測量は「土地家屋調査士」と「測量士」どちらにお願いするのがいい?

測量を行える職業として、

「土地家屋調査士」と「測量士」があります。

 

例えば、自宅の土地を測量してもらいたい時、

どちらにお願いするのがいいんでしょうか?

 

土地を売買するつもりなら土地家屋調査士です。

土地を売買するつもりなのであれば、

土地家屋調査士にお願いするのがいいです。

 

というのも、

測量士にはできなくて、

土地家屋調査士にだけできることがあるからです。

 

測量図が出来上がったらどうする?

土地家屋調査士か測量士に測量をお願いすると、

土地を測量してくれます。

 

でも、それだけじゃありません。

 

隣人立ち会いのもと、

境界杭を明確にしてくれます。

 

境界杭というのは、

隣地との境目に設置されます。

 

「ここからこちらはうちの土地ですよ」

ということを、明確にするための杭です。

 

なので、隣人との立ち会いのもと、

同意書のようなものを作製しなければいけないんですね。

 

それも、土地家屋調査士や測量士の仕事です。

そうして、地積測量図が作られます。

 

でも、地積測量図が完成したらそれで終わりでしょうか?

 

法務局に「地積更正登記」「分筆登記」しにいかなければいけません。

もし、土地の売買のために測量するという場合、

測量結果を法務局に登記しなければいけないんじゃないでしょうか?

 

昔に測量されたデータが信用できないから、

新たに測量し直すという場合には、

「地積更正登記」が必要になってきます。

 

また、土地を2つに分けて、

片方だけ売りたいという場合には、

「分筆登記」が必要になってきます。

 

登記できるのは土地家屋調査士だけです。

実は、登記をおこなうことができるのは、

土地家屋調査士だけなんです。

 

土地家屋調査士だけが、

「地積更正登記」や「分筆登記」をおこなうことができるんです。

 

「司法書士は?」と思うかもしれません。

 

実は、司法書士は、

地積更正登記や分筆登記をおこなうことができません。

 

意外に知られていない事実なんじゃないでしょうか?

登記というと司法書士の仕事というイメージがありますからね。

 

でも、司法書士が登記できるのは、

登記簿の「権利部」と呼ばれる部分だけなんです。

 

例えば、所有権とか抵当権ですね。

 

地積更正登記や分筆登記というのは、

「表題部」と呼ばれる部分についての登記です。

 

表題部に関する登記というのは、

土地家屋調査士だけの専売特許なんですね。

 

測量そのものは測量士でもできますが、登記はおこなえません。

ちなみに、測量そのものは測量士でもできます。

地積測量図を作製することは可能です。

 

でも、登記をおこなうことはできません。

 

測量士が登記をしてしまうと、

違法になってしまうんですね。

 

処罰の対象になってしまいます。

 

なので、どうしても測量士に測量をお願いしたいというときには、

登記は自分でおこなうことになります。

 

仕事として地積更正登記や分筆登記をおこなえるのは土地家屋調査士だけですが、

所有者が自分で登記をおこなう分には問題なかったりします。

 

測量士は公共施設の仕事がメイン。

「じゃあ、測量士って不利じゃない?」と思うかもしれません。

 

確かに、個人が所有する土地などから考えると、

土地家屋調査士に比べて不利とも言えます。

 

でも、測量士のメインの仕事は公共施設です。

 

例えば、橋とか、ダムとか、スタジアムとか、市役所とか、

そういった大規模な建築物を建てるときに、

測量士が測量をおこないます。

 

まとめ

というわけで、

測量をお願いするなら、

「土地家屋調査士」と「測量士」どちらがいいかというお話をしました。

 

土地の売買のためであれば土地家屋調査士がいいです。

 

どちらも地積測量図を作製することはできますが、

登記をおこなえるのは土地家屋調査士だけだからです。

 

測量士のメインの仕事は、

公共施設を建てるための測量になります。

 

関連記事:家を売却する前に測量はしておいたほうがいいんでしょうか?

関連記事:測量図にはどんな種類があるんでしょうか?

関連記事:「14条地図」と「公図」は違うもの?

 

投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

家を高く売りたいなら知っておきたいこと

もし、あなたが家を高く売りたいと思っているのであれば、
これだけは知っておいたほうがいいかもしれません。