賃貸併用住宅を売却することは難しいでしょうか?

賃貸併用住宅というものがあります。大家と賃貸人が同じ建物の中に住めるように設計された住宅のことです。大家と賃貸人の出入り口は違いますが、同じ1つの建物として設計されたものです。そんな賃貸併用住宅というのは売却することが難しいんでしょうか?

難しいです。

難しいと思います。ムリというわけではなく、賃貸併用住宅の売買が成約されている事例はありますが、一般的な専用住宅や、賃貸物件に比べるとハードルは高くなります。

母数は確実に少ないです。

というのも、母数が圧倒的に少ないんです。賃貸併用住宅をピンポイントで探している人はどれほどいるでしょうか?

例えば、投資用物件のポータルサイトの楽待で調べてみると、全部で57064件あるのに対して、賃貸併用住宅は379件しかありません。パーセンテージにすると約0.6%ほどでしょうか?

普通の投資用物件であれば1000の問い合わせがあるところが、賃貸併用住宅の場合は6ほどしかない可能性があるということです。

ただし、結局のところは需要と供給の問題です。

ただ、結局のところは需要と供給の問題でもあります。世の中にはものすごくニッチな産業でも成り立っているところもありますよね。賃貸併用住宅でも、「欲しい!」という人がいれば売買は成り立ちます。

欲しがる人が少なくても、供給数も少なければ売れます。

例え、賃貸併用住宅を「欲しい!」という人の絶対数がとても少なかったとしても、賃貸併用住宅の供給数がそもそも少なければ、売れる可能性というのは十分にあります。

ブームの問題というのもありますよね。時勢によっては、賃貸併用住宅が流行るということもあります。2018年は投資物件への融資がきびしくなり、それを回避する方法としての賃貸併用住宅というのも注目されました。「融資がでるから賃貸併用住宅が欲しい!」という人も現れやすくなります。

その反対に、そんなブームの影響で、市場に賃貸併用住宅の数が多くなってしまい、なかなか売りにくくなるという可能性もあります。欲しい人の数に対して、供給数が多ければ売れにくいですよね。

立地の良さが決め手になるかも。

最終的には、賃貸併用住宅も立地の良さが決め手になるかもしれません。

すでに人口の減少が始まっている日本では、賃貸経営も競争が激しくなっていくはずです。賃貸物件の数に比べて、借りてくれる人の数が減っていくのですから当然です。これからは毎年数十万人という数の人口が減っていくことになります。2020年は約44万人ほどの人口減の予測のようです。

44万人って中核都市ひとつ分ですよ。しかも、人口減のペースは今後も加速し、2100年以降まで人口は減り続ける予測のようです。

そうなってくると、当然のことながら入居者の獲得合戦が繰り広げられるはずです。そんなときに強みになるのは、やはり立地です。駅徒歩3分以内などの立地のよい賃貸併用住宅であれば、比較的売れやすいはずです。

まとめ

というわけで、賃貸併用住宅を売却することは難しいのかというお話をしました。

難しいと思います。少なくとも、賃貸併用住宅を欲しがる人の母数というのは確実に少ないです。でも、ニッチな産業でも成り立っていたりする通り、需要と供給の問題でもあります。

欲しがっている人が少なくても、供給量も少なければ売れるものです。また、人口減少の日本では、賃貸併用住宅の場合も、やはり立地がものを言うと思います。

投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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