農地を売却するのは難しい?

農地の売買は難しいと良く言われます。

農地は農地法で守られているからだとか、農地の売買には許可が必要だからとか言われています。

 

でも、だからといって売れないわけではありません。

農地を売却するときの流れを分かりやすくお話します。

 

許可なく売れる農地もある?

農地の売買が難しいと言われているのは、農業委員会や都道府県知事の許可が必要になるからです。

 

「この農地を購入して自分が住む用の家を建てたいのですがいいですか?」という申請をして許可をもらわなければいけません。

そして、その申請が許可されるとは限らないんです。

 

問答無用で「ダメです!」と言われることもあります。

 

農地を売りたい側にとっても、農地を買いたい側にとっても、不確定要素がとても大きいんですね。

なので、農地の売買は難しくなります。

 

でも、農地の中には例外があります。

許可なく売ってもいいという農地があるんです。

 

許可をとるための申請をする必要もありません。

必要なのは届出だけです。「この農地を購入して自分が住むようの家を建てることになりました」というのが届出です。

 

農業委員会も都道府県知事もこれを拒否することはできません。

問答無用で農地に家を建てて宅地にすることができます。

「市街化区域」にある農地を売却するのは簡単です

例外というのは「市街化区域」にある農地です。

市街化区域というのは、簡単に言えば、建物が密集していて人がたくさんいるところです。

 

例えば、新宿駅。

 

西口には高層ビルが建ち並んでいて東京都庁もあります。

東口には「笑っていいとも」でも有名だったアルタ前もあります。

 

商業施設が建ち並んでいます。

飲食店も数多くひしめいています。

少し歩けばマンションなどの居住施設も建ち並んでいます。

 

こういったエリアのことを市街化区域と言います。

新宿駅は市街化区域の中でもかなり発展しているところですけどね。

 

基本的には、地面はアスファルトで覆われています。

街路樹とか植えられていたりしますが、土の地面が露出しているのは公園だけです。

 

新宿の場合は新宿御苑とかありますね。

 

そんなエリアに、農地がポツンとあったらどうでしょうか?

ちょっと違和感を感じるのではないでしょうか?

 

「あれ?こんなところになんで農地があるんだろう?」って思うのではないでしょうか。

本来ならマンションが建っていてもおかしくない立地です。

 

市街化区域にある農地の場合には、許可がいらない理由がこれなんです。

 

市街化区域に農地があるのは反対に違和感を感じてしまうんですね。

農地は農地法という法律で守られているのですが、市街化区域の農地は例外なんですね。

 

農地は大きく「3種類」に分けられます

多くの農地は「市街化調整区域」か「非線引き区域」にあります。

 

市街化調整区域というのは、市街化区域ではない場所です。

つまりは、建物が密集もしていないし、人もあまりいないところと言えます。

 

そして、市街化しないように調整している区域なんです。

 

今は、建物もあまり建っていないし、人もあまりいなかったとしても、なんらかの開発がされて急激に市街化するということは考えられます。

そういったことがないように調整されているのが市街化調整区域です。

 

なんのために調整しているのかというと、農地や山林のためです。

いってみれば、多くの農地が「市街化調整区域」にあるというのは当然とも言えます。

 

そんな農地なのですが、農地といってもすべての農地が同じ扱いとは限りません。

大きく分ければ農地は3つの種類に分けることができます。

 

ちなみに、「非線引き区域」というのは、市街化区域と市街化調整区域に分けるまでもなく市街化していない区域ということです。

市街化調整区域とほとんど同じようなものと考えてください。

 

「徒歩4分圏内の農地」は一般人にも売却しやすいです

ひとつめは、徒歩4分圏内にある農地です。

 

どこから徒歩4分かというと、駅やバス停や役所や高速のインターチェンジなどです。アクセスの拠点となるような場所ですね。

そこから徒歩4分圏内にある農地ということは、比較的アクセスの良い農地と言えます。

 

近くに駅があるということは、まわりに多少のお店とか家も建っていそうなイメージですよね。

 

そういった、徒歩4分圏内の農地の場合には、市街化調整区域の農地であっても一般人にも売却しやすいです。

農業委員会や都道府県知事の許可はもちろん必要になるのですが、許可される可能性は高いです。

 

基本的には許可されるようになっています。

 

ちなみに、徒歩4分圏内の農地と言っていますが、正確には「3種農地」と言います。

主要なアクセス拠点から300メートル以内の農地のことを3種農地と言います。

 

人はだいたい1分で80メートル歩くので、徒歩4分でだいたい320メートルです。

 

