築40年以上のマンションがどんどんと増えてきています。
今後も増え続けるでしょう。
そして、表面化してきているのが、
マンションの老朽化です。
マンションって老朽化したら最後にはどうなるんでしょうか?
3つのパターンがあります。
大きく、
3つのパターンがあると思います。
【1】建て替え
ひとつめは、建て替えです。
マンションが老朽化してきたから建て替える。
とてもシンプルです。
でも、とても難しいです。
今現在、
築50年を超えるマンションというのは、
6.3万戸あります。
マンションの耐用年数は47年と言われているので、
建て替えられてもおかしくない時期にあります。
まあ、47年というのは法的な耐用年数であって、
実際には70年とか100年保つと言われたりもしますけどね。
それは置いておいて、
今までに実際に建て替えられたマンションの数って、
どれくらいだと思いますか?
築50年以上のマンションは6.3万戸あります。
ひとつのマンションが100戸だったとしても、
6300棟のマンションがあるということです。
そのうち、実際に建て替えられたのは、
今のところ267件です。
建替え中のマンションも含みます。
建て替えられる確率は、
約4%ほどということですね。
今、マンションに住んでいるのであれば、
そのマンションが建て替えられる可能性は、
とても低いと思っておいたほうがいいかもしれません。
外部リンク:マンションに関する統計データ|国土交通省
【2】取り壊して土地だけ売却
ふたつめは、取り壊して、
土地だけ売却です。
建て替えの事例がこんなにも少ないのには理由があります。
シンプルです。
建て替え費用が出せないからです。
マンションの建築費というのは、
坪あたり80万円ほどかかります。
80平米の住戸をつくるのに、
約2000万円ほどの費用がかかる計算になります。
もし、あなたが住んでいるマンションが建て替えられることになったとして、
2000万円の費用を出せるでしょうか?
そして、マンションの場合、
住民全員が出さないといけないんです。
これが、建て替えられる事例が少ない根本的な理由です。
合意形成が難しいという理由もありますが、
根本的にはお金の問題があります。
一方、マンションの解体費用は坪あたり5万円ほどです。
80平米の部屋を解体するのに、
約75万円のお金がかかります。
2000万円を出すのは難しいけれども、
75万円なら出せるという人は多いんじゃないでしょうか?
マンションというのは区分所有です。
土地の一部を所有しています。
なので、マンションを取り壊して土地を売れば、
区分所有している比率の分だけ、
売却代金を受取ることができます。
例えば、
住戸数が100戸のマンションを解体して、
土地を売ったとします。
売却代金が5億円の場合、
1住戸あたり500万円を受け取ることができます。
解体費用も十分にまかなえますね。
こういった事例は国土交通省に統計がないのでなんとも言えませんが、
今後、主流になるのではないかと思います。
【3】取り壊すこともできずに廃墟化
みっつめは、取り壊すこともできずに廃墟化です。
さきほど、マンションを取り壊して土地を売れば、
解体費用も十分にまかなえると言いました。
でも、これには条件があります。
土地の立地が良いという条件です。
もし、マンションの立地が駅徒歩30分以上という場合、
その土地は高く売れるでしょうか?
相場よりも安くしてもなかなか買い手が現れないという可能性もあります。
住戸数が100戸のマンションを解体して、
土地を売ったとして、
5000万円でしか売れなかった場合、
一人あたり受け取れるお金は50万円になります。
解体費用をまかなうことはできません。
それだったら、
解体せずに放置しておいたほうがいいと考える人もでてきます。
廃墟化への道です。
絶対に避けたいのは廃墟化。
マンションがたどる3つのパターンについてお話しました。
絶対に避けたいのは廃墟化なんじゃないでしょうか?
立地が良ければ廃墟化はしません。
基本的に、立地が良ければ廃墟化はしません。
土地を売れば、
十分に解体費用もまかなえるという状態であれば、
廃墟化するということはないと思います。
放置しておくよりも、
解体して売ったほうが利益になりますからね。
でも、30年後には約2500万人ほど人口が減ります。
でも、
今後問題になってくるのは、
人口の減少です。
30年後には約2500万人ほど人口が減る予測になっています。
2500万人ってかなりのインパクトだと思います。
というのも、
今の東京と神奈川の人口が合わせて、
約2300万人ほどだからです。
東京と神奈川に住んでいる人がすべていなくなると考えると、
そのインパクトが想像しやすいんじゃないでしょうか?
今、立地がよくても30年後にはどうなるのか?
そうなると、
立地が良いという場所が、
30年後には変わるということです。
今、立地が良いと言われる場所も、
そうではなくなる可能性があるということです。
例えば、巣鴨の地蔵通り。
今は人通りも多くて立地が良いと言えるかもしれません。
でも、30年後にはどうでしょうか?
「東京23区内であれば大丈夫!」という人もいますが、
実際のところ、どうなるのかは誰にも分かりません。
足立区・葛飾区・墨田区の場合には、
水害が起きる可能性だってあります。
これからマンションを買うという人は、
「30年後には立地がどうなっているか?」
ということを考えながら買ったほうがいいかもしれません。
まとめ
というわけで、マンションは老朽化したら、
最後にはどうなるのかというお話をしました。
3つのパターンがあります。
ひとつめは、建て替え。
ふたつめは、解体して土地だけ売却。
みっつめは、解体すらできずに廃墟化。
絶対に避けたいのは廃墟化なんじゃないでしょうか。
基本的に立地が良ければ、
廃墟化することはないんじゃないかと思います。
ただ、今後は日本の人口は減っていきます。
今は立地が良くても30年後はわかりません。
これからマンションを買うという場合には、
30年後はどうなっているのかを考えながら買うのがいいと思います。
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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