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農地の宅地への地目変更はどのタイミングでおこなうんでしょうか?

農地を購入して宅地として使う場合には、地目を変更する必要がでてきます。

 

農地であれば地目は「田」や「畑」になっているはずです。

その地目を「宅地」へと変更するんですね。

 

一体、どのタイミングで地目を変更すればいいんでしょうか?

 

家の「基礎」さえ出来上がれば地目変更できます

結論から言えば、家の土台である「基礎」さえ出来上がれば地目を宅地に変更することは可能です。

まあ、実際のところは法務局の登記官の判断によりますけれどね。

 

でも、家の基礎の部分ができていて、給水管や排水管などの配管が完了していれば宅地として認められることがほとんどのようです。

 

そこまで出来ていて「やっぱり宅地として使わない」ということはあまり考えられませんからね。

 

家が「完成」してから地目変更することが一般的です

とはいえ、原則的には、地目を宅地に変更できるのは家が「完成」してからです。

実際にその土地に家が建っている状態にしてから、地目変更をするんですね。

 

家が完成すると建物の表題登記もおこなわなければいけません。

そのときに同時に土地の地目変更をおこなうのが一般的です。

 

「田」や「畑」になっていた地目を「宅地」へと変更するんですね。

実際に家が建っている状態であれば、問題なく地目変更をおこなうことができます。

 

地目が宅地になってないと「住宅ローン」を利用できない?

農地の宅地への地目変更は、住宅ローンを利用するときに問題になることがあります。

金融機関によっては地目が「宅地」になっていないと融資をおこなうことはできないと言うんですね。

 

ここで、「にわとりが先か?卵が先か?」の問題が発生します。

 

だって、原則的には地目を宅地に変更するには、実際に家が建っていないといけません。

でも、家を完成させるためには住宅ローンを利用しなければいけません。

 

住宅ローンを利用するには、すでに家が建っていて地目が宅地になっている必要があります。

 

「家を建てるために住宅ローンを利用したいのに、地目が宅地になっていないといけないってどういうこと?」という話になってしまいます。

 

「農地転用許可書」だけでは地目変更できません

まだ家が建っていない更地の状態で、地目を宅地に変更することってできるんでしょうか?

 

農地を宅地として使いたいという場合、農業委員会から「農地転用許可書」か「農地転用届出受理通知書」をもらっているはずです。

市街化区域内の農地であれば「農地転用届出受理通知書」、市街化調整区域内の農地であれば「農地転用許可書」です。

 

そういった書類を利用して地目を宅地に変更することはできるんでしょうか?

 

結論から言えば、それだけでは地目変更をおこなうことはできません。

いや、それらの書類は必要な書類ではあるのですが、それだけでは足りないんです。

 

やっぱり、実際にその土地が家として使われているという現状証拠が必要になってくるんですね。

 

関連記事:農地を宅地として使う(農地転用)には農業委員会の許可が必要?

 

住宅ローンを利用するには「つなぎ融資」でまずは基礎を完成させること

なので、住宅ローンを使って農地に家を建てたいという場合には、まずは「つなぎ融資」で家の基礎を完成させてしまいます。

まずは、家を建て始めてしまうんですね。

 

原則的には地目を宅地に変更できるのは家が完成してからです。

でも、実際のところは、家の基礎だけが完成した状態でも地目を宅地に変更することができます。

 

なので、基礎が完成したタイミングで、地目を「田」や「畑」から「宅地」へと変更します。

そうすると、住宅ローンを利用することができるようになります。

 

住宅ローンの融資日は、家を建て始める前ではなくて、家が完成した後ですから。

 

金融機関の人も、このあたりの事情にはあまり詳しくない可能性があります。

農地に家を建てるというのは、全国の住宅着工数から言えばとても少ないはずですから経験値も少ないはずです。

 

社内のマニュアルにそう書かれているからというだけで「地目を宅地に変更してください」と言ってきているのかもしれません。

原則的には地目を宅地に変更するには、すでに家が建っている必要があるということを知らない可能性もあります。

 

住宅ローンを利用して農地に家を建てるという場合には、このあたりの事情も知っておく必要があります。

 

まとめ

というわけで、農地の「田」や「畑」の地目を「宅地」に変更するのはどのタイミングでおこなうのがいいのかというお話をしました。

 

原則的には、地目を宅地に変更することができるのは、実際に家が建ってからです。

家が完成してから地目を「宅地」に変更できるということです。

 

でも、実際のところは家の基礎の部分ができてさえいれば地目を「宅地」に変更できたりします。

 

住宅ローンを使って農地に家を建てようとする場合には、このあたりの事情はよく知っておく必要があります。

というのも、住宅ローンを利用するには地目が「宅地」になっている必要があるからです。

 

「家が建ってからでないと地目を宅地に変更できないのに、どうやって住宅ローンを利用しろっていうのさ!」ということになりかねません。

 

住宅ローンを利用したい場合には、まずは「つなぎ融資」で家を建て始めてしまいます。

そして、家の基礎ができた段階で、地目を「宅地」に変更します。

 

そうすれば、家が完成したあとの決済日に、住宅ローンの融資を受けることができるようになります。

 

関連記事:農地を宅地として使う(農地転用)には農業委員会の許可が必要?

 

投稿者プロフィール

山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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