旧耐震基準でも「既存住宅売買瑕疵保険」には加入できるんでしょうか?
家を売るときには、
「既存住宅売買瑕疵保険(以下、かし保険)」に入っておいたほうが良いと言われたりします。
確かに、買主にとっても住宅ローン減税が使えたりとメリットになるので、
家が高く売れる可能性があります。
でも、旧耐震基準の家でも「かし保険」には加入することができるんでしょうか?
そのままでは難しいです。
そのままでは難しいです。
かし保険に加入するには、
検査を受けて合格しなければいけません。
検査は大きく3つの手順でおこなわれます。
図面のチェック。
図面通りに建てられているかのチェック。
劣化していないかのチェック。
の3つです。
旧耐震の場合、図面チェックの段階でアウト。
旧耐震基準の場合、
図面チェックの段階でアウトになる可能性がとても高いです。
旧耐震ですからね。
設計段階で、
今の耐震基準を満たさない可能性がとても高いです。
例え、建物が劣化していなくてもです。
設計段階でアウトなのであれば、
例え、図面通りに建てられていて、まったく劣化していないとしても、
かし保険の検査には合格できません。
どうしても加入したいなら耐震改修が必要です。
どうしても、かし保険に加入したいとなると、
耐震改修が必要になってきます。
今の耐震基準を満たすように構造計算をして、
実際に構造を補強していきます。
耐震改修にかかる費用は100万円〜200万円ほど。
一般的な木造戸建て2階建ての場合には、
耐震改修にかかる費用はだいたい100万円から200万円ほどになります。
高いと思うでしょうか?
安いと思うでしょうか?
個人的には意外と安いなという印象です。
というのも、ちょっと大規模なリフォームでもおこなおうものなら、
300万円とか500万円かかってしまうことも多いからです。
耐震改修だけであれば、
100万円とか200万円で済んでしまうんですね。
かし保険に加入しているからといって高く売れるとは限らない?
ただし、耐震改修をして、かし保険に加入したからといって、
家が高く売れるとは限らないので注意が必要です。
確かに、高く売れる可能性もあります。
例えば、
100万円かけて耐震改修をおこない、
1500万円でしか売れなそうだった家を、
1700万円で売るということは可能かもしれません。
耐震改修済みで、かし保険にも加入しているのであれば、
そういうことも可能かもしれません。
でも、家の状況を自分でチェックしたいと考える買主も結構います。
買主に任せたほうがいいかも。
その家に住むことになるのは買主です。
1981年以前に建てられた木造戸建てであれば、
売主以上に、
構造がシッカリしているのか?
土台は大丈夫か?
天井裏に雨漏りはないか?
などが気になるんじゃないでしょうか。
なので、売主による、
かし保険の検査をあまり信用しない買主もいるんですね。
「検査するなら、自分が選んだ業者にお願いしたい」
という買主も多いんです。
そうなると、せっかく、かし保険に加入しても、
あまり意味がなくなってしまいます。
それだったら、
最初から買主側に任せてしまったほうが良いとも言えるんです。
「でも、かし保険って売主じゃないと加入できないんじゃないの?」
と思うかもしれません。
確かにそうなのですが、
住宅ローン減税が利用できるのは、
かし保険だけじゃないんです。
「耐震基準適合証明書」を取得することでも、
住宅ローン減税が利用可能になります。
そして、耐震基準適合証明書は、買主側でも取得できるんですね。
まとめ
というわけで、
旧耐震基準でも「かし保険」に加入できるのかというお話をしました。
そのままだと難しいです。
図面チェックの段階でアウトになる可能性が高いです。
例え、建物がまったく劣化していなくてもです。
どうしても加入したいという場合には、
耐震改修が必要になります。
費用は、100万円から200万円ほどです。
でも、かし保険に加入したからといって、
必ずしも家が高く売れるとは限りません。
売主側でおこなう検査をあまり信用しない買主も結構います。
そうなると、かし保険に加入してもあまり意味がなくなってしまいます。
それだったら、最初から買主側に任せてしまったほうがいいとも言えます。
買主側で耐震基準適合証明書を取得して、
住宅ローン減税を利用するということも可能だからです。
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投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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