「土地区画整理」って一体なんなんでしょうか?

土地区画整理って一体なんなんでしょうか?

土地区画整理法によると「都市計画区域内の土地について公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るために行われる、土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業」と定められています。

でも、ちょっと表現が硬いですよね。ここでは、もっとわかりやすくお話します。

住宅街は、なぜ、あんなに規則的なのか?

住宅街を歩いていて、「なんでこんなに規則的なのか?」って思ったことはありませんか?まるで、定規で線を引いたかのように住宅が規則正しく建ち並んだりしています。反対に、「住宅は規則正しく建ち並んでいるのが当然」とも思うかもしれません。

でも、田舎とかに行くと分かるとおり、住宅というのは必ずしも規則正しく建ち並んでいるわけじゃありません。

土地区画整理がおこなわれたからです。

住宅が規則正しく建ち並んでいるのは、土地区画整理がおこなわれたからです。

自然発生的な土地区画から、人工的な土地区画へ。

土地区画整理では、自然発生的な土地区画から、人工的な土地区画へと変えていきます。例えば、道路。自然発生的な道路って、くねくねと曲がっていたり、規則的ではなかったり、妙な角度で道路が繋がっていたりしますよね。

獣道みたいなものだと言えるかもしれません。獣道って、獣が通ったあとが道みたいに見えることからそう呼ばれます。獣にとってはそのルートを通るのが合理的なんですよね。何回もそのルートを通っていると、そのルートの地面に生えている植物とかが踏みつけられていって、道のようになります。

人間が作る自然発生的な道路もそのようなものだと言えるかもしれません。A地点とB地点を道路で繋げると便利そうだから道路を作るんです。昔からのそういったことの積み重ねで、妙な角度で道路が繋がっていたりするんですね。

でも、そういった自然発生的な道路は、その土地区画を住宅街として開発したいというときに、問題になったりします。自動車が通行しにくかったりするんですね。道幅が狭いということもあります。今は、道路は最低限4mの幅がないといけないということになっています。2台の自動車がすれ違えるようにです。

そんなわけで、土地区画整理では、まず、道路を整理します。自然発生的な道路から、整然とした直線的な道路へと整理されていくんですね。それは、まるで碁盤の目のように整理されていきます。例えば、京都や札幌などは、市街地そのものが碁盤の目のようになっていますよね。

土地境界線の引き直しとも言えます。

土地区画整理というのは、土地境界線の引き直しとも言えると思います。

まず、道路の境界線を引き直します。そうすると、今、家が建っているはずの土地に道路が通ることになったりします。その家に住んでいる人にとってはたまったものではないですよね。「え?この土地、道路になるの!?今住んでるんだけど!」ということになります。

なので、土地区画整理では土地の「換地」というものを行います。今住んでいる土地を、別の場所の土地と等価交換するような感じですね。でも、今建っている家は取り壊さないといけないし、別の新しい土地に新しい家を建てないといけません。

このあたりは、土地区画整理事業者によってある程度の補償金があったりするのですが、必ずしも新築分の全額が補償されるわけでもないこともあります。

そして、土地区画整理によって余った土地については、公園として使われたり、第3者向けに宅地として販売されたりします。そういった、第3者向けの宅地のことを「保留地」と呼んだりします。土地区画整理事業にとっての大きな収益源です。補償金の財源にもなります。

関連記事:「保留地」って一体どんなものなんでしょうか?

道路や公園が整備され、地価が上がることが多いです。

土地区画整理が行われると、道路が整備され、公園も整備され、住宅地としての利便性が上がるので、地価が上がることが多いです。

都心というのはその極みですよね。渋谷の駅前なんかは最近スクランブルスクエアが完成しましたが、まだまだ、渋谷駅前の再開発は続いています。地価もまだ上がるのではないでしょうか。

まとめ

というわけで、土地区画整理とは一体何なのかというお話をしました。

自然発生的な土地区画から、人工的な土地区画へ変更することです。土地境界線の引き直しとも言えます。たいていの場合、道路は整然と碁盤の目のように引き直されます。その結果、住宅街としての利便性が高まり、地価が上がることが多いです。

投稿者プロフィール

山河直純
山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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