REDSという不動産仲介会社があります。
正式名称は「不動産流通システムREDS(レッズ)」でしょうか。
仲介手数料が半額になったり、
場合によってはタダになることもあるようです。
なぜ、そんなことが可能なんでしょうか?
広告費をムダに使わないからです。
「詳しくはREDS公式サイトをチェックしてみてください。」
外部リンク:REDS公式サイト
だと、記事になりませんので、
このサイト(ハウール)独自の見解みたいなものをお話していきたいと思います。
まず、広告費をムダに使わないからなのではないかと思います。
「ネット広告などで結構露出していない?」
と思うかもしれません。
確かに、最近はREDSのネット広告を見かけることが、
多くなってきているような気がします。
でも、方向性がちょっと違います。
普通は、買主を探すために多くの広告費を使います。
不動産仲介会社というのは、
買主を探すために多くの広告費を使います。
もっともメジャーなのはスーモなんじゃないでしょうか?
おそらく、
日本で1番アクセス数の多い不動産ポータルサイトだと思います。
このスーモに物件広告を掲載したいと思った場合、
どれくらいの広告費がかかると思いますか?
ちなみに、スーモはこの費用を公開はしていません。
スーモ公式サイトをチェックしても、
どれくらいの広告費がかかるのかの情報は記載されていないはずです。
「詳しくはお問い合わせ下さい」というスタンスですね。
まあ、言ってしまえば高いんです。
でも、スーモ経由で買主が見つかるということは多いんです。
なので、
不動産仲介会社はスーモに広告費を支払って、
物件広告を掲載してもらいます。
この費用、どこからでているんでしょうか?
もちろん、売主から頂くであろう仲介手数料の中からまかなわれます。
そして、広告媒体はスーモだけじゃありません。
ネットだと、ホームズやアットホームなどがあります。
新聞の折込チラシにも広告費がかかります。
とにかく、買主を見つけるには広告費がかかるんです。
REDSの場合、「他社」に広告費を負担してもらう仕組みを作っています。
REDSの場合、
この広告費を「他社」に負担してもらうという仕組みを作っています。
多くの不動産会社が、
自社で広告費をだして買主を見つけようとする中、
REDSの場合には、
「他社」に広告費をだしてもらえるようにしています。
なぜ、そんなことができるのか?
なぜ、そんなことができるんでしょうか?
「ちょっとズルくない?」とすら思うかもしれません。
でも、ズルくないんです。
むしろ、とても良心的だとも言えます。
「囲い込み」をせず、「広告掲載不可」にもしないからです。
他社が広告費をだしてくれるのは、
「囲い込み」をせずに、
「広告掲載不可」にもしないからです。
実は、買主というのは、
必ずしも自社で探さないといけないということはないんです。
他社から買主を紹介されるということも結構あります。
それを可能にするために、
不動産業界には「レインズ」と呼ばれるシステムもあります。
不動産仲介会社は、不動産の売却の依頼を受けると、
その情報をレインズに登録しなければいけません。
(一般媒介契約の場合を除く)
そして、日本全国の不動産会社がそのレインズの情報を閲覧できるんです。
「あ、この物件、Aさんが欲しがりそうだな」と思えば、
レインズ経由で買主を紹介できるということですね。
でも、この紹介をあえて断る不動産仲介会社もあるんです。
自社で買主を見つけたいからです。
紹介によって家が売れたかもしれない可能性を蹴ってまで、
自社で買主を探したがるんですね。
なぜかというと、買主からも仲介手数料をもらいたいからです。
不動産仲介会社は、
媒介契約を結んだ相手から仲介手数料をもらいます。
もし、売主と買主の両方と媒介契約を結んだ場合、
どちらからも仲介手数料が得られるんですね。
もし、買主が他社からの紹介の場合、
買主からは仲介手数料が得られません。
意図的に、売主と買主の両方から仲介手数料を得ようとする行為のことを、
「囲い込み」と呼んだりします。
売主にとってはかなり迷惑となります。
そして、「広告掲載不可」。
これは、レインズに登録した情報を、
スーモなどに掲載することを禁止することです。
囲い込みをしようとする場合、
そんなことをされたら、
他社に買主を見つけられてしまう可能性が高まってしまいますからね。
「スーモに広告掲載できるのは自社だけ!」という状況にしておきたいので、
他社に対しては「広告掲載不可」という指示をだします。
他社も、喜んでREDSのお手伝いをします。
REDSの場合、
囲い込みをしないし、
広告掲載不可にもしません。
なので、
買主から仲介手数料を得たい不動産仲介会社からしたら、
とても有り難い存在なんですね。
だって、囲い込みをしている不動産仲介会社に対しては、
買主を紹介すらできないんですから。
商売になりません。
でも、REDSの場合には、囲い込みをしません。
そして、広告掲載不可にもしていません。
なので、他社も喜んでスーモなどの広告媒体に物件広告を掲載します。
それで買主が見つかれば、
買主から仲介手数料が得られるからです。
結果的に、早く高く売れる可能性も高まります。
買主をREDSに紹介したい不動産会社は1社だけじゃありません。
複数の会社が、REDSに買主を紹介したがります。
そうすると、より多くの広告媒体を網羅できるようになるんですね。
例えば、
A社はスーモに広告をだし、
B社はホームズに広告をだし、
C社は新聞に折込チラシをいれ、
D社はアットホームに広告をだす、
ということが可能になるんです。
これを1社だけでおこなおうとすると、
ものすごい広告費が必要になります。
なので、ある程度、
広告を出す広告媒体を絞ることになります。
でも、他社にも広告費をだしてもらえるなら、
より幅広い広告媒体に広告をだすことができるようになります。
結果として、買主が見つかる可能性は高まります。
そして、より早く高く売れる可能性がでてきます。
「なぜ高く売れるようになるの?」と思うかもしれません。
もし、欲しがる人が2組以上同時に見つかったらどうなるでしょうか?
