「専任媒介契約」と「一般媒介契約」はどちらがいい?
不動産会社と結ぶ契約には3種類あります。「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つです。
通常は、「専任媒介契約」か「一般媒介契約」のどちらかの契約が結ばれることになります。
あなたも不動産会社とどちらかの契約を結ぶことになるのですが、どっちの契約の方がいいんでしょうか?
まずは一般媒介契約にするべきです。
結論から言えば、一般媒介契約にするべきです。
不動産会社の担当者には専任媒介契約をすすめられるかもしれませんが、一般媒介契約にしたほうがあなたにとってメリットがあります。
なぜでしょうか?
なぜ、一般媒介契約のほうがいいんでしょうか?
一般媒介契約であれば、「複数」の不動産会社と仲介契約を結ぶことができるからです。
一般媒介契約の場合は、不動産会社はあなたの家をレインズの登録する義務がありません。レインズに登録されないのはあなたにとってデメリットにもなるのですが、そのことを考慮にいれても一般媒介契約のほうがあなたにとってメリットがあります。
囲い込みを防ぐことができるから。
というのも、囲い込みされることを防ぐことができるからです。
囲い込みというのは、他の不動産会社からの買主の紹介を断ることを言います。あなたの家を買いたいと言っている人がいるのに、あなたの家を囲い込もうとしている不動産会社は、その紹介を断ってしまいます。
なぜ、他の不動産会社からの紹介を断ってしまうんでしょうか?
それには理由があります。囲い込みをする不動産会社は、買主も自社で見つけたいんです。自社で買主をみつければ、買主からの仲介手数料ももらえるからです。家の売買が成立すれば、不動産会社はあなたと買主のどちらからも仲介手数料をもらうことができます。
仮に家が3000万円で売買されたとすると、不動産会社はあなたから3%の仲介手数料、買主から3%の仲介手数料、合計6%の仲介手数料を得ることができます。額にすると180万円です。
買主が他の不動産会社からの紹介であれば、それがあなただけの仲介手数料の90万円になってしまいます。これが囲い込みがおこなわれる理由です。
家の売却で1番怖いのは囲い込みです。
囲い込みをされても、すぐに家が売れるのであればそれほど問題にはなりません。
でも、囲い込みが原因でなかなか買主が見つからないということもよくあります。売り出してから半年以上経つのになかなか家が売れないとかですね。
囲い込みが怖いのはここからです。不動産会社はなかなか家が売れない理由を価格のせいにし始めます。そして、家の値下げの提案をしてくるんですね。値下げをすると、値段の安さに魅力を感じる買主が現れやすくなるからです。それを、自社で買主を見つけるまで続けます。
あなたには何も知らされません。
不動産会社が囲い込みをしていることは、当然のことながらあなたには知らされません。
他の不動産会社から買主の紹介があったことも当然のことながら知らされません。もしかしたら、そのときに家の売買が成立したかもしれないのにです。
そして、あなたは知らされていないことにすら気がつくことができません。
一般媒介契約なら囲い込みしようがない。
囲い込みの怖さを理解できたでしょうか。家の売買で1番気をつけないければいけないのは囲い込みされないことです。
その1番の対策が、一般媒介契約を結ぶことです。
一般媒介契約は複数社と仲介契約を結ぶことができるので、1社が囲い込みしようとしても、囲い込みにならないんです。買主の紹介の話を、他の仲介会社に持っていかれたら、それで売買が成立してしまうかもしれません。
他の仲介会社にもっていかれるぐらいなら、自社で買主の紹介を受けたいはずです。囲い込みをしようとは思わないはずです。
不動産会社が専任媒介契約をすすめてくるのはなぜ?
不動産会社の担当者は専任媒介契約をすすめてくることがほとんどです。
その理由についてここでちょっと考えてみましょう。不動産会社がなぜ専任媒介契約をすすめてくるのかが理解できれば、専任媒介契約にするべきか、一般媒介契約にするべきかの判断の材料になります。
囲い込みをするため?
囲い込みは専任媒介契約でなければすることができません。
囲い込みをしようとする不動産会社にとっては、あなたと専任媒介契約を結ぶことが最初のハードルになります。専任媒介契約を結ぶことが当たり前かのように誘導してくるはずです。
一般媒介契約よりも専任媒介契約のほうがあなたにとってメリットがあるかのように話をしてくるはずです。「専任媒介契約であればあなたの家が売れるように一生懸命に頑張らせていただきます!」とかです。
でも、本当に一般媒介契約よりも専任媒介契約のほうがあなたにとってメリットがあるのでしょうか?
あなたに営業のための費用を出させたいから?
よく言われるのは、「一般媒介契約だと仲介手数料が必ず得られるという保証がないため、営業活動にもあまり熱が入らない」というものです。
本当にそうでしょうか?ビジネスでは利益になるかどうかの保証がない状態で営業活動をするのが普通じゃないでしょうか?例えば、テレビCM。テレビCMの広告費は自社で支払うはずです。利益がでるかどうかの保証はありません。
専任媒介契約でなければ一生懸命な営業活動はできないというのは、「利益がでるという保証がなければ営業活動しません」と言っているのと同じようなものです。もっと言えば、「営業のための費用はあなたが支払ってください」と言っているのと同じようなものです。
一般媒介契約であっても、熱心に営業活動をおこなう不動産会社だってあります。仲介手数料をもらえる保証はないけれども、もらえる可能性があるのであれば頑張るのは普通のことです。
専任媒介契約はあなたにとってメリットはありません。
専任媒介契約はあなたにとっては何のメリットもありません。メリットがあるのは不動産会社だけです。
不動産会社の担当者が専任媒介契約をすすめてきたら、その理由についてきちんと聞いてみるといいです。あなたのメリットになると言いつつも、実は不動産会社のメリットになっているのではないでしょうか。
そして、専任媒介契約にこだわる担当者であれば、囲い込みをしようとしている可能性もあります。
一般媒介契約で試してみて、信頼できるのなら専任媒介契約に切り替える。
不動産会社との契約は、まずは一般媒介契約にするべきです。一般媒介契約であれば何社とも契約できるので、頑張ってくれそうな不動産会社とは何社とでも一般媒介契約を結びましょう。
その中で、とても営業活動を頑張ってくれる不動産会社があるかもしれません。その不動産会社を優遇したくなるかもしれません。
そう思ったのなら、一般媒介契約から専任媒介契約に切り替えるのもありだと思います。一般媒介契約でも頑張ってくれるということは囲い込みをしようとする可能性は低いとも言えますし、専任媒介契約を任された不動産会社はさらに頑張ってくれるはずです。
専任媒介契約を結んでしまったらどうする?
不動産会社の担当者にのせられて専任媒介契約を結んでしまうこともあるかもしれません。
専任媒介契約を結んでしまうと囲い込みをされてしまう可能性がでてきます。そこで専任媒介契約でも囲い込みをされない秘訣について次回お話します。
家を高く売りたいなら知っておきたいこと
これだけは知っておいたほうがいいかもしれません。