って、郊外に引っ越しするという選択もできます。2000万円で土地を売って、郊外の中古の戸建てを購入するという選択もできるようになります。

また、立地次第では、購入したときよりも土地の価格が上がるということも十分に考えられます。人気のあるエリアであれば、購入したときの2倍ほどで売れるという可能性だってあります。

都心に5000万円の戸建てを購入して、35年後に土地だけで5000万円で売れるのであれば、それはかなりお得ですよね。タダで建物に住んでいたことになります。購入の場合には、こういったことが起こる可能性もあります。

まとめ

というわけで、賃貸と購入はどちらがお得かというお話をしました。

1番お得なのは現金一括での購入です。そして、賃貸がお得か、購入がお得かは、建物の寿命に依るとも言えます。建て替えが必要になるなら、必ずしも購入がお得とは言えなくなるんです。場合によっては、賃貸の方がお得になる可能性はあります。

ただ、トータルで考えるならば、やはり、賃貸よりも購入の方がお得な傾向はあるとは言えるかもしれません。

※実際には、賃貸の場合には更新料や礼金、戸建ての場合には修繕費、固定資産税などがありますが、ここでは説明を簡単にするために省いています。

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投稿者プロフィール

山河直純住宅不動産研究家

一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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