「住宅ローン」と「抵当権」はどんな関係になっているんでしょうか?
住宅ローンと抵当権。
切っても切れない関係です。
抵当権なしに住宅ローンは利用できません。
でも、住宅ローンと抵当権がどういう関係になっているのかを、
いまいち理解していないという人も少なくないかもしれません。
分かりやすく解説します。
あなたの家は「質屋」に入っているようなものです。
住宅ローンを利用すると、
家を購入することができます。
家があなたのものになったように感じるかもしれません。
でも、実のところちょっと違うんです。
実際のところは、家を購入した瞬間に、
その家を「質屋」に入れるようなものなんです。
質屋というのは銀行などの金融機関のことです。
所有権はあなたにありますが、自由に家を売れません。
確かに、家の所有権はあなたになります。
登記上の所有権はあなたになるということです。
住宅ローンを利用して家を購入すると、
所有権保存登記もおこないます。
そうすることによって、
登記上のその家の所有者はあなたになります。
なのですが、あなたはその家を自由に売ったりすることはできません。
所有権者なのですが、
家を自由に売買することはできないんですね。
質屋に入っているものを自由にできないのとちょっと似ています。
住宅ローンの融資と同時に、家に抵当権が設定されるからです。
なぜかというと、
銀行は、住宅ローンの融資と同時に、あなたの家に抵当権を設定します。
「抵当」という言葉には、
「担保」という意味もあります。
よく時代劇とかで、
「借金のかたにこの着物をもらっていくぞ、がはは」
みたいなセリフがでてきますよね。
言ってみれば、その着物には借金の額以上の価値があるわけです。
その着物を担保にお金を借りるわけです。
でも、お金を借りたとしても、
その着物の所有権は失いたくありません。
なので、「後でお金を返したときに、その着物を返してください」となるわけです。
質屋の仕組みですね。
もし、お金を返せないときには、その着物の所有権は失うことになります。
質屋から取り返すには、全額支払わなければいけません。
住宅ローンの場合も同じなんです。
違うのは、住宅ローンの場合には、
最初にあなたは何も所有していないというところです。
質屋に入れるべき家すらも、
質屋に買ってもらうというような構図になっています。
「家は銀行のもの」と言われる所以ですね。
本当にそうなんです。
登記上の所有者はあなたになりますが、
その家には抵当権が設定されます。
質屋に入るようなものです。
質屋から家を取り返すには、
借りたお金を全額支払わなければいけません。
例えば、3000万円を住宅ローンで借りたのであれば、
3000万円全額を返済し終わらないことには、
あなたはその家の本当の所有者にはなれません。
もし、ローンが返済されない場合には、他者に売られることになります。
そして、もし、あなたが住宅ローンの返済ができないような状態になったとき。
その家は、他者に売られてしまうことになります。
まさしく、借金のかたですね。
競売という言葉を聞いたことはありませんか?
競売というのは、銀行によって差し押さえられた家が売られることを言います。
銀行は、登記上のその家の所有権者ではないのですが、
抵当権を設定していると、ローンの返済が滞ったときに、
まるで所有権者のように扱えるわけです。
自由に売ってしまうこともできてしまうんですね。
まとめ
というわけで、「住宅ローン」と「抵当権」の関係についてお話しました。
住宅ローンを利用するということは、
あなたの家は「質屋」に入るようなものです。
所有権はあなたになりますが、
あなたは、家を自由に売ったりすることはできません。
住宅ローンの融資と同時に、
あなたの家に抵当権が設定されるからです。
質屋から家を取り返すには、
借りたお金を全額支払わないといけないんですね。
全額支払うと、ようやく抵当権を抹消することができます。
そうしたら、晴れて本当の家の所有者になれます。
ちなみに、もし、ローンが返済できないようなことになると、
その家は質屋のように他者に売られてしまうことになります。
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投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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