「違法建築なんだけれども、安いから購入してリノベーションしたい!」と思うこと、
あるかと思います。
違法建築の場合、住宅ローンが使えなかったりして、
安くなっていることが多いですからね。
現金一括で買えるならお得だったりします。
違法建築を購入してリノベーションというのは可能なんでしょうか?
不可能じゃありません。
結論から言うと、不可能じゃありません。
ただ、難しいとは思います。
検査済証がないとリノベできないのでは?
違法建築の場合、
検査済証が確実に無いです。
検査済証というのは、
図面通りに建物が建てられた証明書みたいなものです。
図面通りに建てられていたのなら、
違法建築にはなりません。
なので、違反建築の場合には、
確実に検査済証がありません。
リノベーションをおこなうときには、
柱や梁などの構造材だけをのこして、
そこから家を作っていくことが多いです。
それぐらいの規模になると、
確認申請が必要になってきます。
そのときに、検査済証の提出が求められるんですね。
「建築基準法を守って建てられたこの家を、こういう風にリノベーションしたいんです」
という感じで確認申請する必要があります。
なので、違法建築の場合、
リノベーションはできないと思うかもしれません。
行政の対応次第です。
でも、そんなことはありません。
行政の対応次第なんです。
絶対にダメというわけではないんですね。
なんにでも例外というものはあります。
今までも、検査済証がなくてもリノベされることがありました。
実際のところ、
検査済証がなくてもリノベーションがされる事例というのは今までもありました。
行政が納得すれば、
検査済証がなくてもリノベーションの許可がおりるんですね。
例えば、古民家とか。
江戸時代から建っているようなものです。
建築基準法的には既存不適格という扱いになるようですが、
実際は違法建築みたいなものだと思います。
(建築基準法から見るとです。実際は、歴史的建造物と言えると思います。)
そんな、古民家がリノベーションされることがあります。
もちろん、確認申請が必要です。
でも、検査済証はありません。
行政の判断次第で許可されることがあるということなんです。
でも、確実じゃありません。
でも、確実じゃありません。
近年に建てられた違法建築と、
江戸時代に建てられた古民家を同じように扱うのも無理があります。
「違法建築だからムリです!」
とバッサリやられるかもしれません。
可能性があるとしたら、
リノベーション後には適法な家になる場合でしょうか?
「今は違反建築なんですが、リノベーション後はこんな感じに適法になるようにしようとしているんです」
と行政の人を納得させることができるのであれば、
違法建築でもリノベーションが可能かもしれません。
最悪の場合は、確認申請が不要の範囲でのリノベーション。
最悪の場合には、
確認申請が不要な範囲でのリノベーションをおこなうことになります。
リノベーションであっても、
主要構造部の大部分に手を加えないなら、
確認申請が不要になります。
主要構造部というのは、柱、梁、屋根、壁、床、階段などです。
それぞれの構造部の半分以上に手を加える場合には、
確認申請が必要になります。
全体のうちの半分じゃなくて、各構造部での半分です。
例えば、リビングの床だけを新しいものに交換するだけなら、
確認申請は必要ありません。
でも、すべての部屋の床を新しいものに交換しようとすると、
確認申請が必要になってきます。
外壁についても同じです。
道路側の外壁だけを新しいものに交換するのであれば、
確認申請は不要です。
でも、すべての外壁を新しいものに交換するのであれば、
確認申請が必要になってきます。
つまりは、確認申請しないのであれば、
リノベーションの自由度にかなり制限がかかるということですね。
リノベ目的での違法建築の購入はおすすめしません。
結論。
リノベーション目的での違法建築の購入はおすすめしません。
いや、リノベーションできる可能性はあるんです。
でも、確実ではありません。
そして、なによりも違法建築というのは、
常に是正勧告のリスクを受け続けます。
いつ、
「この建物は違法建築なので取り壊してください」
と言われても文句が言えないということです。
そこが、既存不適格と違うところです。
まあ、
「リノベーションできないなら取り壊して新築する」
という気であればいいかもしれないですけどね。
それならば、違法建築であっても何の問題もありません。
まとめ
というわけで、
違法建築を購入してリノベーションすることはできるのかというお話をしました。
不可能じゃありません。
検査済証がなくても、
行政の対応次第でリノベーションが可能なことがあります。
例えば、古民家が検査済証なしでリノベーションされることがあります。
でも、確実にリノベーションできるかと言われると、
確実じゃありません。
運次第です。
確認申請が通らないのであれば、
確認申請が不要な範囲内でのリノベーションで我慢するしかありません。
そう考えると、
リノベーション目的で違法建築を購入することはやめておいたほうがいいかもしれません。
関連記事:「既存不適格」と「違反建築」の違いってなんなんでしょうか?
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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