「抵当権」と「根抵当権」の違いって何なんでしょうか?

抵当権について調べていると「根抵当権」という言葉がでてくることがあります。

「抵当権に根っこ?なんなんだろう?」って思うかもしれません。

 

そして、根抵当権というのは説明を聞いてもいまいち理解しにくいことがあります。

専門用語で言われると特に理解しにくいですね。

 

そこで、ここでは根抵当権について普通の言葉で分かりやすくお話したいと思います。

 

根抵当権は抵当権付きのカードローンのようなもの?

簡単に言うと、根抵当権というのは抵当権付きのカードローンのようなものだと思います。

 

あなたはカードローンを使ったことがありますか?

カードローンを使ったことはないという人もクレジットカードは使ったことがあるんじゃないでしょうか?

 

カードローンもクレジットカードも1回限りしか使えないということはないですよね。

特にクレジットカードは日々の生活の中で何回も使うものです。

 

最近はコンビニやスーパー、カフェでも使えるので毎日使っている人も多いと思います。

カードローンだってお金が必要になったらその都度お金を借りることができます。

 

限度額までなら何回でもお金を借りることができます

カードローンもクレジットカードも「限度額」までなら何回でも使うことができます。

根抵当権というのはこれに似ているんです。

 

違うのはカードローンやクレジットカードは無担保ですが、根抵当権の場合にはあなたの不動産が担保になるというところです。

 

金融機関と根抵当権を契約すると、限度額(極度額と呼びます)までは何回でもお金を借りられるようになります。

限度額が3000万円であれば、3000万円までであれば何回お金を借りてもいいんです。

 

例えば、今月は500万円を借りて、来月は1000万円を借りようということも可能です。

合計1500万円を返済した後に、また新たに2000万円を借りるということもできます。

 

カードローンやクレジットカードみたいに限度額までは借りて返済してを繰り返すことができるわけです。

その都度、お金の貸し借りの契約をする必要はありません。

 

ちなみに、限度額は不動産の評価額よりも少し下で設定されることが多いです。

 

例えば、金融機関に4000万円の不動産だと評価されたなら限度額は3000万円〜3500万円ほどになります。

評価額以上の限度額には設定することができません。

 

不動産を担保に何回もお金の貸し借りをするのが「根っこ」みたい?

根抵当権がなぜ「根」というのか不思議に思いませんか?

これはおそらく不動産を担保に何回もお金の貸し借りをする様が根っこみたいだからだと思います。

 

不動産って土の上に建っていますよね。

 

その不動産の下で何回ものお金の貸し借りが行われます。

お金の貸し借りが行われるほどに利子も発生します。

そして金融機関の養分になります。

 

そんなところから「根抵当権」という名称になったのではないかと思いますがどうなんでしょうか?

 

根抵当権ができた理由とは?

そもそも、なぜ、根抵当権というものができたんでしょうか?

 

根抵当権には終わりというものがありません。

借りているお金がゼロになったとしても根抵当権は継続します。

またお金が必要になったときに新たな契約なしでお金を借りることができます。

 

実は、これが根抵当権ができた理由です。

 

普通の抵当権の場合は借りたお金をすべて返済してしまえば、その抵当権は抹消されます。

実務的には抵当権抹消登記を行う必要があるのですが、実質的に抵当権は抹消されます。

 

例えば、住宅ローンを完済すると金融機関から「弁済証書」というものが届きます。

貸したお金はすべて返済してもらいましたという証書です。

 

この証書をもって法務局にいけば抵当権抹消登記をおこなうことができます。

 

でも、複数回に分けてお金が必要な場合はどうなるでしょうか?

また、いつお金が必要になるかわからない場合はどうなるでしょうか?

 

普通の抵当権の場合、お金が必要になるたびに契約を結ばなくてはいけません。

それが数十回とかなると抵当権設定のための登記費用もかさみますし手間も時間もかかります。

 

そこで考えられたのが根抵当権なんですね。

1回の契約で何回でも限度額まではお金の貸し借りができるというものです。

 

だからこそ、根抵当権には終わりがありません。

もし、終わらせたい場合には借りているお金をすべて返済した上で「根抵当権を終わらせたい」と金融機関に申し出る必要があります。

 

ビジネスでの資金繰りには「根抵当権」が使われます

住宅ローンを組むときには抵当権が設定されることがほとんどです。

根抵当権が設定されるということはまずありません。

 

根抵当権が設定されるのはビジネスでお金が必要になるときですね。

 

ビジネスの現場では予測できない出費というものがあるものです。

景気の影響で売上が下がる場合もあるでしょうし、設備が故障したりとかですね。

 

そんなときに所有している不動産を担保に根抵当権を設定する場合があります。

 

まとめ

というわけで抵当権と根抵当権の違いについてお話しました。

 

根抵当権というのは言ってみれば不動産を担保にしたカードローンみたいなものです。

限度額までであれば何回でもいくらでもお金を借りることができます。

 

一方、抵当権は1回だけお金の貸し借りが行われます。

お金を完済できればそれで契約終了です。

 

もう一度お金を借りたい場合には新たに契約する必要があります。

 

住宅を購入する場合には1回だけまとまったお金があればいいので抵当権が使われます。

一方、ビジネスの資金繰りのための融資には根抵当権が使われることが多いです。

 

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投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。