図面なしでも耐震診断を受けることってできるでしょうか?

家もだいぶ古くなってきたし、

今後も住み続けられるか確認するために耐震診断を受けたい、

と思う人も少なくないのではないでしょうか。

 

でも、「家に図面が残っていない」ということも多いと思います。

 

図面がなくても、

耐震診断って受けることができるんでしょうか?

 

図面なしでも受けられます。

結論から言うと、

図面が無くても耐震診断を受けることは可能です。

 

もちろん、

建築図書(確認申請書や図面などを一式にしたもの)や、

検査済証があったほうがベターではあります。

 

耐震診断をおこなってくれる業者さんも、

まずはその有無を確認してくると思います。

 

でも、高くつきます。

ただ、図面が無い場合、

図面がある場合に比べて高くつくことにはなると思います。

 

図面があるよりも多くのお金がかかることになるということですね。

 

図面を新しく描いてもらう必要があります。

というのも、図面がない場合には、

新しく図面を描いてもらう必要がでてくるからです。

 

耐震診断をおこなうには耐震計算をしなければいけません。

その時に、図面が必要になってくるんですね。

 

で、図面がないのであれば、新しく作るしかありません。

 

新しく図面を描くことを、図面の復元と呼んだりしますが、

それにお金がかかることが多いです。

 

もちろん、業者や建築士により料金は違いますが、

数万円〜10万円ほどはかかると思います。

 

そして、筋交いは無いものとして計算されてしまいます。

そして、図面がない場合、

筋交いは無いものとして耐震計算されてしまいます。

 

図面がないことの1番の大きなデメリットはこれかもしれません。

 

筋交いというのは、

柱と柱の間にタスキ状に固定されている木材のことですね。

 

地震が起きたときに、

この筋交いが抵抗力となって、耐震力を高めてくれます。

 

この筋交い。

壁の中にあることがほとんどです。

 

なので、目視で確認することが困難なんですね。

図面がないと、どこに筋交いがあるのかの確認が難しいんです。

 

業者によっては、筋交いセンサーという機器を使って、

筋交いの有無を確認するところもあります。

 

もちろん、オプション料金がかかるので、

図面があるときよりも高くつくことになります。

 

でも、筋交いセンサーを使わない場合、

筋交いは無いものとして耐震計算されてしまうんですね。

 

実際よりも耐震性が低く計算される可能性があるということです。

 

その結果、耐震改修が必要になったなら?

耐震性能を示す数値として、

「評点(上部構造評点)」というものが使われます。

 

この評点。

1.0以上あれば、耐震性に問題がないと評価されます。

 

震度6強の地震が起きたとしても、

一応倒壊しないという評価です。

 

評点1.0以上あれば、

希望すれば「耐震基準適合証明書」という書類を発行してもらうこともできます。

 

でも、1.0未満の場合、

震度6強の地震が起きた場合、倒壊の可能性がでてきます。

 

耐震改修したほうがいいという評価になるんですね。

 

図面がない場合、筋交いが無いものとして計算されるがために、

評点が1.0以下になるということも考えられなくはありません。

 

2000年以降に建てられた戸建ての場合、

その可能性は大いにあります。

 

1981年以前に建てられた戸建ての場合には、

筋交いがあっても評点1.0以下になる可能性が高いですけどね。

 

100万円以上のお金がかかります。

耐震改修が必要になると、

だいたい、100万円〜200万円のお金はかかってしまいます。

 

「結構安くない?」と思うかもしれませんが、

あくまでも耐震性能の改修のためのお金です。

 

水回りのリフォームなどが必要な場合には、

また別途お金がかかるので注意が必要です。

 

図面が無いばかりに、耐震改修が必要になった場合、

100万円以上のお金がかかってしまうということですね。

 

それでも、長く住むつもりなら受けたほうがいいです。

でも、長く住むつもりなら、

高くついたとしても、耐震診断を受けたほうがいいです。

 

実際のところは、築20年以上の戸建ての約9割ほどが、

耐震改修が必要と診断されるようです。

 

評点1.0以下の診断になるということですね。

 

図面があろうがなかろうがあまり関係ないということですね。

 

なので、もし、築40年とか50年まで長く住みたいという場合には、

図面が無くとも耐震診断を受けたほうがいいと思います。

 

どちらにしても、耐震改修が必要になる可能性は高くて、

図面がないことでかかる追加費用は、図面の復元のための数万円〜10万円です。

 

もしくは、筋交いの有無をチェックするためのオプション料金でしょうか。

 

どうせ、評点1.0以下になって耐震改修が必要になるのであれば、

筋交いの有無はチェックしないという選択もありかもしれません。

 

まとめ

というわけで、図面なしでも耐震診断を受けることはできるのかというお話をしました。

 

図面なしでも受けられます。

 

ただ、図面がある場合に比べて高くつきます。

 

耐震計算には図面が必要なので、

図面がない場合には新しく図面を作ることになるからです。

 

数万円〜10万円の費用がかかります。

 

また、図面がない場合には、

筋交いの有無がわかりません。

 

耐震計算では、筋交いが無いものとして計算されてしまいます。

 

その結果、評点1.0以下になってしまい、

耐震改修が必要と診断される可能性もあります。

 

耐震改修には、だいたい100万円〜200万円ほどのお金がかかります。

 

とはいえ、長く住むつもりであれば、

図面が無くて高くつくことになったとしても、

耐震診断は受けておいたほうがいいと思います。

 

関連記事:上部構造評点を知るための耐震診断にはどれくらいの費用がかかる?

 

投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

家を高く売りたいなら知っておきたいこと

もし、あなたが家を高く売りたいと思っているのであれば、
これだけは知っておいたほうがいいかもしれません。