「徒歩7分圏内の農地」は運が良ければ一般人にも売れるかも

徒歩4分を超えて徒歩7分ぐらいの農地になると、少し一般人には売りにくくなります。

 

市街化区域に住んでいると「徒歩4分も徒歩7分も対して変わらないじゃん」って思うかもしれませんが、農地の立地にとっては結構大きな違いになります。

 

農地の種類が変わるんですね。

徒歩4分以上で徒歩7分以内の立地の農地のことを「2種農地」と言います。

 

正確には300メートル以上500メートル以内です。

 

3種農地の場合には、農地を宅地に変更したいという場合でも基本的に許可されます。

なので、一般人の人にも比較的売りやすいのですが、2種農地の場合には許可されないこともでてきます。

 

「基本的には許可される」ではなくなってしまうんですね。

 

許可されるのは、徒歩4分圏内の土地に空きがないときです。

「家を建てたいんだけれども、徒歩4分圏内の土地に空きがない」というときに、2種農地が宅地として利用されることが許可される可能性がでてくるということです。

 

3種農地から比べれば結構ハードルは上がります。

 

「エリート農地」は農家にしか売却できません

農業だけで生計を立てている農家の場合、農地の大きさもそれなりになります。

だいたい10ヘクタール以上はあるでしょうか。

 

10ヘクタールというのは100000平米ということです。

陸上競技の400メートルトラックの内側の面積がだいたい10000平米ちょっとですから、400メートルトラック10個分の面積ということです。

 

そういったエリート農地の場合、一般人に売るのはほとんど不可能です。

そういったエリート農地を売りたいという場合には、同業者である農家にしか売ることができません。

 

そして、農家に売る場合でも、農地法の3条許可が必要になります。

農業委員会の許可が必要になるということですね。

 

ちなみに、ざっくりと「エリート農地」という言葉を使いましたが、具体的には「1種農地」「甲種農地」「農用地区域内農地(農業振興地区)」がエリート農地です。

極めて農業をおこなうのに向いている農地ということですね。

 

エリート農地の場合、売る相手は農家に限られます。

 

なので、街の不動産屋に相談してもあまり意味がないかもしれません。

街の不動産屋の相手は、だいたい、家を建てるための土地を探している人ですからね。

 

エリート農地を売りたいという場合には、まずは農業委員会に相談するのがいいと思います。

 

まとめ

というわけで、農地を売却することは難しいのかということについてお話しました。

ひとくちに農地と言っても、売却の難易度はピンキリです。

 

普通の宅地のように簡単に売れる農地もあれば、基本的には一般人には売れない農地もあります。

 

もし、売りたい農地が市街化区域にある場合には、おめでとうございます。

売るのは極めて簡単です。

 

農業委員会や都道府県知事の許可も不要です。

 

市街化調整区域の農地でも、駅やバス停などから徒歩4分以内の農地の場合にも比較的に売りやすいです。

市街化区域みたいに許可不要というわけではないのですが、基本的には許可が下ります。

 

徒歩4分以上7分以内の農地の場合には、ちょっとハードルが上がります。

 

10ヘクタール以上あるようなエリート農地の場合には、一般人に売ることは基本的にはできません。

売るとしたら同業者である農家だけに限られてきます。

 

関連記事:農業をしないのに農地を相続した場合にはどうするのがいい?

関連記事:農地法の「3条」「4条」「5条」はどう違うんでしょうか?

関連記事:生産緑地2022年問題、「延長」するべきか「売却」するべきか?

関連記事:「農業振興地域」と「農用地区域」にはどんな違いがあるんでしょうか?

関連記事:非農地証明があれば農地法5条許可がなくても農地を売買できる?

 

投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

不動産屋に行く前に知っておいたほうがいいこととは?

家や土地を売るとなると、まずは不動産屋に足を運ぶと思います。

でも、いきなり行ってしまってもいいんでしょうか?



「不動産のことについて何も知らないからプロの不動産屋に売却を任せるんじゃないか!」と思うかもしれません。



でも、本当にそれでいいんでしょうか?



「無知は高くつく」

とよく言われます。



この言葉は、アメリカの100ドル紙幣に描かれている、

ベンジャミン・フランクリンの名言の一節です。



日本で言うなら福沢諭吉みたいな人でしょうか。



ベンジャミン・フランクリンは、

「教育が高くつくというなら、無知はもっと高くつく」

と言いました。



不動産についても同じです。

不動産の場合は取り扱う額が大きい分とくに高くつく傾向があります。



あなたが足を運ぼうとしている不動産屋は本当にあなたの味方なんでしょうか?



不動産屋に行く前に知っておいたほうがいいことをお教えします。