屋根って軽くすると耐震性能は上がるんでしょうか?
例えば、瓦屋根を、ガルバリウム鋼板などの軽いものに変えると、耐震性能が上がると言われることがあります。それって本当なんでしょうか?
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確かに少し上がります。
確かに、屋根を軽くすると耐震性能は少し上がります。
でも、屋根を軽くしたのに倒壊したらどうしますか?
でも、屋根を軽くしたのに大地震が起こったときに家が倒壊してしまったらどうしますか?
そういった事例というのは少なくありません。耐震性能を上げるために屋根を軽くしたのに、結局倒壊してしまったという事例です。
「何のために屋根を軽くしたのか分からない。。」ということになってしまいます。
荷物を軽くするよりも、筋トレしたほうがいいんじゃない?
「荷物を軽くするよりも、筋トレをしたほうがいいんじゃない?」という話もあります。
例えば、家を建てる職人さん。「柱が重いから柱を軽くしてくれ!」とは言えないでしょう。家の強度を保つためには、ある程度の重さの柱を使う必要があります。
そういう場合、筋トレをしたほうがいいんじゃないでしょうか?重く感じていた柱が、軽く感じるかもしれません。
実際のところ、家を建てる職人さんはガッチリした体型の人がほとんどのはずです。ヒョロヒョロな職人なんていないでしょう。
住宅にも同じことが言えます。
そいういったことが住宅にも言えるんです。もし、屋根が重いせいで耐震性能に問題があるのであれば、そもそも、屋根を支える土台が弱いということです。
1階部分を耐震補強したほうがよっぽど耐震性能が上がります。
1階部分を耐震補強したほうがよっぽど耐震性能が上がります。
特に、築30年とか40年経つ住宅というのは、1階部分の壁の量が足りていないことが多いです。特に、庭に面している部屋の部分。和室やリビングとかダイニングがある部分ですね。
築古の住宅が地震によって倒壊するときには、そういった壁が足りていない部分が折れて、家が倒壊してしまうことが多いそうです。
それだったら、1階部分の壁が足りていない部分を耐震補強しましょうということですね。
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屋根が重くても倒壊しなくなります。
そうすると、屋根が重くても地震によって倒壊しなくなったりします。
もちろん、必ずそうだということはできません。1階部分を耐震補強したとしても、倒壊するときには倒壊します。でも、屋根を軽くするよりは耐震性能が高まるということは事実です。
世の中には、耐震性能をチェックするためのシミュレーションソフトというものがありますが、屋根を軽くするのと、1階部分を耐震補強するのとでは、圧倒的に1階部分を耐震補強するほうが倒壊しにくくなるそうです。
まとめ
というわけで、屋根を軽くすると耐震性能は上がるのかというお話をしました。
確かに、少しは上がります。でも、1階部分を耐震補強したほうが耐震性能はずっと上がります。それでも、屋根を軽くしたいのであれば、屋根を軽くすればいいんです。
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投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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