オークションの仕組みと同じで、
売却価格は高くなる傾向があります。
ちなみに、REDSがだしている広告は、
方向性が違うと言いました。
どう違うのかというと、
REDSがだしている広告は、
買主を見つけるための物件広告ではなく、
売主に気づいてもらうためのブランディング広告なんです。
特定の物件を紹介するような広告ではないですよね?
なので、売主の仲介手数料の中から支払われている広告費ではなくて、
あくまでもREDSの知名度を上げるための広告費になります。
まあ、最終的には、売主や買主から仲介手数料を得なければ、
ブランディングの広告費もまかなえないわけですが、
売主の仲介手数料から直接支払われる広告費ではないということです。
首都圏の不動産価格が高騰しているのも理由のひとつです。
ここ数年、首都圏の不動産価格が高騰しているというのも、
REDSが仲介手数料を半額にしたりタダにできる理由のひとつです。
仲介手数料を半額にしても十分な利益が得られるということ。
2019年現在。
東京23区内のマンションの平均価格は7000万円にもなります。
仲介手数料が3%だとすると、
利益は210万円にもなります。
1回の取引で210万円の仲介手数料が得られるということです。
かなり割が良いのではないでしょうか?
これほどまでに不動産価格が高騰していなかったときと、
労力はあまり変わらないにも関わらずです。
仲介手数料を半額にしたとしても、
105万円の仲介手数料が得られるんです。
十分にやっていけるのではないでしょうか?
囲い込みをして売主と買主の両方から仲介手数料を得ようとすると、
1回の取引で420万円もの仲介手数料を得ることになります。
「さすがに儲けすぎじゃない?」
とREDSの人が思ったかどうかは分かりませんが、
REDSは仲介手数料を半額にするという戦略を取り始めました。
もちろん、
他社との差別化、
仲介手数料を下げてでも知名度を上げたい、
という思惑もあるかと思います。
でも、売主としては、
仲介手数料が半額、
囲い込みをしない、
広告掲載不可にもしない、
というREDSという存在は気になるのではないでしょうか?
なぜ、仲介手数料をタダにできるのか?
ちなみに、
「半額にできる理由は分かったけど、タダにできる理由が分からない」
という人もいるかと思います。
おそらく、意図せずに、
売主とも買主とも媒介契約が結ばれてしまった時、
そうなるのではないかと思います。
「買主から仲介手数料をもらえるからタダでいいです」
ということですね。
他社に広告費をだしてもらえるとはいえ、
REDS自身がスーモなどに物件広告をだすこともあるかと思います。
そうすると、意図せずに自社で買主が見つかってしまうことがあります。
そういった時に、
仲介手数料がタダになる可能性があるということですね。
まとめ
というわけで、
REDSが仲介手数料を半額にできるのは、
何故なのかというお話をしました。
ひとつの理由として、
広告費をムダに使わないというのがあると思います。
多くの不動産仲介会社は、
買主を見つけるために多くの広告費を使います。
でも、REDSの場合、
他社に広告費をだしてもらえるような仕組みにしています。
「囲い込み」をせずに、
「広告掲載不可」にもしないため、
買主から仲介手数料を得たい他社が、
喜んで買主を見つけるための広告費をだしてくれるんですね。
結果的に、早く高く家が売れることに繋がります。
また、もうひとつの理由として、
首都圏の不動産価格が高騰しているというのがあると思います。
仲介手数料を半額にしても十分にやっていけるということです。
外部リンク:REDS公式サイト
関連記事:仲介手数料を支払うタイミングっていつなんでしょうか?
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
最新の投稿
- 2019.12.09税金・相続・法律「相続登記」と「所有権移転登記」の違いは何なんでしょうか?
- 2019.12.06住宅性能・住宅診断家は住まないと劣化するというのは本当なんでしょうか?
- 2019.12.06登記「表題登記(表示登記)」と「権利登記」はどう違う?
- 2019.12.06税金・相続・法律相続した不動産が未登記だった場合にはどうするのがいいんでしょうか?
家を高く売りたいなら知っておきたいこと
これだけは知っておいたほうがいいかもしれません。