「耐震基準適合証明書を取得したいんだけれども、検査済証がない」
ということ、結構あると思います。
検査済証がないということは、
建築基準法による耐震基準を満たしているかどうかを、
証明することができないということです。
検査済証がなくても、
耐震基準適合証明書は取得できるんでしょうか?
取得できます。
検査済証がなくても、
耐震基準適合証明書は取得できます。
反対に、検査済証があっても取得できるとは限りません。
反対に、検査済証があったとしても、
耐震基準適合証明書が取得できるとは限りません。
耐震基準適合証明書というのは、具体的に言うと、
「震度6強の地震が起こったとしても、一応倒壊はしません」
という証明書のようなものです。
一方、検査済証というのは、
「新築時には、建築基準法を守って建てられた家です」
ということを証明するものです。
耐震基準適合証明書を取得したいということは、
もう、結構な築年数が経っているはずです。
だいたい、築20年以上なのではないでしょうか。
新築時の耐震性能を保っていられているでしょうか?
大事なのは、今の耐震性能です。
大事なのは、今の耐震性能なんです。
20年前には耐震基準を満たしていたとしても、
今、耐震基準を満たせないのであれば耐震基準適合証明書は発行されません。
「う〜ん、検査済証があるということは、新築時は耐震基準を満たしていたのかもしれないけれども、今はちょっと耐震性能が足りないね」
と診断される可能性も大いにあるということですね。
新耐震基準で建てられていても、耐震性が不足していることが多いです。
実際のところ、
1981年以降の新耐震基準で建てられている家でも、
約9割の家は耐震性が足りないそうです。
1981年以前の旧耐震基準の家の場合、
「震度5強」程度の地震でも倒壊しないことを基準に建てられています。
なので、「震度6強」が基準の耐震基準適合証明書を取得することは難しいです。
一方、1981年以降の新耐震基準では、
「震度6強」でも倒壊しないように建てられています。
検査済証があれば、
そのまま耐震基準適合証明書を取得できそうなものです。
でも、実際のところは、
約9割の家で耐震性が足りないと診断されるんですね。
外部リンク:築20年超の新耐震基準住宅のうち約9割が、現行の耐震基準に不適合|不動産ジャパン
その場合、検査済証があっても耐震改修が必要になります。
耐震性が足りないと診断された場合、
検査済証があったとしても、耐震改修が必要になってきます。
耐震改修をおこなって、耐震性が確保されて、
はじめて耐震基準適合証明書を発行してもらえるんですね。
新耐震基準でも約9割の家に耐震改修が必要になるんです。
検査済証があろうがなかろうがあまり関係なく思いませんか?
もちろん、検査済証があるにこしたことはないですけどね。
ちなみに、建築図面はあったほうがいいです。
ちなみに、
検査済証はなくても大丈夫なのですが、
建築図面はあったほうがいいと思います。
というのも、耐震計算をするために図面が必要になるからです。
どこに柱があって、
どこに耐力壁があって、
どこに筋交いがあって、
ということが分かる図面があったほうがいいんですね。
極端なことを言うと、図面がなくてもなんとかなります。
新しく図面を作ってもらうことができます。
でも、高くつくことになるので、
できれば、図面は用意しておけるといいですね。
図面は、建築図書に含まれています。
建築図書というのは、確認申請書や図面などを一式にまとめたものです。
検査済証がないということは結構ありますが、
建築図書がないということはあまりありません。
少なくとも新築で購入した場合には建築業者に渡されているはずです。
探せば家の中のどこかにあると思うので、
探してみましょう。
関連記事:図面なしでも耐震診断を受けることってできるでしょうか?
まとめ
というわけで、検査済証がなくても耐震基準適合証明書は取得できるのかとうお話をしました。
取得できます。
反対に、検査済証があっても取得できるとは限りません。
大事なのは、今の耐震性なんですね。
新耐震基準で建てられた家でも、
耐震性が足りていないことがほとんどです。
約9割の家が足りません。
その場合には、検査済証があったとしても、
耐震改修が必要になってきます。
ちなみに、検査済証はなくても大丈夫ですが、
建築図面はあったほうがベターです。
関連記事:図面なしでも耐震診断を受けることってできるでしょうか?
関連記事:検査済証が無いということは違反建築の可能性があるということ?
関連記事:検査済証がないのですが家を売却することはできるでしょうか?
関連記事:耐震基準適合証明書は「買主」と「売主」のどちらが申請するもの?
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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