老後の住み替え先としてマンションと一戸建てどちらがいいのかを迷っている人は少なくないのではないでしょうか?
老後になるともしかしたら体が自由に動かなくなるかもしれません。
車を運転するのも難しくなるかもしれません。
配偶者に先立たれて一人暮らしになるかもしれません。
もし、そうなったとき、マンションと一戸建てはどちらのほうがいいんでしょうか?
戸建てのマイホームは終の棲家ではなくなった?
一昔まえは戸建てのマイホームというのは終着点(終の棲家)と考えられていました。
賃貸から分譲マンション。
分譲マンションから戸建てへ。
「夢のマイホーム」という言葉もあります。
少しずつステップアップしていく様を「住宅すごろく」と呼んだりもします。
すごろくの最後が戸建てのマイホームで「アガリ」ということです。
でも、ここ最近は戸建てからマンションに住み替えるということが増えてきています。
老後を考えると戸建てよりもマンションの方が魅力的だと感じる人が増えているんです。
老後に戸建てだと階段の上り下りが大変?
老後に戸建てに住むにあたって特に問題になってくるのが「階段」です。
特に2階にリビングダイニングがある場合には問題になります。
1階にリビングダイニングと寝室と水回りがあれば、普段の生活は1階で完結させることができます。
子どもたちが帰ってきたときにだけ2階の寝室を使ってもらえばいいわけですから。
でも、2階にリビングダイニングがある場合には、毎日必ず階段を上り下りしなければいけません。
老後に足腰が弱ってきたらかなり大変になります。
都心に多い3階建ての狭小戸建ての場合にはたいてい2階がリビングダイニングになっています。
階段の傾斜もきつい傾向があるので足腰が弱る老後にはきびしいかもしれません。
平屋の場合には階段がないのでそういった問題はおこりません。
ただ、老後のために平屋を建てることはあっても、若いときから平屋の家を建てるという人はあまりいないのではないでしょうか?
今、平屋に住んでいるという人はほとんどいないのではないかと思います。
庭の手入れも大変になる?
戸建ての場合には「庭の手入れ」も大変になります。
庭があるのは戸建ての大きなメリットです。
でも、老後にはデメリットにもなってしまいます。
特に夏は植物の成長が早いです。
ちょっと庭を放置するとすぐに草がボウボウに生えてしまいます。
木を植えているのであれば木もモリモリと成長していきます。
場合によっては公道にまで枝を伸ばしてしまいます。
若いころであれば草刈りをしたり剪定ばさみで枝を切るのもそれほど苦にはなりません。
でも、老後はどうでしょうか?
夏の炎天下の中、草刈りをしたり木の剪定をするのは体力的に大変かもしれません。
平屋の場合には階段の上り下りという問題はありませんが、庭の手入れは発生してしまいます。
平屋の家の場合には、庭が広い傾向があるので大変かもしれません。
早起きしてゴミを出しに行くのが大変?
戸建ての場合には決められた日にゴミを出す必要があります。
地域によってバラツキがあるかと思いますが、朝8時までに出さなければいけなかったりするので、早起きが苦手な人にとっては結構大変です。
老後になると退職しているでしょうから、朝早起きする習慣がなくなっているかもしれません。
ゴミを出すためだけに早起きする必要があるかもしれません。
マンションなら戸建てのデメリットは無くなります
マンションの場合は、戸建てのデメリットとして挙げた「階段」「庭の手入れ」「ゴミ出し」が問題になりません。
マンションの場合でも2層で構成されるメゾネットタイプの場合には階段がありますが、一般的にはフラットで階段がない間取りのマンションがほとんどです。
マンションでも1階の場合には専用庭というものがついていたりしますが、戸建ての庭のように広くはありません。
せいぜいベランダを2倍ぐらいの広さにしたようなものがほとんどです。
マンションの場合には、共用施設としてゴミ収集所が用意されていることが多いです。
24時間いつでもゴミを出すことができます。
老後になると、こういったマンションならではの特徴というのが魅力的に感じられてくるんですね。
都心マンションは価格が高騰しています
マンションの中でも特に都心に立地するものは人気があります。
都心の場合には駅も近いですし、スーパーはもちろん娯楽施設も歩ける範囲内にあったりします。
病院も近くにあったりします。
そんなこともあって、老後に都心のマンションに住み替える人も少なくありません。
ただ、ひとつ問題があります。
価格が高騰してしまっているんです。
都心のマンションの場合には50平米であっても5000万円以上するところが多いです。
1億円を超えるマンションもそれほど珍しくはありません。
富裕層でもないかぎり1億円以上のマンションに住み替えるというのは難しいですよね。
住み慣れない街に老後に引っ越しするのはエネルギーがいる?
