家を売るとなると、不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。
「家の売却をお願いします」という契約です。
とはいえ、不動産会社というのは沢山あります。
一体どこの不動産会社にお願いすればいいのか迷うのではないでしょうか?
媒介契約を結ぶ不動産会社はどうやって選ぶのがいいんでしょうか?
まずは不動産会社をリストアップ
家を売るなら、まずは不動産会社を探さなければいけません。
家がいくらぐらいで売れるのかを査定してもらい、実際に売り出してもらう必要があります。
探し方は3つです。
実際に街を歩いて探してみる。
グーグルマップなどで「不動産会社」と検索してみる。
検索エンジンで「不動産会社+〇〇(地域名)」と検索してみる。
他にも、知り合いにオススメの不動産会社を聞いてみるとかあるでしょうか。
一括査定サイトを利用してもいいです
もし、それが面倒くさいという場合には、不動産一括査定サイトを利用してみるのもいいです。
3社〜6社ぐらいの不動産会社に一括して家の査定をお願いすることができます。
1社1社、査定のお願いに足を運ぶ必要もないので楽です。
また、自分では見つけられなかった不動産会社が一括査定サイトで見つかることもあります。
一括査定サイトには「イエイ」「ホーム4U」「イエウール」などがあります。
ただし、査定額の高さだけでは選ばないこと
ちなみに、ほとんどの一括査定サイトは「査定額が高くなる」が売り文句です。
複数の不動産会社に一括査定するので、競争の原理が働いて査定額が高くなるというわけです。
確かに、高い査定額を提示してくる不動産会社があるかもしれません。
でも、査定額の高さだけで不動産会社を選ばないようにしましょう。
わざと査定額が高くされることもあります
というのも、わざと査定額を高くする不動産会社もあるからです。
査定額って、実際に売れそうな価格だと思うでしょう。
でも、そうじゃないこともあるんです。
家を売る側としては、不動産会社が提示してくる査定額ってとても気になりますよね。
安ければ落ち込み、高ければ喜びます。
不動産会社の人はそのことを知っています。
なので、喜んでもらうために、わざと高い査定額を提示してくることがあるんです。
なぜ、そんなことをするのかというと、媒介契約を結びたいからです。
多くの人は、1番査定額が高い不動産会社と媒介契約を結びます。
なかなか家が売れないという状況に
問題はその後です。
わざと査定額を高くしているので、当然のことながら家は売れにくいです。
相場よりも高く売り出しているので当然です。
でも、家が売れないことには不動産会社も困ってしまいます。
家が売れて始めて仲介手数料が得られるからです。
そうなると、不動産会社はある提案をしてきます。
そう、値下げです。
「どうも相場が下がってきているようで、この価格では売れないかもしれません。値下げをしませんか?」と提案してきます。
実際には相場が下がっているわけではなくてもです。
わざと査定額を高くしてしまったので、どこかで調整しなければいけないんですね。
結果として、他社の査定額と同じような価格に値下げをすることになります。
場合によっては、他社の査定額よりも安く値下げしなければいけなくなる可能性もあります。
大事なのは査定額に納得できるかどうか
なので、査定額で大事なのは「実際にその価格で売れそうか?」というところです。
査定額の根拠に納得できるかどうかです。
ただ、根拠に納得するには、自分でもある程度の知識が必要です。
不動産の価格というのは、土地と建物に分けられます。
そして、土地の価格というのはある程度決まっています。
1年に1度、国が公示価格というものを発表します。
「この土地の価格はこれぐらいですよ」という目安を発表しているんですね。
また、相続税の計算のために使われる路線価というものがあります。
この、路線価を使って土地の価格を計算することもできます。
建物は土地と比べるとちょっと難しいですが、減価償却という概念を使ってある程度計算することはできます。
こういったことを自分でも知っておけば、不動産会社が提示してくる査定額に根拠があるのかどうかが分かりやすくなります。
家を高く売りたいのであれば、面倒でも知っておいたほうがいいです。
「一般」と「専任」はどっちがいい?
