不動産登記簿は、「表題登記」と「権利登記」に分かれています。一体、どう違うんでしょうか?
表題登記は「表」のプロフィールです。
表題登記は、言ってみれば「表」のプロフィールです。登記簿を確認しなくても、現地に行けばなんとなくわかるようなことが記載されています。
土地や建物の所在地や面積、用途などが書かれています。
例えば、所在地。土地の面積や、建物の面積。そして、用途などが書かれています。現地に行けばなんとなく分かりますよね。
登記簿は地番表記ですが、住所が分かっていれば、地番を調べることができます。また、現地に行けば、建っている建物がどんな感じかが分かりますよね。「あ、住宅なんだな」とか「3階建ての鉄骨造なのかな?」とか。正確な面積は目で見ただけでは分かりませんが、おおよその規模感は知ることができます。
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権利登記は「裏」のプロフィールです。
一方、権利登記は「裏」のプロフィールです。現地に行っただけではまず分かりません。家の表札を見れば、住んでいる人の名字は分かるかもしれません。でも、裏のプロフィールと、その名字が一致しないこともあります。
誰がその土地や建物の所有者なのか?
権利登記には、まず、誰がその土地や建物の所有者なのかということが記載されています。所有権ですね。そして、それは、今の所有権者だけに限りません。過去に、その土地や建物を所有していた人達も記載されています。
土地や建物の売買がおこなわれると、所有権の移転が起こります。そうすると、所有権移転登記として権利登記に記載されていくんですね。
誰が購入するためのお金を貸しているのか?
そしてまた、誰が、その土地や建物を購入するためにお金を貸しているのかということも記載されています。
例えば、住宅ローンの利用があった場合、金融機関は、抵当権という権利を登記します。抵当権というのは、もし、ローンが滞るようなことがあった場合に、その土地や建物を差し押さえることができる権利です。そして、競売にかけて、融資した資金を回収することができます。
権利登記には、こういったことも記載されているんです。融資した額や金利まで記載されます。こういったことは、現地に行っても分かりません。
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関わる人(法人含む)についての関係性が書かれています。
言ってみれば、権利関係には、その土地や建物に関わる人の関係性が記載されているんです。土地によっては、とても複雑な関係性が記載されていることもあります。
例えば、六本木周辺の土地とか。権利登記を見ただけで、その土地とは関わりたくなくなったりします。地価が高い都心には、そういった土地が結構あるかもしれません。
まとめ
というわけで、「表題登記」と「権利登記」はどう違うのかというお話をしました。
表題登記は、「表」のプロフィールです。現地に行けば、なんとなくわかるようなことが記載されています。所在地とか面積とか用途とかですね。
一方、権利登記は、「裏」のプロフィールです。現地に行ってもわからないことが記載されています。例えば、その土地の所有権者は誰かとか、抵当権者は誰かとかですね。言ってみれば、その土地や建物に関わる関係性について記載されています。
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- 一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。
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