そうなってくると比較的価格が手頃な郊外のマンションが候補になってきたりします。
スローライフに憧れて長野県や山梨県の田舎に立地するマンションに興味を持つ人もいるかもしれません。
はたまた、箱根や軽井沢などのリゾートマンションに興味を持つ人もいるかもしれません。
リゾートマンションは管理費が4〜5万円かかったりとかなり高額ですが、物件価格そのものは1000万円以下だったりするので気になる人もいるのではないでしょうか。
ただ、老後にいきなり住み慣れない街に引っ越しするのはリスクもあります。
実際に住んでみるとイメージしていたのと違うということもよくあることです。
もし、そういったスローライフやリゾートライフに憧れがあるのであれば、引っ越しをする前に入念に現地調査をしてからのほうがいいかと思います。
例えば、毎年軽井沢にリゾートに行っていて、土地勘があるのであれば、老後に軽井沢のマンションに移住するというのもありかもしれません。
軽井沢の冬は北海道並なので夏だけのリゾートしか経験していない場合には注意が必要ですが。
今住んでいるところの近くのマンションに住み替えるというのもあり?
住み慣れたすぐ近くのマンションに住み替えるというのもありだと思います。
むしろ、かなりオススメです。駅徒歩15分の戸建て住宅から駅徒歩3分の分譲マンションに住み替えるというイメージです。
最寄りの駅が同じであれば住み替えたとしても違和感はほとんど感じないはずです。
いつも利用していたスーパーを引き続き利用することもできます。
いきつけのお店にも通い続けることができます。
徒歩12分の差ですからご近所付き合いも引き続き継続できるはずです。
老後に大きく生活環境が変わるのは大変ですが、住み慣れた地域内でも住み替えであればすぐに慣れることができるはずです。
まとめ
というわけで、老後に住み替えるならマンションと一戸建てどちらがいいのかというお話をしました。
体力が落ちてしまう老後を考えると戸建てよりもマンションのほうがメリットは多くなります。
マンションであれば階段がないですし、庭の手入れもいりません。
ゴミ出しも24時間自由におこなうことができます。
だからといって戸建てがダメというわけではないですけどね。
戸建て用のホームエレベーターというものも安くはないですがありますし、庭の手入れも業者に頼むという方法もあります。
スーパーでの買い物も最近ではネット注文をすることもできます。
老後の住み替え先としてマンションが注目されています。メリットもあります。
でも、住み慣れた戸建てが好きなのであれば、無理をしてマンションに住み替える必要はそれほどないのではないかと思います。
投稿者プロフィール
- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
最新の投稿
- 2019.12.09税金・相続・法律「相続登記」と「所有権移転登記」の違いは何なんでしょうか?
- 2019.12.06住宅性能・住宅診断家は住まないと劣化するというのは本当なんでしょうか?
- 2019.12.06登記「表題登記(表示登記)」と「権利登記」はどう違う?
- 2019.12.06税金・相続・法律相続した不動産が未登記だった場合にはどうするのがいいんでしょうか?
家を高く売りたいなら知っておきたいこと
これだけは知っておいたほうがいいかもしれません。