準工業地域には家を建てることができます。普通の住宅地だと思っていたら「あれ?ここって準工業地域なんだ?」って思うような場所もあります。住居系の用途地域よりも価格が安い傾向があるので、狙っている人も少なくないでしょう。そんな準工業地域、家を建てるときに注意しなければいけないことって何なんでしょうか?
六価クロムには要注意。
六価クロムには要注意です。「六価クロムとは何なのか?」ということについてはウィキペディアを参照していただきたいのですが、簡単に言えば、極めて酸化性の高い物質で、発がん性も持ち合わせています。
皮膚に付着すると炎症を起こしたり、吸い込んでしまったりすると、喉や肺に異変がおこり、場合によってはガンになります。準工業地域の土地には、そんな六価クロムが含まれている可能性というのがあるんです。
参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E4%BE%A1%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0
過去にメッキ工場が建っていたならその可能性があります。
その土地の上に、過去にメッキ工場が建っていたのならその可能性があります。六価クロムというのはメッキ加工するときによく使われるもののようです。
ちなみに、この六価クロムをめぐっては、いくつかの事件が実際に起こっています。詳しくはウィキペディアにも書いてありますので、気になる人は読んでみてください。
アメリカでは訴訟問題にもなっていて、ジュリア・ロバーツ主演の「エリン・ブロコビッチ」で映画化もされているようです。
必ず、土壌調査をしてから家を建てましょう。
なので、準工業地域と土地を検討する場合には、必ず土壌調査をしてから家を建てることをおすすめします。土地の登記簿を見れば、過去にその土地にどんな建物が建ってきたのかというのはある程度は分かります。
でも、もし、その土地のお隣にメッキ工場が建っていたことがあるとしたらどうでしょうか?もしかしたら、六価クロムが土地に入ってきている可能性もあります。家を建ててから、「やっぱり六価クロムによる土壌汚染があった!」ということになってはどうしようもありません。
家と土地を売るということも困難になってしまいます。
土壌汚染がないなら大丈夫?
じゃあ、準工業地域でも、土壌汚染がなければ大丈夫なんでしょうか?
今後、隣に工場が建たないとは限りません。
準工業地域というのは、その名の通り、工場を建てても良い土地です。なので、今は大丈夫かもしれませんが、今後、あなたの家の隣に工場が建たないとも言えないんですね。
もちろん、準工業地域の場合には、そんなに大規模な工場が建つという可能性はとても低いと思います。でも、町工場的な小規模な工場は建つ可能性があります。
準工業地域に家を建てるときには、そういったリスクもあるということを覚えておくといいかもしれません。
まとめ
というわけで、準工業地域に家を建てるときの注意点についてお話しました。
六価クロムには要注意です。その土地が、メッキ工場の跡地なのであれば、六価クロムがある可能性があります。必ず、土壌調査をしてから家を建てることにしましょう。
また、準工業地域というのは、その名の通り、工場を建てることができる地域です。今は大丈夫でも、今後、お隣に工場が建つ可能性はあるということはリスクとして知っておいたほうがいいかもしれません。
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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