査定額に納得したら、次は媒介契約を結ぶことになります。
「一般媒介契約」か「専任媒介契約」のどちらかを選ぶことになります。
ほとんどの不動産会社は「専任媒介契約」を結びたがります。
専任媒介契約というのは、1社としか契約することができません。
不動産会社からしてみれば、家が売れたならば必ず仲介手数料が得られる契約です。
専任媒介契約を結びたがるのも当然です。
専任には囲い込みのリスクがあります
ただ、売主からしてみれば、専任媒介契約というのはリスクがある契約なんです。
「囲い込み」のリスクがあります。
囲い込みというのは、他社からの買主の紹介を断ってしまうことを言います。
あなたには無断でです。
それで家が売れたかもしれないのにです。
なぜ、そんなことをするのかというと、仲介手数料を2倍にしたいからです。
仲介手数料というのは、売主も買主もそれぞれ支払うことになります。
もし、買主も自社で見つけた場合には、売主と買主のどちらからも仲介手数料を得ることができるんですね。
もし、買主が他社からの紹介の場合には、買主からは仲介手数料が得られません。
そんなわけで囲い込みがおこなわれることがあります。
そして、専任でなければ囲い込みはできません。
売主との窓口が1社だからこそできることなんです。
もし、窓口が2社あるのであれば、買主の紹介を断るなんてことはできません。
だって、断ったら他社に買主が紹介されて売買が決まってしまうかもしれませんから。
不動産会社のブログをチェックしてみましょう
その不動産会社が囲い込みをおこなうのかおこなわないのかを知る方法として、ブログをチェックするというのがあります。
最近ではブログを運営している不動産会社も多くなりました。
そして、ブログ記事の中で、囲い込みの存在について触れている不動産会社もあるんですね。
囲い込みの存在を知っている売主に対して、囲い込みをおこなうのは至難の技です。
なので、自社のブログの中で囲い込みについて触れているのであれば、その不動産会社は囲い込みはおこなわないはずです。
信頼できるのであれば専任媒介契約がベストです
専任媒介契約には囲い込みのリスクがありますが、もし、信頼して任せられるのであれば専任媒介契約がベストな選択肢です。
売主にとっても不動産会社にとってもです。
不動産会社からすれば、家が売れたならば必ず仲介手数料を得ることができます。
やる気も上がります。
まあ、それにあぐらをかいて手を抜く不動産会社もありますが、信頼できる不動産会社なのであれば、そんな心配もないでしょう。
そして、売主にとっても連絡窓口が1社だけになるので楽になります。
一般媒介契約の場合には、複数の不動産会社に連絡しなければいけなかったりします。
契約している不動産会社の数だけ同じ内容を繰り返し伝える必要がでてきます。
確信が持てないなら一般媒介契約を2社と結ぶのがオススメです
とはいえ、その不動産会社が信頼できるかどうかを判断するのが1番難しいとも言えます。
そんなときは、2社とだけ一般媒介契約を結ぶというのがオススメです。
これは売主にとっても不動産会社にとってもベターな方法です。
というのも、一般媒介契約だからといって10社とかと契約を結んでしまうと、不動産会社のやる気が極端に落ちてしまうからです。
ライバルが多ければ多いほどに仲介手数料が得られる確率は下がってしまいますよね。
仲介手数料が得られる確率が10%の仕事を熱心におこなうでしょうか?
放置することが多くなってしまうのではないでしょうか。
それを防ぐためにも、一般媒介契約でも2社までに絞ったほうがベターです。
2社だけなら仲介手数料が得られる確率は50%です。
みすみすライバル会社に仲介手数料をもっていかれるのも悔しいので、売却活動も頑張るのではないでしょうか。
売主にとっても、2社とだけ連絡を取ればいいので管理が楽になります。
そしてなにより、2社だけでも十分に囲い込みを予防することが可能です。
まとめ
というわけで、媒介契約を結ぶ不動産会社はどうやって選ぶのがいいのかというお話をしました。
まずは、不動産会社をリストアップします。
不動産一括査定サイトを利用してもいいと思います。
「イエイ」「ホーム4U」「イエウール」などがあります。
ただし、査定額の高さだけで不動産会社を選ばないようにしましょう。
というのも、わざと高い査定額を出してくる不動産会社もあるからです。
媒介契約を結びたいがためにです。
わざと査定額が高くなっている場合、当然のことながら家は売れにくくなります。
相場よりも高いんですから。
そうなると、結局は値下げをせざるを得ないという状況になります。
なので、不動産会社を選ぶときには、その査定額には根拠があるのかということがとても大事になってきます。
そして、媒介契約の種類です。
「一般」と「専任」のどちらかを選ぶことになります。
専任媒介契約がベストなのですが、専任媒介契約には囲い込みのリスクがあります。
その不動産会社が信頼できるかどうかをチェックするには、ブログをチェックしてみるという方法がオススメです。
最近では自社でブログをやっている不動産会社も増えてきています。
それでも確信がもてない場合には、一般媒介契約を2社とだけ結ぶというのがオススメです。
2社だけでも十分に囲い込みを予防することができます。
関連記事:「囲い込み」って何なの?
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投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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