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「地番」と「住居表示」ってどんな違いがあるんでしょうか?

土地の場所をあらわす指標として、「地番」と「住所表示」の2つがあります。一般的には住所表示のほうが馴染みがあると思います。○丁目○番○号というのは住所表示です。一体、地番と住所表示にはどんな違いがあるんでしょうか?

土地に番号を振ったのが「地番」です。

土地に番号を振ったのが「地番」です。

例えば、〇〇県〇〇市〇〇という地名があったとして、その地域にある土地のすべてに番号を振ります。それが地番です。例えば、その地域に1000の土地があるのであれば、〇〇県〇〇市〇〇1という地番から〇〇県〇〇市〇〇1000という地番までが作られます。

1962年までは「住所=地番」でした。

1962年までは、「住所=地番」というのが普通でした。でも、日本が高度成長するなかで、地番という制度の問題点もでてきました。大きな土地が、分譲地として細分化されていきました。そうすると、新たな地番を追加しなければいけなくなります。そうなると、どういうことが起こるでしょうか?

1番地と1001番地が隣り合っていたらどうなる?

1番地の隣の土地が1001番地ということが起こり得るようになったんです。例えば、2番地が分筆されて土地が増える場合、すでに1000番地まで降られている場合には、1001番地として追加されていくことになります。

位置関係が分かりにくいという問題が。

住所というのは、大抵の場合、連続性がありますよね。お隣の家の住所は、自宅の住所と、最後の1桁がズレるだけのことが多いです。例えば、2番地に建っている家に行きたいとき、1番地を見つけたら、「2番地は隣だ」って思いますよね。

でも、お隣の土地は1001番地だったりすることがあるんです。地番表記だと、地番の数字と、土地の位置の関連性が分かりにくい!という問題が表面化してきました。

そこで1962年に登場したのが「住居表示」です。

そこで1962年に登場したのが住所表示です。〇〇県〇〇市〇〇の中で地番を振っていたのを、丁、番、号を使ってさらに階層化しました。

丁、番、号によって位置関係を分かりやすく。

丁、番、号を使った住所表示には、みんな馴染みがあるんじゃないでしょうか?〇〇県〇〇市〇〇1丁目1番1号といった感じですね。こうやって階層化することで、住所と建物の位置関係がわかりやすくなりました。

例えば、1丁目1番2号の建物を探す場合、とりあえず、1丁目1番まで行ってみれば、すぐに探し当てることができます。実のところ、住所表示であっても、隣の住所と数字が飛んでいるということもありえます。

例えば、1丁目1番1号の隣の家が、1丁目1番21号だったりすることもあるんです。でも、すくなくとも、1丁目1番の中であることには変わりありません。「番」というのは街区を表すことが多いので、10〜20の家が立ち並ぶその街区を探すだけで、目的の建物を探し当てることができます。

これが、「番地」の場合には困難を極めることがあります。複数の街区にまたがってその建物を探さないといけないという可能性がでてきます。

土地ではなく、建物に番号が振られています。

ちなみに、住所表示というのは、土地ではなく、建物に番号が降られているのも特徴です。地番の場合には、土地に番号が降られています。ひとつの番地に複数の建物が建っているということもあるんですね。

でも、住所表示の場合にはそういったことはありません。建物ごとに番号が降られています。ちなみに、住所表示が使われるようになった現在なのですが、地番が廃止されたわけじゃありません。地番は残っています。例えば、法務局で管理されている不動産登記簿では、番地が使われています。

そして、場所によっては住所表示が使われていない地域というのもあります。例えば、東京でも神楽坂の周辺や、千代田区の番町がつく地域では、今も地番が使われています。土地の数が少ないので、住所表示にしなくてもそれほど混乱がなかったりするんですね。

まとめ

というわけで、地番と住所表示の違いについてお話しました。

土地に番号を振ったのが地番です。1962年までは住所といえば地番が使われていました。でも、土地が細分化され、番地が増えていくと、番地の連続性が失われるという問題がでてきました。

そこで1962年に登場したのが住所表示です。丁、番、号を使って、住所を階層化しました。これによって、住所と建物の位置の関係性がわかりやすくなりました。

投稿者プロフィール

山河直純住宅不動産研究家
一級建築士受験資格保有。建築家が設計した住宅、築40年以上のヴィンテージマンション、ハウスメーカーの住宅などなど、住宅全般をこよなく愛しています。特に狭小住宅好き。

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