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所有権と抵当権って、どっちの方が強いんでしょうか?

不動産の登記簿には、

「所有権」と「抵当権」というものがよくでてきます。

 

所有権というのは、その名の通り、

土地や建物を所有する権利。

 

抵当権というのは、

お金を貸す代わりに、

土地や建物を担保にできる権利です。

 

所有権と抵当権ってどっちの方が強いんでしょうか?

 

抵当権の方が強いです。

抵当権の方が強いです。

 

もちろん、すべての面において抵当権が強いというわけじゃありません。

 

抵当権を持っているからといって、

その土地や建物に無断で入ることはできません。

 

所有者ではないからです。

 

でも、総合的に考えると、

抵当権を持っているほうが強いと言えます。

 

例えるなら、「雇われ社長」と「オーナー」の関係に近いです。

例えるならば、

「雇われ社長」と「オーナー」の関係に近いと思います。

 

あなたが雇われ社長、

金融機関がオーナーです。

 

社長というと、とても偉い人のように感じますが、

実際のところはオーナーには逆らうことができません。

 

実際に、お金をだしているのは誰なのか?

というのも、

実際にお金をだしているのはオーナーだからです。

 

会社を運営するには、

ある程度の資金が必要になります。

 

会社を創業するとなると、

1000万円とかのお金が必要になったりします。

 

今は1円でも創業することができますが、

あまり現実的じゃありません。

 

創業して数十年とか経った企業は、

資金として数億円とか数十億円とかを保有しています。

 

このお金って、社長のものでしょうか?

 

違いますよね。

会社のお金です。

 

そして、会社のお金というのは、

株主であるオーナーのものです。

 

あなたが住宅ローンを使って家を買うときも、

同じような構図になります。

 

あなたは、住宅ローンを使って家の所有者になります。

でも、そのお金の出どころは金融機関です。

 

所有権というより使用権に近いです。

住宅ローンで得た所有権というのは、

所有権というよりも、使用権に近いかもしれません。

 

雇われ社長もそうです。

 

会社のお金を所有しているわけじゃありませんが、

そのお金を使って経営をすることができます。

 

あなたは、自分のお金でその家を買うわけじゃありませんが、

所有権を得て、その家に自由に住むことができるようになります。

 

自由に使えるようになります。

 

住宅ローン完済したときに本当の所有者になります。

でも、抵当権がついている限り、

本当の所有者とは言えないんですね。

 

住宅ローンを完済したときに、

本当に所有者になったと言えます。

 

雇われ社長が、

オーナーから株を買い取って、

オーナー社長になるようなものです。

 

雇われ社長であるかぎり、

いつクビを切られるかというのは分かりません。

 

経営状況が悪化すれば、

経営責任を問われてクビになることも少なくありません。

 

もし、ローン滞納すれば、家は競売にかけられてしまいます。

住宅ローンで所有権を得た場合だって同じです。

 

経済状態が悪化して、

住宅ローンを滞納でもしようものなら、

抵当権を行使されて家を追い出されてしまうんです。

 

抵当権というのは、

住宅ローンが返済されない時には、

土地や建物を自由に売却してもいいという権利です。

 

金融機関は、あなたの家を競売にかけて、

融資したお金を回収しようとします。

 

あなたに所有権があっても関係ないんですね。

 

「この家の所有権者は私だ!勝手に競売にかけることは許さない!」

ということは通じません。

 

裁判所だって、抵当権を優先します。

 

競売にかけられなかったとしても

「じゃあ、融資したお金を一括返済してください」

と言われるだけです。

 

一括返済できるでしょうか?

 

難しいですよね。

 

そういったことからも、

所有権よりも抵当権の方が強いと言えます。

 

まとめ

というわけで、

所有権と抵当権はどっちの方が強いのかというお話をしました。

 

抵当権の方が強いです。

 

所有権と抵当権というのは、

雇われ社長とオーナーの関係に似ています。

 

実際にお金をだしているのはオーナーです。

雇われ社長はそのお金を使って経営する権利があるだけです。

 

住宅ローンの場合も、

所有権者は自由にその家に住む権利があります。

 

でも、住宅ローンを滞納した場合、

オーナーたる金融機関は抵当権を行使して、

あなたの家を競売にかけて資金回収しようとします。

 

あなたに所有権があったとしても、

抵当権の方が優先されます。

 

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投稿者プロフィール

山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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